■2006年3月号

今月の潮流
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バイオジャーナル

今月の潮流●栽培面積9000万haに拡大か


 1月中旬、GM推進団体のISAAA(国際アグリバイオ技術事業団)から、2005年のGM作物の統計データが発表された。1996年に栽培が始まって以来、右肩上がりで増えつづけてきた栽培面積は9000万haとなり、前年比11%増、栽培国も4カ国増の21カ国となった。
 作物別では相変わらず大豆が最も多く栽培されており、性質も除草剤耐性作物が多い。昨年急増したのが、除草剤耐性と殺虫性を合わせ持った作物で、1010万ha(11%)まで広がった。
 栽培開始10年目という区切りの年を迎えた昨年の特徴は、EU5カ国を含むヨーロッパ6カ国で栽培されたことと、イランで初めてGM稲が栽培された点にある。バイテク作物の市場価値は52億5000万ドル(約6000億円)だと推定している。
 一方、この統計データに対する疑問も強まっている。各国の公的機関がいずれもデータを発表しておらず、何を根拠にしているかもあいまいであり、数字も大ざっぱであるからだ。なお、データはクローズアップに掲載する。


クローズアップ

表1 遺伝子組み換え作物の作付け面積推移(ha)
1996年  170万ha
1997年  1100万ha
1998年  2780万ha
1999年  3900万ha
2000年  4300万ha
2001年  5260万ha
2002年  5870万ha
2003年  6770万ha
2004年  8100万ha
2005年  9000万ha
出典:ISAAA より


表2 国別作付け状況〔2005年〕
(ha/全作付け面積に対する%)
国名 万ha 作物
米国 4980(55) 大豆、トウモロコシ、綿、ナタネ、カボチャ、パパイヤ
アルゼンチン 1710(19) 大豆、トウモロコシ、綿
ブラジル 940(10) 大豆
カナダ 580(6) ナタネ、トウモロコシ、大豆
中国 330(4) 綿
パラグアイ 180(2) 大豆
インド 130(1) 綿
南アフリカ 50(1) トウモロコシ、大豆、綿
ウルグアイ 30 大豆、トウモロコシ
オーストラリア 30 綿
メキシコ 10 綿、大豆
ルーマニア 10 大豆
フィリピン 10 トウモロコシ
スペイン 10 トウモロコシ
コロンビア 綿
イラン
ホンジュラス トウモロコシ
ポルトガル トウモロコシ
ドイツ トウモロコシ
フランス トウモロコシ
チェコ トウモロコシ
9000  


表3 作物別作付け面積〔2005年〕
(ha/全作付け面積に対する%)
大豆 5440(60)
トウモロコシ 2120(24)
綿 980(11)
ナタネ 460(5)
その他 わずか
9000


表4 性質別作付け面積〔2005年〕
(ha/全作付け面積に対する%)
除草剤耐性 6370 (71)
殺虫性 1620 (18)
除草剤耐性+殺虫性 1010 (11)
その他 わずか
9000



表5 性質別・作物別作付け面積〔2005年〕
(ha/全作付け面積に対する%)
除草剤耐性大豆 5440 (60)
殺虫性トウモロコシ 1130 (13)
除草剤耐性トウモロコシ 340 ( 4)
除草剤耐性+殺虫性トウモロコシ 650 ( 7)
殺虫性綿 490 ( 5)
除草剤耐性綿 130 ( 1)
除草剤耐性・殺虫性綿 360 ( 4)
除草剤耐性ナタネ 460 ( 5)
その他 わずか
9000