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今月の潮流●EU、遺伝子組み換え食品新表示規則成立
欧州議会(第2読会)で7月2日、遺伝子組み換え食品の新しい表示規則が可決成立した。表示規則成立とともに、GM作物輸入のモラトリアム(一時停止措置)解除も決まった。
新しい表示規則では、全食品表示・全成分表示が原則である。GM作物については0.9%以上混入(未承認作物の場合は0.5%)した食品が表示の対象になる(日本では、表示の対象から油や醤油を除くなど限定されている)。さらにトレーサビリティも義務づけられた。先に欧州議会(第1読会)では承認・未承認にかかわりなく混入率0.5%での表示規則を提案していたが、後退したものとなった。
米国は、EUのGM作物のモラトリアム政策に対してWTOへ提訴していたが(前号参照)、新規則の成立を受けてその根拠は失われた。しかし、新表示規則では米国産作物がなお輸出し難い状況がつづくため、ブッシュ政権は事実上のモラトリアム継続だと批判している。
モラトリアム解除に対して、市民団体・地球の友やユーロコープなどは、GM作物と既存農業・有機農業との共存問題があいまいな状態で解除したことに懸念を表明した。また、フランス農民連盟は実質的なGM作物解禁だとして抗議声明を出した。
〔ロイター 2003/7/2ほか〕 |
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