■2005年12月号

今月の潮流
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今月のできごと


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バイオジャーナル

ニュース


●アジア事情
タイでGMイネ開発問題をめぐるNGO会議開催

 10月12〜13日、タイのスパンブリで、グリーンピース東南アジアの呼びかけによってGMイネに関する国際会議が開かれた。参加したのは10カ国17団体で、アジア各国で進んでいるGMイネ開発問題に共同で取り組むことが確認された。会議では、FAO(国連食料農業機関) に対してGM作物・食品への支援を中止し、環境を守る健全な農業への支援を求める宣言が採択され、14日にFAOのバンコク事務所に提出された。

●北米事情
カリフォルニア州でGMOフリー目指し住民投票

 11月8日、米国カリフォルニア州ソノマ郡で、GMOフリー郡を目指した住民投票が行われた。同郡は、果樹の栽培が盛んな地域で、果樹農家やワイン生産者などが、増え始めているGM作物を締めだすため、GMOフリーを目指す投票を提起し活動してきた。結果は44%対56%で否決され、カリフォルニア州4番目のGMOフリー郡とはならなかった。 〔AP 2005/11/09〕


●省庁動向
味の素のGM食品添加物承認へ

 食品安全委員会遺伝子組換え食品等専門調査会は、10月20日、味の素が開発した食品添加物のL−アルギニン(必須アミノ酸の1つ)の安全性が確認されたと判断した。パブリック・コメントを募集した後、承認される見込み。これは大腸菌に遺伝子を組み込み量産したアミノ酸で、健康食品などの調味料として用いられる予定である。


●体細胞クローン動物
米国でクローン動物食品承認へ

 米国FDA(食品医薬品局)がまもなく、クローン動物食品を安全とする裁定を下そうとしている。現在、すでに多くの体細胞クローン動物がつくられているが、異常が多いなど、食品として承認することは難しいため、クローン動物の子どもの世代の肉やミルク、乳製品などを承認することになりそうである。コーデックス委員会バイテク部会で、クローン動物が審議の対象から外されたことから、このような動きが出てきたものと思われる。米国で承認されれば、日本でも食品安全委員会に提案されることは必至となる。 〔ワシントン・ポスト 2005/10/6〕


●自治体動向
東京都がGM作物栽培指針案を策定

 10月31日、東京都は「遺伝子組換え作物の栽培に関する検討委員会報告」をまとめ、同時に「遺伝子組換え作物の栽培にかかわる対応指針案」に関する意見募集を行った。指針案には、情報公開や周辺の住民・農家の理解を得ること、交雑・混入の防止という基本的な対応に加えて、これまでいくつかの県で出された指針と異なり、「経済的被害が発生した場合の対応」が入れられた。指針であるため強制力はもたないものの、損害賠償の考え方に近いものが取り入れられた点は画期的である。

千葉県の食品安全条例案にGM規制

 千葉県は10月下旬、千葉県食品安全条例(仮称)検討作業部会報告書「誰もが安全・安心できる『ちばの食』のために」を発表した。その中で、GM作物・食品について条例に次のことを盛り込むとしている。
 @GM作物や食品に関する適切な情報を提供すること。
 AGM作物の栽培・自生による他の作物との交雑や混入の防止等に関して「必要な措置」を講ずること。
 年内に条例案がまとめられ、来年2月議会に上程される見込みである。


滋賀県民アンケート、GM食品に否定的

 滋賀県が県民を対象にアンケート調査を行ったところ、GM食品に否定的であることがわかった。調査は、今年6月に20歳代から60歳代の県民300人を対象に行い、252人から回答を得た。GM食品を食べることに「不安」「やや不安」と回答した人が77%に達し、「気にならない」「あまり気にならない」と回答した人は16.3%だった。 〔京都新聞 2005/10/17〕

都道府県でGM規制条例・指針制定すすむ

 北海道などから始まったGM作物の栽培規制などの条例や指針づくりが広がっている。現在審議中の新潟県を始め、なんらかの形で規制の網をかけた自治体は9にのぼっている。極めて厳しい北海道の条例から、規制力の弱い茨城県の方針まで多様な形があるものの、交雑・混入防止という方針は共通である。

表2 GM作物栽培規制条例・指針等の現状(都道府県)

GM作物栽培規制条例         北海道(06年1月施行)
新潟県
食品安全条例中にGM規制を入れる   千葉県
GM作物栽培規制指針         岩手県(04年9月施行)
滋賀県(04年8月施行)
東京都、徳島県
GM作物栽培に関する方針       茨城県(04年3月施行)

*施行年月のないものは作成中。
*そのほか、島根県が05年10月に食用GM作物開発中止決定している(前号参照)。