■2005年10月号

今月の潮流
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バイオジャーナル

今月の潮流●上越のGMイネ訴訟、裁判所が異例の注文


 8月17 日、新潟県上越市にある中央農業研究センター・北陸研究センターで行われている、遺伝子組み換えイネの野外試験栽培中止を求める仮処分申請に対して新潟地裁高田支部は、申請自体は却下したものの、判決文の最後で研究所の情報提供が不十分で説明責任を果たしておらず、今後、農業に支障を来した場合差し止めもやむを得ない、という異例ともいえる注文を加えた。現在試験栽培中のイネは、二重の花粉飛散防護措置を取り、事実上温室栽培と同様の状態に置かれていることからも、判決の影響が表れていよう。
 判決を受け、農家・消費者側はただちに控訴、今後は東京高裁で審理がなされる。イネが刈り取られる前に判決が出る予定だが、刈り取られた後は仮処分申請の対象とならないため、高裁が最終判断となる。
 なお、新潟県では「新潟県食品安全条例(仮称)」を作成中で、この中にGM作物の交雑・混入防止が盛り込まれる予定。また、「遺伝子組み換え作物のあり方検討委員会」が発足、独自の栽培規制条例がつくられようとしている。同検討委員会は8月4日、31日に開かれ、残る2回の会合で規制方針が決まる。