■2019年4月号

今月の潮流
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バイオジャーナル

ニュース


●北米事情
●米マイアミ市がグリホサート使用禁止に

 フロリダ州マイアミ市は、ビスケイ湾の環境を破壊しているとして、グリホサートの使用禁止を決定し施行した。同市では毎年、道路や公園の除草に4800ガロン(約1万8000リットル)のグリホサートを使用していた。〔Miami New Times 2019/3/1〕


●米FDA、GM鮭を承認

 米国食品医薬品局(FDA)は3月8日、GM鮭を承認した。新たな食品表示制度が正式に発表されたのを受け、GM鮭とその受精卵の輸入を認めた。このままいけば2020年には米国内へGM鮭や受精卵が輸入され、流通や養殖が始まる。〔Politico 2019/3/8〕


●米国中西部のレストランがゲノム編集大豆を提供

 米国中西部のレストランで、ゲノム編集大豆油で揚げた揚げ物が提供されていることが明らかになった。この大豆は、カリクスト社が開発した高オレイン酸大豆で、同社は、レストラン名は公表できないが、すでに流通が始まっている、と述べた。〔AP 2019/3/12〕


●米国でジカンバ&2,4-D耐性スーパー雑草出現

 米国カンザス州で、除草剤ジカンバと2,4-Dに耐性を持つ、パーマー・アマランスのスーパー雑草がみつかった。カンザス州立大学の研究チームが同州南ライリーにある試験圃場で確認した。グリホサート耐性雑草対策に使用されている、ジカンバや2,4-Dにも耐性をもつ作物が増えている。耐性雑草の広がりにより、GM作物の有効性が失われる可能性が出てきた。〔Kansas State University 2019/3/1〕


●ジカンバ被害に翻弄される米国の行政機関

 米国インディアナ州立化学局では、この間の記録的なジカンバ被害の拡大により、その他の農薬被害への対応ができなくなっている。学校・ゴルフ場・芝生などへの農薬の使用、蚊の管理、ミツバチへの影響だけでなく、人材育成といった課題にも及んでいる。〔The Star Press 2019/3/11〕


●干ばつ耐性コーン失敗も、アフリカへの販売継続

 米国農務省(USDA)の最新リポートによると、モンサント社が開発した干ばつ耐性トウモロコシ「MON87460」は、米国では収穫量が低く、うまく機能していないことがわかった。そのため乾燥に強い品種の大半は非GM品種となり、GM品種はわずか3%にとどまっている。にもかかわらずモンサント社はアフリカへの売り込みを続けている。〔African Center for Biodiversity 2019/3/4〕


●米国科学振興協会、グリホサート汚染告発者への授賞保留に

 スリランカで著しく増加した腎臓病の原因がグリホサートにあることを突き止めた2人の研究者へ、米国科学振興協会(AAAS)は2019年の「科学の自由と責任」賞を授与したが(本誌2019年3月号参照)、2日後に、この決定を保留した。農薬企業のロビー圧力に屈したためとみられている。〔Mongabay 2019/2/28〕