●ヤコブ病
変異型ヤコブ病の特徴

　　英国におけるCJDやBSEを研究している同国の科学者ハラシュ･Ｋ･ナーランは、薬害ヤコブ病問題2001年国際シンポジウムで古典的CJDと、変異型CJD(vCJD)の際立った違いについて報告した。それによると、初期症状では、前者では痴呆症状が現れるのに対して、後者では平衡および運動失調障害が現れる。小脳では、前者では融合性のスポンジ状の変化がほとんど現れないのに対して、後者ではよく現れる。プリオンの斑点は、前者では認められることはまれだが、後者では多数認められる。vCJDの症状はBSEと酷似している。同氏はさらに、牛以外にも、豚、鶏、鳥など人間の食物連鎖にかかわるすべての動物を早急に検査する必要がある、と提言している。

●生殖医療
遅まきながら厚労省、不妊治療の枠組み検討
　　精子や卵子の提供、代理母などの不妊治療に関する問題が日本国内で表面化してきた。それら生殖補助医療に対して国として一定の基準を示そうと、2000年12月、厚労省は｢精子･卵子･胚の提供等による生殖補助医療のあり方についての報告書｣をまとめた。11月30日、それをうけた生殖補助医療部会(厚労相諮問機関、厚生科学審議会)第7回会合が開かれた。
　検討課題は、�@提供された精子・卵子・胚による生殖補助医療を受けることができる者の条件と、それらの提供者の条件。�A生殖補助医療を受ける者や提供者に対するインフォームド･コンセントなどの具体的な内容と、実施する医療機関の施設の基準。�B提供された精子･卵子･胚による生殖補助医療を公的に管理する機関の業務内容と、生まれた子が知ることができる提供者の個人情報の管理体制、である。
　まだ議論の途中ではあるが、ここでの検討は生殖補助医療に限定され、受精卵や胚そのものの取扱いについてはまったく議論していない。