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今月の潮流●オーストラリアのGM作物栽培モラトリアム最新事情
西オーストラリア州議会選挙が9月6日に行われた。最大の争点は、GM作物栽培モラトリアム(一時停止)を継続するか否かだった。与党労働党は、モラトリアムを4年間継続することを公約しており、野党自由党は、GMナタネの試験栽培とGM綿の商業栽培推進を掲げている。現在(9月12日)のところ接戦が伝えられており、与野党とも過半数を制することが難しそうである。〔Australian
Food News 2008/8/20 ほか〕
すでに、東部にあるヴィクトリア州とニューサウスウェールズ州2州がモラトリアム解除を決めたが、穀倉地帯にあるヴィクトリア州ギプスランド地域議会では、住民団体の陳情を受けて、GMOフリー宣言の検討に入った。〔East Gippsland Shire Council 2008/8/5〕
また、ヴィクトリア州で栽培を開始したGMナタネについて、市民団体ジーン・エシックスが、その地点を地図で示し、ウエッブ上に公開した。州首相は公開を拒否している。団体代表のボブ・フェリプスは、GM汚染の脅威から農地を守ることを目的としている、と公開の理由を述べている。〔Victorian Farmers Federation 2008/8/12〕
モラトリアムを解除した、もう1つの州、ニューサウスウェールズ州では、農民協会が連邦政府や州政府に対して、GMナタネ栽培がもたらすGM汚染などの経済的な損失から非GM ナタネ栽培農家を守るよう求めた。 〔drought.org.au 2008/8/5〕
南オーストラリア州はすでにモラトリアムを継続しているが、とりあえず2年間継続して、モラトリアムを解除した2州の様子を見ることにしている。
タスマニア州では、モラトリアムを継続するか否かを検討していた全党委員会が、州政府に対して継続を提案し、モラトリアムを5年間継続することがほぼ確定した。これらの動きが西オーストラリア州の今後の動きに影響を与えることになるだろう。〔Stock & Land 2008/8/29〕
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