■2005年1月号

今月の潮流
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バイオジャーナル

今月の潮流●ドイツでGM作物栽培共存法可決


 11月26日、ドイツ連邦議会下院は、遺伝子組み換え作物の栽培にかかわる共存法を可決した。これに
より上院を通過、成立することが確実となった。
 2003年7月、EUは新表示制度成立とともにGM作物栽培解禁を決定した。その際、GM農業・慣行農業・有機農業の3つの農業の共存に関する指針をまとめ、各国に国内法を制定することを求めた。
 ドイツで進められたその国内法制定過程における最大の争点は、遺伝子汚染を起こした際に「汚染者負担の原則」を盛り込むか否かであった。成立した共存法には、この原則が導入され、汚染を起こした農家は賠償責任を負うことになった。また、汚染を起こした農家が特定されない場合は、近隣のGM作物栽培農家が共同で責任を負うことになる。
 GM作物栽培農家は、すべての情報を公開し、非GM作物との間に距離をとり、交雑を起こさないよう汚染防止の対策を講じなければならない。全ドイツの国土の2.5% を占める環境が脆弱な地域「Natura2000」エリアでは栽培を禁止した。しかし、いったん汚染が起きれば、原状回復は困難である。
 それでも、極めて厳しい内容だと、産業界は反発しており、欧州委員会が欧州裁判所に提訴する可能性も取り沙汰されている。〔FoEヨーロッパ 2004/11/26など〕