■2007年2月号

今月の潮流
News
News2
今月のできごと


今号の目次へ戻る
ジャーナル目次へ戻る

























バイオジャーナル

今月の潮流●米国でクローン家畜食品認可へ


  12月28日、米国食品医薬品局(FDA)は、クローン技術を用いてつくった牛、豚、ヤギの肉やミルクは食品として安全であるという報告書をまとめた。これらからパブリックコメントを求め、最終報告書をまとめた上で、クローン牛肉などの製造・流通にゴーサインが出される。
 今回発表された報告書は3つの文書から成り立っている。「リスクアセスメント案」は安全性を評価したもので、クローン牛、豚、ヤギは安全だとしたものの、羊に関してはデータが少ないため、今回の評価からはずされた。「リスク管理計画案」は規制のための提案だが、倫理的な問題ははずされた。「企業向けガイド案」では、クローンの子孫について規制からはずしている。また、未定としている表示に関しては、行われない可能性が高い。
 米国では、消費者の間でクローン動物に対する拒絶反応が強く、最近の世論調査でも64%の人が懸念を持っている〔Pew Initiative on Food and Biotechnology〕。そのため、すぐに食品として流通するか否かは不明である。しかし、すでに日本では農水省・厚労省の両省が、クローン牛は食品として安全であるという報告書をまとめ、承認のために食品安全委員会にかけられるのが時間の問題となっていた。米国で承認されれば、日本でも承認に向けた動きに弾みがつくことは必至である。 〔Nature 2006/12/29ほか〕