■2023年8月号

今月の潮流
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バイオジャーナル

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●フードテック
●フードテックをめぐる動き

 ESG投資の対象として、代替タンパク質市場が注目され、この分野に資金が集まっている。ESGとは、Environment(環境)、Social(社会)、Governance(管理体制)の3つの観点から企業の将来性や持続性などを分析・評価した上で、投資先を探していく方法のことである。

代替タンパク質をめぐる動きでは、先月、米国農務省が培養肉の販売を承認したが、早速7月1日からアップサイド・フーズ社がサンフランシスコのレストランで細胞培養鶏肉の販売を開始した。今後、米国内で市場拡大が進みそうである。

代替食肉とともに活発化しているのが、代替ミルクの生産である。なかでも乳タンパクの80%を占めるカゼインの生産が競争になっている。注目されているのがオランダのフーディティブ(Fooditive)社で、このたび精密発酵でカゼインの量産体制を確立したと発表した。〔Foovo 2023/7/4ほか〕
●欧州動向
●欧州委員会がゲノム編集規制緩和の提案

 欧州委員会がゲノム編集食品について、環境や健康へのリスク評価、検査の必要もなく、トレーサビリティも、表示も、監視も必要なし、有機農産物などとの共存政策の必要もない、という提案を示したことに対して、批判が相次いでいる。ハンガリーは、健康や環境へのリスク評価がない状態で市場化することに反対した。オーストリア、ドイツの環境大臣も欧州委員会の提案は受け入れられないと表明した。その他、多くの環境保護団体や有機農業団体などが反対声明を出している。〔GMWatch 2023/7/5ほか〕