■2006年5月号

今月の潮流
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バイオジャーナル

今月の潮流●GM動物食品をめぐる動き活発に


 ミズーリ大学の研究チームが、遺伝子組み換え技術とクローン技術を組み合わせて魚の脂肪成分を多く含む豚を誕生させた。この豚は、豚に多い「オメガ6脂肪酸」を、魚に多い「オメガ3脂肪酸」に変える遺伝子を用いて作られた。肥満等の予防効果を狙ったものである。
 豚の胎児細胞に、「オメガ6脂肪酸」を「オメガ3脂肪酸」に変える「fat1」遺伝子を線虫から取り出して導入したもので、さらにこの体細胞からクローン技術を用いて子豚を誕生させた。
〔Nature Biotechnology 2006/3/26〕
 ヘルシーな豚肉開発では、近畿大学が開発したホウレン草の遺伝子を導入した豚が先行している。コーデックス委員会バイオテクノロジー応用食品特別部会での遺伝子組み換え動物食品の議論と並行して、開発の方も活発になってきたといえる。
 コーデックス委員会バイテク特別部会では、5月下旬〜6月上旬にかけて、遺伝子組み換え動物食品の安全性評価基準のたたき台をつくるための作業部会が開かれることになった。2月に東京で開かれた作業部会では、オーストラリアの提案による遺伝子組み換え植物食品の指針を基に、参加者からの意見が加わり、素案がまとめられた。その素案では、11月に開かれる本会議には提出できないという判断があり、再度の開催となったものと思われる。まだ開催地は未定である。