■2009年2月号

今月の潮流
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バイオジャーナル

今月の潮流●体細胞クローン家畜を食品として承認へ


 
 食品安全委員会新開発食品専門調査会の作業部会が、体細胞クローン家畜を食品として認めることが確実になった。 
 作業部会では、死産や生後直後の死亡は多いものの、6カ月を越えると従来の牛と同じであるとし、成長すれば従来の牛と差異のない健全性を有する、というのが承認理由である〔産経新聞 2009/1/6〕。すでに米国ではクローン牛の子孫が流通しており、米国からの輸入牛に混入する可能性が強まったため、承認を急いだものと思われる。
 そのクローン家畜について、昨年12月22日、農水省は9月末時点までの累計を示した、「家畜クローン研究の現状」を発表した。それによると、体細胞クローン牛は、これまで557頭が誕生したものの(1年間の増加数は22頭)、現在、研究機関で育成・試
験中は82頭とわずかで、死産、生後直後の死亡、病死等が305頭に達し(同10頭)過半数を占めている。この間とくに目立ったのが病死の多さで、1年間で8頭出ている。相変わらず異常の多さが目立つ。このような状態を放置したまま、承認を急ぐ理由は何もないはずである。

表1 家畜クローン研究の現状(体細胞クローン)
(単位:頭、1998〜2008年9月末)
体細胞クローン牛出生頭数 557
 研究機関で育成・試験中 82
 死産 78
 生後直後の死亡 91
 病死等 136
 事故死 8
 廃用 11
 試験屠殺 151
受胎中 14