■2009年10月号

今月の潮流
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バイオジャーナル

今月の潮流●多数の遺伝子を導入したスマート・スタック登場の波紋


 
 「スマート・スタック」トウモロコシは、多数の遺伝子を導入して多種類の害虫や除草剤に抵抗力を持たせ、効率化と同時に、耐性害虫や耐性雑草対策を主目的として開発された。バイテク企業は、この品種を用いれば、殺虫性作物で通常20%程度設定する虫の避難地域を、5%程度まで縮小できるとしている。避難地域は、虫に逃げ込める地域を設けて、耐性を防ごうというもの。避難地域が縮小できれば、さらにGM作物栽培を拡大できる。
 7月にカナダ食品検査庁が承認したが(前号参照)、審議にあたったカナダ食品検査庁のバイテク規制担当者クリスタ・トーマスは、厳格で慎重に検討した上での決定だとしている。だが、承認の過程で重要視された論文の執筆者タバシュニクは、避難地域縮小は科学的根拠にかける、と述べた。〔The Epoch Times 2009/8/12〕
 このスマート・スタック・トウモロコシは、2010年の1エーカーあたりの種子代が130ドルの見込みで、従来の除草剤耐性(RR)大豆の52ドル、RR2Yield大豆の74ドルに比べて高い。モルガン・スタンレーのアナリストによると「予想より高い値段」だという。モンサント社では、2010年に米国で最大400万エーカー作付けされると見ている。 〔Bloomberg 2009/8/13〕