■2012年10月号

今月の潮流
News
News2
今月のできごと


今号の目次へ戻る
ジャーナル目次へ戻る






























バイオジャーナル

ニュース


●アフリカ事情
●ケニア政府がGMO輸入に向けて準備開始

 ケニア政府バイオセーフティ局は、GM作物輸入に向け、8月6日から4日間の予定でスタッフに対するワークショップを行った。 〔Netherlands Aid 2012/8/7〕

●南
●ブラジル裁判所、GMOを1%以上含むネスレ社製品へ表示命じる

 ブラジルの裁判所がネスレ社に対して、GM食品表示を命じた。ネスレ社のイチゴ風味クッキーからGMOが見つかり、その後、同社の全製品に1%以上のGMOが含まれていることがわかった。ブラジルの法律では、GMOを1%以上含んでいる食品には表示する義務がある。 〔Food World News 2012/8/27〕

●遺伝子組み換え作物
●Bt毒素で標的以外の昆虫が死亡

 Bt毒素が標的以外の昆虫にも影響を及ぼすことが、新たな研究で確認された。かねてよりGMO推進派は影響を及ぼさないと主張してきたが、GM作物に含まれるBt毒素(Cry1Ab)を摂取したフタモンテントウの幼虫が死ぬことが明らかになった。幼虫の飼育ケースにBt毒素入りの砂糖水を染みこませたコットンを置き、さらに餌となる蛾の卵にも毒素をまぶして与えたところ、たった6日で平均死亡率が40%に達した。毒素を入れない対照群の死亡率は約25%だった。 〔Institute of Science in Society 2012/7/12〕

●省庁動向
●カルタヘナ法対象外の遺伝子操作ワクチン、承認へ

 食品安全委員会は、鶏などが対象の遺伝子操作ワクチンの認可にあたって一般から意見を募り(8月22日締め切り)、間もなく承認の運びとなる。この遺伝子操作ワクチンは、大腸菌を原因として鶏や七面鳥がかかる感染症に対する「鶏大腸菌症生ワクチン(ガルエヌテクトCBL)」。採卵用の鶏より、肉用鶏により発生し、廃棄などの措置が取られる病気としては最も多いという。
 病気の原因となる菌株で最も多いのが、大腸菌O-78である。この病気をもたらす大腸菌の遺伝子(crp遺伝子)を欠損変異型の遺伝子に置き換えて、ワクチンを作りだした。置き換えによりO-78を弱毒化し、ワクチン効果を狙ったものである。置き換えた欠損変異型遺伝子は、大腸菌J-29株に由来するので、このワクチンはすべて大腸菌由来となる。このように、同じ種の遺伝子のみを用いた遺伝子操作をセルフクローニングという。
 同じ種を用いているため、遺伝子組み換えに当たらず、厚労省はカルタヘナ法の対象外であるとした。同様にナチュラルオカレンスもまた、異なる種の遺伝子を用いるが、自然界でそれらの遺伝子交換が起きるケースのものを使用しているため、カルタヘナ法対象外とした。

●GMO承認情報
表1 GM作物野外栽培承認(第1種使用規定)一覧

生物多様性影響評価検討会総合検討会
作物 性質 申請(開発者) 名称 認可日*
ダイズ 除草剤グリホサート及びイソキサフルトール耐性ダイズ バイエルクロップサイエンス株式会社 FG72, OECD UI:MST-FG072-3 2012年6月29日
ダイズ 除草剤グルホシネート耐性ダイズ バイエルクロップサイエンス株式会社 A5547-127, OECD UI:ACS-GM006-4 2012年6月29日
ダイズ 除草剤ジカンバ耐性ダイズ 日本モンサント株式会社 MON87708, OECD UI:MON-87708-9 2012年6月29日

*正式にはパブリックコメントの後に認可される。