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今月の潮流●栽培面積9000万haに拡大か
1月中旬、GM推進団体のISAAA(国際アグリバイオ技術事業団)から、2005年のGM作物の統計データが発表された。1996年に栽培が始まって以来、右肩上がりで増えつづけてきた栽培面積は9000万haとなり、前年比11%増、栽培国も4カ国増の21カ国となった。
作物別では相変わらず大豆が最も多く栽培されており、性質も除草剤耐性作物が多い。昨年急増したのが、除草剤耐性と殺虫性を合わせ持った作物で、1010万ha(11%)まで広がった。
栽培開始10年目という区切りの年を迎えた昨年の特徴は、EU5カ国を含むヨーロッパ6カ国で栽培されたことと、イランで初めてGM稲が栽培された点にある。バイテク作物の市場価値は52億5000万ドル(約6000億円)だと推定している。
一方、この統計データに対する疑問も強まっている。各国の公的機関がいずれもデータを発表しておらず、何を根拠にしているかもあいまいであり、数字も大ざっぱであるからだ。なお、データはクローズアップに掲載する。
クローズアップ
表1 遺伝子組み換え作物の作付け面積推移(ha)
1996年 |
170万ha |
1997年 |
1100万ha |
1998年 |
2780万ha |
1999年 |
3900万ha |
2000年 |
4300万ha |
2001年 |
5260万ha |
2002年 |
5870万ha |
2003年 |
6770万ha |
2004年 |
8100万ha |
2005年 |
9000万ha |
出典:ISAAA より
表2 国別作付け状況〔2005年〕
国名 |
万ha |
作物 |
米国 |
4980(55) |
大豆、トウモロコシ、綿、ナタネ、カボチャ、パパイヤ |
アルゼンチン |
1710(19) |
大豆、トウモロコシ、綿 |
ブラジル |
940(10) |
大豆 |
カナダ |
580(6) |
ナタネ、トウモロコシ、大豆 |
中国 |
330(4) |
綿 |
パラグアイ |
180(2) |
大豆 |
インド |
130(1) |
綿 |
南アフリカ |
50(1) |
トウモロコシ、大豆、綿 |
ウルグアイ |
30 |
大豆、トウモロコシ |
オーストラリア |
30 |
綿 |
メキシコ |
10 |
綿、大豆 |
ルーマニア |
10 |
大豆 |
フィリピン |
10 |
トウモロコシ |
スペイン |
10 |
トウモロコシ |
コロンビア |
− |
綿 |
イラン |
− |
稲 |
ホンジュラス |
− |
トウモロコシ |
ポルトガル |
− |
トウモロコシ |
ドイツ |
− |
トウモロコシ |
フランス |
− |
トウモロコシ |
チェコ |
− |
トウモロコシ |
計 |
9000 |
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表3 作物別作付け面積〔2005年〕
大豆 |
5440(60) |
トウモロコシ |
2120(24) |
綿 |
980(11) |
ナタネ |
460(5) |
その他 |
わずか |
計 |
9000 |
表4 性質別作付け面積〔2005年〕
除草剤耐性 |
6370 (71) |
殺虫性 |
1620 (18) |
除草剤耐性+殺虫性 |
1010 (11) |
その他 |
わずか |
計 |
9000 |
表5 性質別・作物別作付け面積〔2005年〕
除草剤耐性大豆 |
5440 (60) |
殺虫性トウモロコシ |
1130 (13) |
除草剤耐性トウモロコシ |
340 ( 4) |
除草剤耐性+殺虫性トウモロコシ |
650 ( 7) |
殺虫性綿 |
490 ( 5) |
除草剤耐性綿 |
130 ( 1) |
除草剤耐性・殺虫性綿 |
360 ( 4) |
除草剤耐性ナタネ |
460 ( 5) |
その他 |
わずか |
計 |
9000 |
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