■2005年4月号

今月の潮流
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今月のできごと


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バイオジャーナル

ニュース


●クローン
クローン牛肉の安全評価試験、相次ぐ

 大分県畜産試験場で、体細胞クローン牛を父親とする肉用牛の、また独立行政法人・家畜改良センターでは、体細胞クローン牛を父親とする乳牛の安全性評価試験が始まった。すでにマウスを用いた発癌性や免疫への影響などの試験が、2004年8月から畜産生物科学安全研究所で進められている。これらの試験結果は、2007年に食品安全委員会に提出される。 〔日経バイオテク 2005/2/14〕

●自治体動向
つくば市がGM作物栽培規制指針制定へ

 遺伝子組み換え作物の試験栽培が集中するつくば市では、2003年12月に出されたGM作物の栽培規制を求める請願が、2004年3月議会で採択されたのを受け、GM作物栽培規制指針づくりが始まった。2月23日、指針策定をめぐって意見交換会が開かれた。研究者は、研究・開発への影響を懸念し、市民側は交雑防止、モニタリング、賠償責任の明文化を求めた。ある農業生産者は、指針より規制の強い条例にすべきだと述べた。


●モンサント
モンサント社がまた種子企業を買収


 モンサント社は2月、綿種子メーカーとしては全米第3位、同市場のシェア12%を占めるエマージェント・ジェネティック社を3億ドルで、翌3月には中規模種子メーカーのNC+ハイブリッズを4000万ドルで買収した。〔AP 2005/2/17ほか〕


●アフリカ事情
南アフリカで環境保護団体の訴え認められる


 南アでGM食品反対運動に取り組む市民団体バイオウォッチは、政府や開発メーカーを相手に情報公開訴訟を起こしていたが、2月24日プレトリア高等裁判所は、同国に持ち込まれたり生産されるGMOに関するすべての情報を公表するよう命じ、バイオウォッチ勝訴の判決を下した。 〔News24 South Africa 2005/2/24〕


●遺伝子バンク計画
30万人遺伝子バンクがサンプル配布開始


 2005年1月5日、文科省が進める「オーダーメイド医療実現化プロジェクト」が、生活習慣病を中心とした46疾患の患者7万8316人から集めた血清とDNAの配布に向け、申請受付を開始した。サンプルは匿名化された上で、製薬企業などの民間を含めた研究機関に配布される。申請の審査は一般には非公開の場で行われる。無償で患者から集められたサンプルが、営利目的の民間企業に配られることになる。


●DNA鑑定
理研と科警研がDNA型鑑定で共同研究


 2005年1月26日、独立行政法人理化学研究所(理研)と科学警察研究所(科警研)がDNA型鑑定システムの技術開発のための共同研究契約を結んだ。理研からは、中村祐輔や大西洋三ら「30万人遺伝子バンク計画」の中心となっている研究者が参加する。これまで科警研は、DNA上の特定の塩基の繰り返しから型の判定をしてきたが、そこに理研が持つSNP読み取り技術を導入し、より個人識別の能力を向上させる。警察庁は、遺留資料のDNA型情報をデータベース化し、2004年12月17日に検索システムの運用を開始した。さらに容疑者から直接採取したDNA型情報のデータベース化も検討している。