■2012年11月号

今月の潮流
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今月のできごと


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バイオジャーナル

ニュース


●GM食品表示
●カルフォルニア州GM食品表示法案、市民の支持は61%

 米国カリフォルニア州における住民発議の「GM食品表示法案」について、ロサンゼルス・タイムズが世論調査をしたところ、支持61%、不支持25%、態度保留14%と、支持を表明した市民が圧倒的に多かった。ただしこの調査は、バイテク業界による巨額を投じたテレビなどの宣伝攻勢が始まる前であり、状勢は変化する可能性もある。〔Los Angeles Times 2012/9/27〕

●GM昆虫
●EUでGMオリーブミバエの導入検討

 EUは、オリーブのみを食樹し被害をもたらすハエ、オリーブミバエ対策にGMオリーブミバエの使用を認めるかどうか、議論を開始することになった。推進の先導役のスペインでは、オリーブミバエ対策のキャンペーンと、殺虫剤を使用せず、GM技術を用いて不妊のミバエを大量に作り、放出する対策をするべきだというキャンペーンを行っている。欧州食品安全機関(EFSA)は、すでにGMオリーブミバエ使用の道を開く一般意見募集を終了した。〔Olive Oil Times 2012/9/4〕
●遺伝子組み換え作物
●新GM小麦は肝臓障害を引き起こす可能性大

 ニュージーランド・カンタベリー大学の遺伝学者ジャック・ハイネマンは、オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)が開発した、デンプンの構成を変えた新しい GM小麦について、肝不全などの肝臓障害を引き起こす可能性がある、と指摘した。原因について、肝臓の機能の1つがグリコーゲンの産生だが、CSIROの技術で抑制される小麦中の酵素が、人間のグリコーゲンを産生する酵素に似ているからだ、と述べている。このGM小麦はGM大麦とともに9月10日、遺伝子技術規制局によって野外での試験栽培が承認されたばかりである。〔The West Australian 2012/9/11)

●耐性害虫の報告続く

 米国イリノイ大学の研究グループは、トウモロコシを食害する根切り虫が、モンサントのBtトウモロコシ品種に耐性を獲得していることを示す研究結果を発表した。同様のデータは、アイオワ州立大学の研究グループも報告している。〔Daily Illini 2012/8/29〕

●米国環境保護庁が耐性害虫を指摘

 米国環境保護庁(EPA)は、中西部で栽培されているモンサント社のBtトウモロコシが害虫に対する効力を失いつつある、と述べた。イリノイ州やアイオワ州で実施された調査で、根切り虫がモンサント社の殺虫剤に耐性を獲得していることが報告されているほか、コーン・ベルトと呼ばれるトウモロコシ栽培地帯の各地で、害虫の耐性獲得の問題が起きている。EPAは2010年にBtトウモロコシ「イールドガード(Yield Gard)」を承認する際、耐性が確認されれば、対策の一環として、対象地域での種子の販売を禁止する可能性もある、と述べていた。〔Bloomberg 2012/9/5〕

●エジプトの科学者が動物実験を踏まえ警告

 エジプトの科学者が、GM食品の動物実験を行った結果、健康上有害な影響をもたらすとして、警告を発した。この実験を行ったのはカイロ大学獣医衛生学部教授Hussein Kaoudで、実験はラットとマウスを9つのグループに分け、異なるGM食品を用い、それに伴う生理学的・心理学的反応を分析した。〔Egypt Independent 2012/8/12〕

●GMO承認情報
表1 GM作物野外栽培承認(第1種使用規定)一覧

生物多様性影響評価検討会総合検討会
作物 性質 申請(開発者) 名称 認可日*
ダイズ チョウ目害虫抵抗性ダイズ 日本モンサント株式会社 MON87701, OECD UI: MON-87701-2 2012年9月7日
ワタ 除草剤グルホシネート及びチョウ目害虫抵抗性ワタ バイエルクロップサイエンス株式会社 GHB119, OECD UI: BCS-GH005-8 2012年9月7日
ワタ 除草剤グルホシネート及びチョウ目害虫抵抗性ワタ バイエルクロップサイエンス株式会社 T304-40, OECD UI: BCS-GH004-7 2012年9月7日

*正式にはパブリックコメントの後に認可される。