■2006年3月号

今月の潮流
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今月のできごと


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バイオジャーナル

ニュース


●自治体動向
新潟、GM作物栽培基準案まとまる

 1月13日、新潟県の遺伝子組み換え作物栽培規制条例制定のための検討会が、遺伝子組み換え作物栽培基準案をまとめた。それによると対象作物は3つで、交雑防止のための隔離距離は、稲57m、大豆10m、トウモロコシ600m。大豆とトウモロコシは国の基準のままであり、稲は国の基準30mに比べれば長いものの、北海道の300mに比べれば格段と短い。この条例案は2月議会に提出され成立する見込みである。

徳島、GM作物栽培指針案を発表

 1月10日、徳島県が「遺伝子組み換え作物の栽培に関するガイドライン・素案」を発表し、一般の意見を募集した。素案は、県が4月から施行する「徳島県食の安全安心推進条例」にGM作物の交雑・混入防止が盛り込まれたのを受けたものである。GM作物栽培者による事前の届け出、周辺農家への栽培の周知、圃場への看板設置などの情報提供が求められている。指針であるため知事の許可制はとられておらず、罰則もない。

つくば市、「GM作物栽培方針」骨格固まる

GM作物栽培規制を検討してきたつくば市の「遺伝子組換え農作物の栽培に係る方針検討会」(会長・永木正和筑波大学教授)は、3月までに「方針」の中身を確定する。昨年9月に発足した検討会では4回にわたって議論を行い、素案をまとめた。内容は、一般圃場での栽培に関しては情報公開を柱としており、栽培計画書を3カ月前に提出する、交雑・混入措置を徹底する、近隣の農家等の理解を十分に得ることなどを求めている

●欧州事情
WTO裁定、EUのGMO政策、貿易協定に違反

 2月7日、WTO紛争処理小委員会は、EUのGMO政策に関して、貿易協定に違反するという判断を下し、当事者に通知した。またフランス、ドイツ、オーストリア、イタリア、ルクセンブルク、ギリシャの6 カ国が行っている輸入規制も違反との判断を下した。食の安全よりも貿易促進が優先された形である。まだ中間報告の段階であり、数か月後に最終報告が発表されるが、この決定が覆ることはなさそうだ。最終報告が発表された後、異議申し立てのため90日間の猶予期間が設けられる。〔ロイター 2006/2/8〕

アイルランドでGMジャガイモ試験

 バイテク企業BASFは、アイルランドでGMジャガイモの野外試験を行うため、環境保護庁に申請を行った。このジャガイモは細菌抵抗性のもので、ミーズ県の圃場5エーカーの土地のうち、2.5エーカーずつローテーションを組んで栽培する予定である。ジャガイモはアイルランドの人たちにとっては主要食材であり、在来の品種と交雑を起こす可能性があることから、反対運動が起きている。 〔GM Watch 2006/1/28〕


●遺伝子組み換え食品
豆腐の遺伝子組み換え検査結果

 2月3日、市民団体「遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン」が行った豆腐の遺伝子検査結果が発表された。9都道府県の大手スーパーなどの店頭に並んでいる豆腐を対象とし、検査にはPCR法を用いた。その結果、44検体中18検体(40.9%)からGM大豆を検出した。今回の検査結果の特徴は、国産大豆100%使用表示の豆腐10検体中3検体(30%)、有機大豆使用表示の豆腐7検体中4検体(57.1%)から検出されたことである。有機表示の豆腐には産地表示がないため、すべて外国産大豆使用と思われる。


表6 豆腐の遺伝子検査結果

表 示 検体数   検出数
GM大豆不使用 39 17 43.6
国産・地場産大豆使用* 7 3 42.9
国産・地場産大豆100%使用 10 3 30
丸大豆使用 6 2 33.3
有機大豆使用 7 4 57.1
有機+国産 0 0
米国産大豆使用(含む可能性) 34 15 44.1
全体 44 18 40.9

*:国産・地場産大豆50%以上使用