■2009年11月号

今月の潮流
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今月のできごと


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バイオジャーナル

ニュース


●遺伝子組み換え作物
●上越GMイネ裁判、請求退けられる

 10月1日新潟地裁高田支部は、中央農業総合研究センター・北陸研究センターで行われたGMイネの栽培試験について、地元農家などが差し止めと損害賠償を求めた訴訟で、請求を退ける判決を言い渡した。この裁判では、いもち病など複数の病気を防ぐために用いた、カラシナ由来の抗菌性タンパク質・ディフェンシン遺伝子が強力な耐性菌を生みだし、生態系などに悪影響をもたらすのではないか、が最大の争点となっていた。
●欧州事情
●欧州委員会が加盟国独自のGMO規制政策容認へ

 現在、EU加盟各国の間でGMOフリー政策が拡大している。事態を追認する形で、欧州委員会が加盟各国独自のGM作物栽培禁止政策を容認することが確実になった。これは欧州委員会のマヌエル・バローゾ委員長が述べたもので、同農業・農村開発担当委員のマリアン・フィッシャー・ボエル代表も支持した。これによって、EU全体で共通に取り組む従来の政策が変更されることになる。各国ごとの政策を容認するのは、米国などのGM作物輸出国とのトラブルを避ける狙いがあるようだ。 〔European Biotechnology News 2009/9/9〕
●北米事情
●米国でGMテンサイ栽培禁止の判決

 9月21日、米国サンフランシスコ連邦地裁は、農務省によるモンサント社のGMテンサイは無効である、と裁定した。除草剤耐性テンサイの環境に及ぼす影響評価が不十分であると訴えた、消費者団体や環境保護団体の主張を認めたものである。これによってGMテンサイは、先に同じ理由で栽培停止となったGMアルファルファと同じ運命をたどることが、ほぼ確実になった。 〔San francisco Chronicle 2009/9/22〕
 この判決が米国のテンサイ栽培に与える影響は大きいとみられる。なぜなら、米国では砂糖の大半がテンサイから作られており、GMテンサイの栽培が広がっているレッドリバー・ヴァレーは、米国でもっともテンサイが栽培されているからである。 〔Grand Fork Herald 2009/9/22〕
 米国テンサイ生産者協会副代表のルター・マルクワルトは、この判決に屈せず徹底的に闘うと述べた。〔Capital Press 2009/9/25〕
●アジア事情
●GM大豆推進をめぐりベトナムとタイが対立

 ベトナムで、メコン川沿岸6か国で構成される大メコン・デルタ地域会議が開催され、ベトナムがGM大豆栽培推進を述べたのに対して、タイが周辺国への影響が大きいとして中止を求めた。 〔Viet Nam News 2009/9/15〕
 ベトナムでは現在、GM食品の安全審査にかかわる法律を作成中で、2015年からGM食品表示がスタートすることになりそうだ。ホーチミン市バイオテクノロジー・センターの理事は、すでにGMO実験指針は作成された、と述べている。 〔Viet Nam Net 2009/9/23〕

●モンサント社の種子、インドで承認

 インド政府は、モンサント・インド社が申請した、インドでのGM種子販売計画を承認した。〔The Economic Times 2009/9/22〕
 モンサント・インド社はまた、GM綿の種子をパキスタンに輸出できるようインド政府に申請した。これはパキスタンでの販売促進が目的であると同時に、パキスタン紙が、インド政府がGM綿の種子輸出を禁止したと報道したことから、状況の確認とみられる。〔Fibre2Fashion.com 2009/9/7〕

●バイエル社がインドでGMイネ開発へ

 独バイエルクロップサイエンス・インド社が、害虫やモンスーン気候に強いストレス耐性イネの開発を行う、と発表した。最近バイエル社は、アジア市場向けに GMイネの開発に力を入れているが、その取り組みの一環とみられる。 〔Samay Live 2009/9/8〕

●ネグロス島でGMOフリーゾーン解除の動き

 フィリピンではGMOフリーゾーンが広がっているが、フリーゾーンの1つネグロス島で、フリーゾーン解除の動きが出ている。同島西部地区でGM作物規制法を緩和する改正案が提出され、環境保護団体が議事堂前でハンガーストライキに突入した。また、カトリック司教がハンガーストライキを支持する声明を発表した。〔The Visayan Daily Star 2009/9/23〕

●パキスタンでBt綿栽培反対大規模行動

 パキスタンの市民団体アクション・エイドと農民が共同で、モンサント社のBt綿の国内試験栽培に反対して、シンド州とパンジャブ州で大規模な抗議行動を行った。同国では、7700万人もの人々が充分な食料を得ていないのに、政府は多国籍企業を優遇しているとして不満が高まっている。 〔Action Aid International 2009/9/15〕
●GM魚
●GM魚が及ぼす生態系や人間の健康への影響

 スウェーデンのイエテボリ大学で「GMシャケの生態学的影響評価」プロジェクトの一環で行われた研究が発表され、GM魚が環境中に放出された際の、生態系や人間の健康への影響に対する懸念が示された。成長が早く病気に対する耐性のあるGM魚はシャケ、コイ、ナマズなど20種類も開発されているが、成長が早いと、その分環境中の毒素の蓄積も早く、成長ホルモンの濃度も高くなる。それを人間が摂取することによる影響が懸念されている。また環境中に逃げ出した場合、GM魚の方が餌が少ないところでも生存率が高いため、生態系に悪影響が出ると指摘している。 〔European Reseach Headlines 2009/9/16〕
●遺伝子組み換え花卉
●今度は青い菊

 農研機構花き研究所とサントリーホールディングスは共同で、青い菊を開発した。青いカーネーション、青いバラにつづく、第三番目の青い花となる。導入したのは、青い花弁を持つカンパニュラから取り出した「デルフィニジン型アントシアニン」遺伝子で、現在はまだ菊の赤色色素の75%が青に置き替わったにすぎないため紫色にちかく、100%置き替わるまで開発を進める予定だという。 〔日本農業新聞 2009/9/15〕
●GM食品表示
●イスラエルでGM食品が表示なく流通

 イスラエルで、GM作物を含む食品が表示されないまま流通していることがわかった。分析したのは、Milouda品質管理研究所で、同研究所はこれまで主に欧州向け輸出食品のGM検査を行ってきたが、国内流通食品を検査したところ、知らないうちに出回っていることが判明した。 〔Haaretz 2009/9/3〕