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今月の潮流●オーストラリアのGM作物栽培解禁をめぐる動き
オーストラリアの各州で、GM作物栽培を規制するモラトリアム法が継続されるか否か、注目が集まっている(詳細はクローズアップ参照)。そんな中、連邦政府が新たな動きを見せている。
最近、連邦議会が可決成立させた法律が、連邦政府農業大臣に強い権限を与えるものだ、と西オーストラリア州でGMO問題に取り組んでいるジャネット・グローガンが指摘している。同氏によると、この遺伝子技術改正(GTA)法は、州政府が制定しているモラトリアム法を無効にして、GM作物導入を可能にしかねない内容を含んでいるという。連邦政府農業大臣のピーター・マクガランは、強力なGMO推進派として知られている。 〔Green Left 2007/7/14〕
また工業大臣のイアン・マクファーレンは、GM作物に対する一般の人の支持率が46%(2005年)から73%(2007年)に増えたとして、GM作物推進に強気の姿勢を示している。ただし、この情報はバイテク業界によるものである。〔Biotechnology Australia 2007/7/20〕
州政府の中ではまず、ヴィクトリア州が、モラトリアム中止に動きそうだ。モラトリアム再検討のためにつくられた委員会の委員長グスタブ・ノサルは、強硬なGMO 推進派で、かつ強引な会議運営をとっているからである。同州農業大臣のジョー・ヘルパーもGMO 推進派として有名である。同州ではすでに、サントリーの現地法人が日本で販売するGM「青いバラ」の栽培を進めている。 〔Green Left 2007/7/14〕 |
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