■2007年11月号

今月の潮流
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バイオジャーナル

今月の潮流●コーデックス・バイテク部会第2クール終了


 9月24日から28日にかけて、コーデックス委員会バイオテクノロジー応用食品特別部会が千葉県幕張で開催された。今年は第2クールの3年目に当たる。テーマは、@GM動物(魚を含む)食品、AGM栄養強化・健康食品、B未承認GM作物が微量混入した食品、の安全性評価の指針づくりである。

 @GM動物食品では、遺伝子組み換えの際に使用される抗生物質耐性遺伝子を認めるか否かと、GMワクチンを投与した動物食品の扱いをめぐって議論がなされた。抗生物質耐性遺伝子については、代替法の安全性が確認されていないという理由で使用が認められた。動物用GMワクチンについては、専門家の検討後、他のコーデックス委員会専門部会で検討されることになった。
 AGM栄養強化・健康食品については、「実質的同等」の考え方の議論がほとんどないまま、既存の植物ガイドラインに付属書として追加することになった。
 B輸入国で未承認のGM作物が微量混入していた場合の安全性評価基準についても付属書として追加することになったが、どの程度を微量と規定するかについては、当部会のテーマではないとして議論されなかった。今回の会議で、焦点であった「データ・情報共有制度」は、具体化されることになったものの、掲載内容は簡略化されたものになった。未承認GM作物の混入が途上国で起きた場合、米国などの輸出国の圧力に対してどこまで保護されるかは、あいまいなままである。
 これによって議論はすべて終了し、4年の予定だった当部会は今年で終了した。決まった内容は来年の総会にかけられ、そこで承認されると、GM動物食品の各国国内での安全審査基準づくりに移行する。