■2002年1月号

今月の潮流
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バイオジャーナル





今月の潮流●積み重ねのリスク


  2001年は、スターリンク事件に始まり、BSEに終わった。今年は食品の安全性が、これまで以上に重要な意味をもつものと思われる。消費者は、「積み重ねのリスク」に不安やいらだちをもっている。食品添加物、残留農薬、放射線照射、ホルモン剤、環境ホルモン、ダイオキシン等。そこに遺伝子組み換え食品やBSEが加わった。
 1950年代から、毎年のように積み重ねられていく「食品の安全を脅かすもの」に対して、政府は個別の評価をもとに「疑わしきは認める」という立場でグレーゾーンにあるものに認可を与えてきた。透明のガラスにグレーの色をつけて積み重ねていけば、確実にクロに近づく。いまはそのような状況にあるといってよい。
 しかし、このような状況に対して消費者は黙っていたわけではない。自ら安全な食品をつくりだす運動を拡大してきた。遺伝子組み換え食品反対運動が、大豆畑トラスト運動を生み、BSE問題に取り組む人たちが有機畜産の流れをつくってきた。2002年は、この流れがさらに拡大していくものと思われる。