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今月の潮流●遺伝子組み換え作物栽培の現状
GM作物を推進している国際アグリバイオ事業団 (ISAAA)が、GM作物栽培の現状を発表した。この発表は、GM作物売り込みのプロパガンダの役割を果たしており、どこまで実態を反映したものか疑問がもたれている。
2012年のGM作物栽培面積は1億7030万haになり、2011年より1030万ha増加している。最大の要因に、この1年間にブラジルで630万haも栽培面積が増加していることがあげられる。世界のGM作物栽培面積は、全農地(約15億ha)の1割強だが、米国、アルゼンチン、ブラジルの3大栽培国で1億3000万haを占め、栽培国が限定されている点も昨年同様である。栽培国は28カ国で、前年より1カ国減少した。2011年にジャガイモを作付けしていたドイツとスウェーデン、トウモロコシを作付けしていたポーランドが非栽培国となり、ヨーロッパからの撤退が顕著となった。カナダでは、ナタネの作付けが97.5%となり、非GMのナタネはほぼなくなった。作付けした1730万戸の農家の大半が中国とインドの農家で、それぞれ約720万の農家がBt綿を作付けしている。新たな栽培国はスーダンとキューバで、スーダンではBt綿を2万ha、キューバではBtトウモロコシを3000ha作付けしている。スーダンは、南アフリカ、ブルキナファソ、エジプトに続くアフリカで4番目の栽培国となった。〔ISAAA 2013/2/19〕
表1 遺伝子組み換え作物の作付け面積推移(万ha) |
1996年 |
170 |
1997年 |
1100 |
1998年 |
2780 |
1999年 |
3900 |
2000年 |
4300 |
2005年 |
9000 |
2010年 |
1億4800 |
2011年 |
1億6000 |
2012年 |
1億7030 |
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*参考:日本の国土面積は3780万ha
世界の農地は約15億ha |
表2 国別作付け面積(万ha) |
米国 |
6950 |
大豆、トウモロコシ、綿、ナタネ、カボチャ、パパイヤ、アルファルファ、テンサイ
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ブラジル |
3660 |
大豆、トウモロコシ、綿 |
アルゼンチン |
2390 |
大豆、トウモロコシ、綿 |
カナダ |
1160 |
ナタネ、トウモロコシ、大豆、テンサイ |
インド |
1080 |
綿 |
中国 |
400 |
綿、パパイヤ、ポプラ、トマト、ピーマン |
パラグアイ |
340 |
大豆、トウモロコシ、綿 |
南アフリカ |
290 |
トウモロコシ、大豆、綿 |
パキスタン |
280 |
綿 |
ウルグアイ |
140 |
大豆、トウモロコシ |
ボリビア |
100 |
大豆 |
フィリピン |
80 |
トウモロコシ |
オーストラリア |
70 |
綿、ナタネ |
ミャンマー |
30 |
綿 |
ブルキナファソ |
30 |
綿 |
メキシコ |
20 |
綿、大豆 |
スペイン |
10 |
トウモロコシ |
その他* |
わずか |
計 |
1億7030 |
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*その他の国 チリ(トウモロコシ、大豆、ナタネ)、コスタリカ(綿、大豆)、コロンビア、スーダン(綿)、ホンジュラス、ポルトガル、チェコ、キューバ、エジプト、ルーマニア、スロバキア(トウモロコシ) |
表3 作物別作付け面積(万ha) |
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世界 |
GM品種 |
大豆 |
10,000 |
8,100(81%) |
トウモロコシ |
15,900 |
5,565(35%) |
綿 |
3,000 |
2,430(81%) |
ナタネ |
3,100 |
930(30%) |
計 |
3億2,000 |
1億7,025 |
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