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今月の潮流●拡大続くGM作物栽培、統計に疑問符も
1月12日、ISAAA(国際アグリバイオ技術事業団)が、2004年のGM作物の栽培面積を発表した。1996年にGM作物の本格的な栽培が始まって以来、面積は拡大しつづけ、昨2004年には、8100万haにまで広がった。これは前年比で20%増、日本の国土(3780万ha)の2.1倍に相当する(詳細はクローズアップ参照)。
国別でみると、相変わらず米国が断トツ状態である。アルゼンチン、ブラジルに加えてパラグアイ、ウルグアイでGM大豆の栽培面積が広がる南米は、一大栽培地域を形成し始めた。アジアでは中国、アフリカでは南アフリカで栽培面積が拡大している。ヨーロッパでは唯一スペインでBtトウモロコシを栽培しているが、全体的には栽培そのものを拒否している。
作物の種類をみると、トウモロコシ、大豆、ナタネ、綿の4作物で変わらず、性質も除草剤耐性と殺虫性の2種類で増えていない。また、モンサント社が90% を超えて種子を支配しており、その独占的な地位にも変化はない。世界的な市場規模は、440億ドル(4兆5000億円)に達し、巨大な市場に発展しつつある。
一方、ISAAAのデータに対する疑問も出されている。GMウォッチの編集者クレア・ロビンソンは、この数字は粉飾されたものだと指摘。インドのフィナンシャル・エクスプレスは、インドの栽培面積は、実際はもっと小さなものだと述べている。英サセックス大学開発問題研究所のAaronde Grassiも南アフリカの数値に疑問を呈している。〔GM Watch 2005/1/12ほか〕
表1 作付け面積の推移
1996年 |
170万ha |
1997年 |
1100万ha |
1998年 |
2780万ha |
1999年 |
3900万ha |
2000年 |
4300万ha |
2001年 |
5260万ha |
2002年 |
5870万ha |
2003年 |
6770万ha |
2004年 |
8100万ha |
(参考・日本の国土の広さは、3780万ha)
表2 国別作付け面(2004年)
米国 |
4760万ha (59%) |
アルゼンチン |
1620万ha (20%) |
カナダ |
540万ha (7%) |
ブラジル |
500万ha (6%) |
中国 |
370万ha (5%) |
パラグアイ |
120万ha (2%) |
南アフリカ |
50万ha |
インド |
50万ha |
オーストラリア |
20万ha |
その他 |
70万ha |
計 |
8100万ha |
表3 性質別・作物別作付け面積
除草剤耐性大豆 |
4840万ha |
除草剤耐性トウモロコシ |
430万ha |
殺虫性トウモロコシ |
1120万ha |
殺虫性/除草剤耐性トウモロコシ |
380万ha |
殺虫性綿 |
450万ha |
除草剤耐性綿 |
150万ha |
殺虫性/除草剤耐性綿 |
300万ha |
除草剤耐性ナタネ |
430万ha |
計 |
8100万ha |
(出典 ISAAAより)
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