■2013年4月号

今月の潮流
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今月のできごと


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バイオジャーナル

ニュース


●アフリカ事情
●ISAAA報告と矛盾する南アのGM作物栽培状況

 南アフリカの市民団体「南アフリカ・バイオセーフティ・センター」は、国際アグリバイオ事業団(ISAAA)の報告は過大な評価に基づいたプロパガンダである、と批判した。同報告では、南アフリカの GM作物栽培面積が前年に比べて26%、60万ha増加したことになっている。しかし、同国政府・農林漁業省の統計データによると、GMトウモロコシとGM大豆の増加は15万haにも及ばず、GM綿にいたっては 3000ha減少していると指摘した。市民団体は、ISAAAの過大評価は、GM作物の支持を得るための宣伝だと批判した。〔The African Centre for Biosafety 2013/2/25〕


●アジア事情
●フィリピン政府のGMトウモロコシ促進に農家反発

 フィリピン政府のトウモロコシ競争力委員会(National Corn Competitiveness Group/Board or the National Corn Board)が、オリエンタル・ミンドロ州政府にGMトウモロコシの再導入を促す覚書を提出したことに対し、有機栽培農家などが反対の声を上げている。同州は条例(2004年6月21日可決、2007年2月19日修正可決)で、GMOの州内への持ち込み、販売、試験栽培、商業栽培を禁じており、同州も含まれる、フィリピン西部のミマロパ地方(オクシデンタル・ミンドロ州、オリエンタル・ミンドロ州、マリンドゥク州、ロンブロン州、パラワン州)では、有機栽培を推奨しGMOを拒否する合意を交わしている。なぜGM品種を再導入する必要があるのか、農家や環境運動団体は疑問視している。〔Greenpeace Philippines 2013/1/24〕

●オセアニア事情
●ニュージーランドの2地方議会がGM作物栽培禁止へ

 ニュージーランドのノースランドとオークランドの2つの地方議会が、GM作物の野外栽培を禁止する決議をまもなく採決する。これは同国の資源管理法に基づくもので、環境及び経済的に悪影響が起きるのを防ぐのが目的。〔Voxy 2013/2/4〕

●GM食品表示
●米国のGM食品表示、その後の状況

 ワシントン州では、GM食品表示法制定を目指す住民投票を求める署名が規定の数を上回ったことが確認された。次のステップとして、州議会が、表示法案の中身を検討する。〔The Seattle Times 2013/2/1〕

 3月1日、バーモント州議会上院の農林委員会がGM食品表示法案を8対3で可決した。州知事らがGM食品に懸念を示しており、下院農林委員会議長のキャロリン・ハートリッジもよい機会だと述べていたため、成立は必至と見られていた。米国で初めてGM食品表示が義務付けられることになる。〔WCAX Radio 2013/2/6〕

 現在バーモント州議会は、GM食品表示法成立後に、モンサント社などが法成立無効を求めて訴訟を起こす可能性が強いことから、それに対抗する準備を進めている。〔Vermont Public Radio 2013/2/19〕
 ハワイ州では、GM食品表示法案が下院第2読会で修正の上可決され、その後、消費者保護委員会で審議されることになった。これによって法案成立は確実になったが、修正の際、表示対象が輸入果実と野菜に限定された。〔Digital Journal 2013/2/8〕

 コネチカット州では、昨年に続き再び、GM食品表示法案が州議会に提出される。法案は民主党議員2名が作成し、数名の共和党議員も支持を表明している。〔Digital Journal 2013/2/9〕
 ニュージャージー州では、環境保護団体や有機農業団体などが共同で、州議会に対して、GM食品表示を求める活動を進め、米国で最初に表示を行う州となることを目指している。〔News Works 2013/2/22〕

 コロラド州下院州議会は、農民や母親がGM食品表示を求める発言を行った後に採決を行い、7対2で否決した。GM食品表示は州レベルではなく、連邦国家で行うべきだ、というのがその理由である。〔Yahoo News USA 2013/2/22〕
 メリーランド州下院議員グレン・グラスが、GM食品表示法案を州議会に提出した。法案では、食品表示の義務づけとともに、GM食品への「ナチュラル」「オーガニック」などの表示を違法としている。〔DCist 2013/2/13〕

 GMOフリー・アイダホは、州議会に対して、GM食品表示法の成立を求めてきたが、もし州議会が動かない場合は、GM食品表示法案の是非を問う住民投票に持ち込むことを明らかにした。〔Capital Press 2013/2/18〕

 ニューメキシコ州議会上院に、ピーター・ウィルト議員によって、GMO食品表示を導入する「ニューメキシコ食品法」改正案が提出されたが、否決された。しかし、同州サンタフェ市議会議員のパティ・ブッシェは、地方議会から改めてGM食品表示を求めていくことを表明した。〔The New Mexican 2013/2/12〕

 ニューハンプシャー州では5時間に及ぶ公聴会が開かれ、GM食品表示に賛成する消費者や、反対する食品産業などがそれぞれの意見を述べた。州議会農業委員会は現在、法案を審議しており、秋までに結論を出すことになっている。〔Concord Monitor 2013/3/2〕

 ミネソタ州議会にも、2月28日に食品表示法案が提出された。フロリダ州でも、200を超える市民グループがGM食品表示を求めて議会に働きかけ、下院議員が法案を提出する準備に入った。〔Palm Beach Post 2013/3/1〕