■2003年2月号

今月の潮流
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バイオジャーナル

今月の潮流●遺伝子組み換えパパイア、認可の可能性強まる


 1998年から米ハワイ州で、コーネル大学、ハワイ大学、アップジョン社が共同で開発したウイルス抵抗性パパイアの商業栽培が始まった。
 パパイアは、中南米を原産とする多年生の草木で、高さが10mほどに育ち、ツリーメロンという名前の通り、木になるメロンとして、その実が食されてきた。日本では沖縄や奄美大島などで栽培されているが、台風などの風や雨に弱いため、しばしば大被害を被り、収穫量の安定・増加は見込めなかった。
 また、病気の侵入を食い止めるために、植物防疫法によって輸入はハワイ産ソロ種しか認められていない。そのため市場はほぼ、ハワイ産によって占められている。ハワイのパパイアは生産の半分が輸出されており、その半分以上が日本に入ってきている。
 ハワイでは現在、主に日本市場向けに非組み換えを栽培し、輸出しているが、しばしば遺伝子組み換えパパイアの混入が検査によって確認されている。
 その組み換えパパイアが、厚労省によって正式に食品として認可される可能性が強まった。すでに1999年に申請が出されており、追加書類を提出すれば認可される段階に達した。
 もし認可されれば、日本で初めて、生鮮食品の遺伝子組み換え作物が、登場することになる。