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ニュース
●アフリカ事情
●エジプトでGM種子出荷停止
エジプト政府は、輸入第2弾の認可手続きに不備があったとして、モンサント社のGM種子の出荷を停止した。2008年に、モンサント社のGMトウモロコシの輸入、栽培、販売を認め、10年12月に最初の種子が届き、10地区で栽培が始まった。12年1月に第2弾の種子が届いたが、これに対して出荷停止を命じた。
〔Egypt Independent 2012/7/21〕
●欧州事情
●ドイツ農相、未承認GM作物ゼロ混入政策堅持
EUは、未承認GM作物の食品への混入を認めない現在の規則を改定して、0.1%までの混入を認める方向で検討を始めた。これに対して、ドイツ消費者保護・食糧・農業相イルゼ・アイグナーは、未承認のGM原料の含有を一切認めない現在の規則を、今後とも堅持する方針を明らかにした。
EUは2011年に、輸入家畜飼料に対して、未承認GM原料の微量の含有を認める新しい規則を採択している。米国を始め北南米の輸出作物の大部分をGM作物が占めるようになっている今、EUでも人の食品にも混入を認める動きが出てきた。 〔Thomson Reuters 2012/6/11〕
●EUがタイ産パパイヤの輸入検査強化へ
タイで未承認のGMパパイヤが流通したこと(本誌7月号参照)を受けてEUは、輸入検査の強化を発表した。欧州では、パパイヤの多くをタイからの輸入に依存しており、6月にはタイからの輸入を拒否するまでに至った。7月以降は検査強化で対応を図るとしている。〔Food
Navigator 2012/6/29〕
●アイルランドでGMジャガイモ試験栽培へ
アイルランド環境保護局がGMジャガイモの野外試験栽培を承認したことを受けて、環境保護団体だけでなくレストラン、旅行業者にも反対の動きが高まっている。このGMジャガイモは葉枯れ病に抵抗性を持たせたもので、試験栽培はカーロー州の農地2ヘクタールで、4年にわたり農務省の研究部門によって行われる。〔Irish
Examiner 2012/7/27〕
●北米事情
●米国上院、GM食品表示のための農業法改正案否決
バーモント州選出のバーニー・サンダースとカリフォルニア州選出のバーバラ・ボクサーが連邦議会上院に提出していた、GM原料を含む飲食物に明確な表示を義務付ける権利を各州に認める「農業法」の改正案が、26対73票で否決された。GM表示を求める法案が米国議会に提出されたのはこれが初めてだったが、大手食品メーカーの全面的な反対もあり否決された。
7月18日、GMフリー・アイダホなどの市民が、法案に反対した、上院議員マイク・クレイポの事務所前で抗議行動を行った。 〔Boise Weekly 2012/6/21など〕
●米国農務省がGMテンサイの作付け中止解除
2009年連邦地裁は、米国農務省(USDA)のGMテンサイ承認は環境影響評価が不十分だったとして、栽培を違法とする判決を下した。USDAは作付け中止を命じ、環境影響評価の見直しをすすめていた。それが終了したとして今回中止を解除した。しかし、法廷での争いは今後も続く可能性が強まった。農務省は今回の解除発表の際、これまでの裁判への疑問を投げかけているからである。
〔Capital Press 2012/7/20〕
●「2,4-D」耐性大豆、承認される
米国農務省が、ダウ・アグロサイエンス社が申請していた除草剤「2,4-D」耐性大豆を承認した。「2,4-D」は、ベトナム戦争時に枯葉剤に使われ、さらに環境ホルモンとして作用する毒性をもつことから、市民の間で承認反対運動が起きていた。除草剤「ラウンドアップ・レディ」大豆が耐性雑草によって効力を失っていることから、その対策として申請されていた。
〔Mother Jones 2012/7/18〕
●GMリンゴ、米国のリンゴ協会も拒否を表明
承認を求めてカナダ食品監視局に申請された、茶色に変色しないように改変したGMリンゴ「Arctic Apple」に対して、カナダの果樹生産者協会に続き、米国リンゴ協会も拒否を表明した。理由として、これまで流通してきたGM作物と異なり、生のまま食べることに加え、リンゴがもつ、健康によい自然食品のイメージを傷つけることをあげている。
〔The New York Times 2012/7/12〕
●米国政府へ巨額のロビー活動費を投入
モンサント社などのバイテク企業による、ワシントンでの巨額の費用をかけたロビー活動が明らかになった。1999年から2009年までの間に、バイテク企業は100を超えるロビー活動を行うために企業と契約し、その額は5億4750万ドルにのぼるという。
〔Mother Jones 2012/7/2〕
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