■2006年12月号

今月の潮流
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バイオジャーナル

今月の潮流●GMイネ流通問題、波紋さらに広がる


 バイエル・クロップサイエンス社のLLライス601、中国のBtライスの2 つの未承認GMイネ流通問題は、さらに波紋を広げている。
 10月19日、EC(欧州委員会)は、米国から欧州に輸出される全長粒種米の検査を提案、23日にフードチェーン・家畜衛生常設委員会で承認された。その背景には、欧州全域でLLライス601が見つかったのに加えて( 前号参照)、フランスで同じく未承認の「LLライス62」まで見つかったことが大きかった。検査は、LLライス601と62の2種類が対象になる。〔GM Watch 2006/10/29〕
 10月31日、インドで米の輸出を一手に引き受けている全インド米輸出協会(AIREA)が、国内でのGMイネ開発に反対する声明を発表した。現在インドでは、モンサント社やシンジェンタ社などがGMイネの試験栽培の準備を進めており、もしそれらがLLライス601のように輸出米に混入すると大きなダメージを受けるためである。 〔Hindu Business 2006/11/1〕
 事態はさらにタイへも波及した。タイ政府は10月31日、米輸出業者の要請を受けて、改めてタイのお米はGMフリーであることを保証する措置を講じた。GMイネ流通問題は当分収まりそうにない。〔Bangkok Post 2006/10/31〕