■2005年8月号

今月の潮流
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バイオジャーナル

今月の潮流●世界各地で続々と開発される遺伝子組み換えイネ


この間、GMイネの開発が世界レベルで活発になっている。日本では、中央農業総合研究センター・北陸研究センターで、いもち病・白葉枯病抵抗性イネの野外試験が始まったが、その他にもスギ花粉症イネ、直立葉半矮性イネ、半矮性イネ、鉄欠乏耐性イネが各地で栽培されている。
 国外では、シンジェンタ社がβ - カロチンをより多く含んだ「新ゴールデンライス」を開発し、IRRI(国際イネ研究所)のロバート・ジグラー所長は、これを2年以内に野外試験し、5年以内に商業化したい、と述べている。
 いま注目されているのが中国の動向である。湖北省で未承認のBtイネが栽培され、流通して問題になったが、その前の昨年12月、中国バイオセーフティ委員会は細菌への抵抗力をもったXa21イネを承認し、農業省の承認を待っている状態である。
 その他「医薬品生産イネ」が米国で開発中である。カリフォルニア州ベントリア・バイオサイエンス社が開発した、ヒトラクトフェリンとリゾチームの2種類のタンパク質を生産する薬剤生産の系統である。
 今年になって出されたFAO(国連食料農業機関)の報告「途上国でのGM作物の開発状況」では、ブラジルで除草剤(バスタ)耐性イネが、イランでBtイネが、野外実験されていることが判明した。

表1 GMイネの開発状況     ( )内は開発者
◎2004年、野外での試験栽培終了
  トリプトファン高蓄積イネ(作物研究所)
  高光合成イネ(生物資源研)
◎2005年、野外で試験栽培中
  スギ花粉症イネ(生物資源研)
  いもち病・白葉枯病抵抗性イネ(北陸研究センター)
  鉄欠乏耐性イネ(東京大学)
  直立葉半矮性イネ(生物資源研)
  半矮性イネ(生物資源研)
◎2007年、野外で栽培試験予定
  耐冷性イネ(北海道農業研究センター)
◎海外で開発中
  中国・Btイネ(武漢農業大学)
       Xa21イネ(中国科学院農業センター)
       CPTIイネ
 フィリピン・ゴールデンライス(シンジェンタ)
 ブラジル・除草剤耐性イネ
 イラン・Btイネ
 米国・医薬品生産イネ(ベントリア・バイオサイエンス)