■2007年11月号

今月の潮流
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バイオジャーナル

ニュース


●欧州事情
●フランスがGM作物商業化凍結へ

 EUでGM作物を栽培している国の1つフランスが、GM作物商業化凍結に向けて動きだした。同国のエコロジー・開発・持続可能な管理担当大臣のジャン.ルイ・ボルローは、9月17日に開かれた議員集会で、GM作物の研究は推進するが、商業化は凍結する、と述べた。大臣はル・モンド紙に、「GM作物の拡散をコントロールするのは難しく、そのリスクを冒すつもりはない」と述べている。 〔Agence France Press 2007/9/21〕

●ドイツでGM作物の隔離距離合意

 ドイツでは、GMトウモロコシを栽培する際、通常のトウモロコシ畑との間にとる距離を150m、有機栽培の場合は300mとする案でまとまった。農業大臣のホルスト・ゼーホファーと与党キリスト教民主同盟(CDU)、社会民主党(SPD)が、この距離で合意したことから、政府は遺伝子工学法の改正に着手した。しかし、GM汚染を引き起こした際の賠償責任などの問題は手つかずのままである。 〔GENET 2007/9/13〕

●ドイツでGMナタネ違法栽培

 ドイツのノルトライン・ヴェストファーレン州環境省によると、バイエル・クロップサイエンス社の除草剤(バスタ)耐性ナタネの種子が、種子会社の在庫から見つかった。混入ルートは不明である。EUはGMナタネの輸入を2007年3月に認めたが、栽培は禁止している。そのため種蒔きが終わった1500haの畑の作物が廃棄処分されることになる。 〔Coalition against Bayer Dangers 2007/9/18〕


●オーストリアのGMO規制州法にEU司法が違法と判断

 9月13日、欧州司法裁判所は、GM作物の栽培を禁止したオーストリア・オーバーエスターライヒ州の規制法を、違法であると判断した。同州政府とオーストリア政府が上告していたが、それを棄却する判決を下したもの。 〔EuropaBio 2007/9/14〕

●EUでGMテンサイの承認間近

 EUでGMテンサイがまもなく承認されそうである。米国モンサント社とドイツ・KWS SAAT社が共同で開発した、除草剤耐性テンサイで、「H7-1」という品種。EU ではさらに、今後数カ月の間にトウモロコシ、大豆、綿、高でんぷんジャガイモ(製紙業・動物飼料用)など10品目のGM作物についても検討を行うとしている。〔ロイター 2007/9/10〕

●イタリア市民がGM作物禁止を求め300万人署名開始

 イタリアの農家、消費者、環境保護団体は、GM作物禁止を求めて300万人署名を集めるキャンペーンを立ち上げた。これは北南米の企業が欧州市場を狙いGM作物売り込みを強化しているのに対抗して、GM作物栽培拒否の運動を強めるのが目的だと、市民団体「遺伝子の権利」代表マリオ・カパーナは述べた。 〔ロイター 2007/10/〕

●南米事情
●アルゼンチン高裁がGM作物の被害者先住民保護を命じる

 アルゼンチン高等裁判所は政府に対して、栄養失調に陥っているチャコ地域にすむ先住民生活必需品を提供するなどの保護命令を下した。原因は、先住民の土地がGM大豆を作る大地主に不法に奪われたためで、政府はその土地売買の不法取引を黙認していた。〔Jurist,USA 2007/9/19〕

●スーパー雑草が広がるアルゼンチンの草原

 アルゼンチンの草原では、除草剤に耐性をもつ雑草(スーパー雑草)が広がり、大豆の成長に影響が出始め、コストがかかるようになった、とトゥクマン州の研究者ダニエル・フロッパーが述べた。政府はこのスーパー雑草の広がりを抑制するために複数のプロジェクトを準備しており、ゴルドバ州議会では対策法が提出されている。 〔CNN Money 2007/9/26〕