■2009年5月号

今月の潮流
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今月のできごと


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バイオジャーナル

ニュース


●アジア事情
●フィリピン農民団体がデュポン社らを告発

 フィリピンの農民団体は、デュポン社とIRRI(国際イネ研究所)が共同でGMイネやハイブリッド・イネを開発し、またハイブリッド・イネの栽培を農民に押しつけ、その結果、農民が大事に育ててきた品種が破壊されている、と述べた。このハイブリッド・イネは、高額の農薬の使用を強いるもので、農業生産性はかえって低下しているという。 〔Pinoy Press 2009/3/13〕

●フィリピンでまもなく3種類のGM作物栽培始まる?

 フィリピンの新品種開発者が、2012年までに新たに3種類のGM作物、ウイルス抵抗性パパイヤ、殺虫性ナス、ゴールデンライスが市場に出るだろうと述べた。〔Business Mirror, Philippines 2009/2/25〕
●GMOフリー
●欧州大手乳業メーカーがGMOフリー・キャンペーン開始

 ドイツで新たに、飼料にGM作物を用いた場合も食品表示を行うよう法律が改正されたことから、「GMOフリー」表示を積極的にアピールするため、ヨーロッパ最大の乳業メーカー・オランダのCampina社がGMOフリー・キャンペーンをスタートさせる。今後、テレビCMなどでアピールしていく。 〔Trace Consult 2009/3/2〕

●フィリピンで相次ぎGMOフリー宣言へ

 フィリピン・ルソン島北部にあるイフガオ州が、GMOフリーを宣言した。同地にはイフガオの人たちが築いてきた世界遺産「コルディレラ棚田群」があり、また有機農業が広がっており、それらが宣言につながった。〔Philippine Daily Inquirer 2009/3/19〕
 またネグロス島にあるバコロド市もGMOフリーを目指し、GM作物栽培を禁止する法案を可決成立させた。同市は、有機農業を推進するネグロス島の政策を支持してきた。 〔The Visayan Dairy Star 2009/3/13〕
●GM汚染
●メキシコ原生種へのGM汚染調査

 メキシコでは、トウモロコシの原生種へのGM汚染が拡大している。その調査結果が、『Molecular Biology』誌に掲載された。 〔AP 2009/3/4〕
●遺伝子組み換え食品
●バーボン・ウイスキーがGM原料に転換

 米国大手アルコール飲料メーカーのブラウン・フォーマン社は、バーボン・ウイスキー「ジャック・ダニエル」などの原料を、これまでの非GMトウモロコシから、一部をGMトウモロコシに切り換えると発表した。欧州市場など世界的に消費者がGM原料を嫌っていることから非GMトウモロコシを用いてきたが、この間のバイオ燃料ブームとGM作物の拡大によって、非GMトウモロコシ価格が高騰したためだと説明している。〔soyatech.com 2009/3/10〕
●モンサント社
●モンサント社がメキシコで大規模試験栽培

 モンサント社がメキシコで24のプロジェクトを提案し、最大3億8200万ドルを投資すると発表した。この提案をフェリペ・カルダー大統領が認めたことから、GM作物試験栽培に対する農民や消費者の反対運動が強まっている。 〔Inter Press Service News Agency 2009/3/16〕

●GMイネ・ゴールデンライス、人体実験へ

 ベータカロチンを増やしたGMイネ、ゴールデンライスの売り込みを図っている、GM作物開発研究者・IRRI(国際イネ研究所)、米国国際開発庁などで構成する「ゴールデンライス人道委員会」が、大人と子どもの両方へのゴールデンライスの人体実験を中国と米国で行う。まだ世界で安全性確認も、動物実験も行われていないとして、世界中の科学者から批判されている。〔GM Free Cymru 2009/3/14〕