■2005年3月号

今月の潮流
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バイオジャーナル

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●モンサント
モンサント社社の訴訟戦略の実態明るみに

 米国の民間団体・食品安全センターが1月13日、「モモンサントンサント社対米国農家」と題する報告書を発表し、モンサント社が種子の権利を主張して訴訟を起こし、農家に莫大な損失を与えている実態が明らかになった。同センターは、2003年5月から農家や弁護士などへの聞き取り調査を始め、同社の冷酷な方法が浮かび上がった。訴訟によって自家採種は崩壊し、農家はGM種子の奴隷になってしまったという。
 これまでモンサント社が起こした訴訟は90件で、全米25州に及び、147の農家と39の小企業・農民組合がかかわっている。農民監視のために同社は毎年1000万ドルを投入し、75人の専属スタッフを抱えている。これまで農家が支払った賠償金は総額1525万3602ドル、平均41万2259ドル、最高305万2800ドルである。
 ほとんどが和解で決着しているが、和解金に弁護士費用、法定維持費用などを加えると、一軒の農家が支払える金額ではなくなる。モンサント社は、他の畑から花粉が飛んで来ても訴える可能性が高いため、農家は戦々恐々として暮らさなければならない、と同報告書は述べている。 〔Center for Food Safety 2005/1/13〕

モンサント社、インドネシアでの賄賂に罰金

 モンサント社はインドネシア政府高官への賄賂を認め、総額150万ドルの罰金を支払うことに同意した。事件は2年前に起きた。モンサント社の担当者は、インドネシアで栽培を目指していたBt綿について、環境影響評価の提出をまぬがれるために、コンサルティング会社を通して環境省高官に5万ドルの賄賂を贈った。また、1997年から2002年にかけて、数人の政府高官に賄賂を贈っていたことも明らかになった。
 肝心のBt綿は、同国でもっとも被害をもたらす病害虫に抵抗力がなかったために、病害虫の大量発生によって壊滅的打撃を受け、殺虫剤の大量散布を強いられた上に、収量は大きく落ち込んだ。結局、2年でBt綿から撤退している。 〔BBC 2005/1/7ほか〕

モンサント社が種子会社を買収

 種子企業の買収を繰り返してきたモンサント社がまた、新たに種子企業を買収した。今回買収したセミニス社は、3500におよぶ野菜や果物の種子を150カ国に提供している企業で、GMカボチャの種子を扱っている。買収金額は約14万ドルで、同社はこの買収を通して、今後「健康な食事」のイメージを打ち出していく意向である。 〔ロイター 2005/1/24〕