■2009年11月号

今月の潮流
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今月のできごと


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バイオジャーナル

ニュース


●ES細胞
●ヒトES細胞捏造事件結審、黄禹錫に求刑4年

 人の体細胞クローン胚からES細胞作製に成功したという論文を偽造し、世界に大きな衝撃をもたらした元ソウル大学教授黄禹錫(ファンウソク) の裁判が結審し、検察側は4年を求刑した(本誌2006年2月号参照)。〔The Associated Press 2009/8/24〕
●企業動向
●モンサント社が人員大幅削減へ

 モンサント社は、公表済みの合理化計画をさらに強化し、約8%の人員削減計画を発表した。除草剤の減収が経営を圧迫したことによるもの。株価も9月10日5%急落した。 〔The Associated Press 2009/9/11〕
●GMOフリー
●ドイツでGMOフリー牛乳好調

 ドイツでは、全体的に牛乳の売れ行きが不調の中、GMOフリー牛乳の売れ行きが好調である。この牛乳は、GM飼料を用いていない「Landliebe Landmilch(大地を愛する、大地の牛乳)」で、2009年に入り7か月間で売り上げを7.7%伸ばしている。 〔Trace Consult 2009/9/21〕

●ルーマニアでGMOフリー・レストラン普及へ

 ルーマニアの環境保護団体エージェント・グリーンは、多くの消費者がGMOフリーを求めていることから、GMOフリー・レストランを拡大するため、「AgentGreen」マークの普及に乗り出した。マークのあるレストランでは、食品にいっさいGM作物由来原料が使われていない。 〔Agent Green 2009/9/15〕
 またエージェント・グリーンは、政府がモンサント社の殺虫性トウモロコシ「MON810」の栽培情報の公開を拒否していることに対して、農業省と環境省を相手取り控訴裁判所に訴えた。訴えの中で、情報公開とともに公開の遅れに対する罰金を科すよう求めた。〔Agent Green 2009/9/23〕
●GM汚染
●オーストラリアの蜂蜜にGM由来花粉検出

 環境保護団体グリーンピースが、オーストラリア・ビクトリア州南部で、蜂蜜からGMナタネ由来の花粉を検出した。GMナタネ農家に栽培報告の義務がないため、養蜂家はナタネがGMかどうかを知るすべを持たない。グリーンピースは、GM作物の健康や環境への影響を調査するよう、連邦政府保健省に求めている。〔Greenpeace Australia Pacific 2009/10/1〕

●年々増えるGM自生ナタネ

 春から初夏にかけて行われた、市民の手によるGMナタネ自生調査がまとまった。それによると、調査箇所を絞ったため検体数は少なかったが、GMナタネはこれまででもっとも多かった。今年は各地で例年になくGMナタネが咲き乱れるという事態に直面したことがあげられる。原因は不明だが、天候の関係と思われる。


表1 GMナタネ自生全国調査の結果(2009年)

調査地 採取数 陽性反応
RR LL RR+LL
鹿児島 26 1 1 1
福 岡 77 14 17 1
兵 庫 21 1 1 0
愛 知 60 1 0 0
神奈川 48 1 2 0
千 葉 101 12 16 0
その他24都道府県 668 0 0 0
総 計 1001 30 37 2

(RRはラウンドアップ耐性ナタネ、LLはバスタ耐性ナタネ)



●GMO承認情報
表2 GM作物野外栽培承認(第1種使用規定)一覧

生物多様性影響評価検討会総合検討会
作物 性質 申請(開発者) 名称 認可日*
ワタ 除草剤グルホシネート耐性及びチョウ目害虫抵抗性ワタ バイエルクロップサイエンス株式会社 GHB119, OECD UI: BCS-GH005-8 2009年10月5日
ワタ 除草剤グルホシネート耐性及びチョウ目害虫抵抗性ワタ バイエルクロップサイエンス株式会社 T304-40, OECD UI: BCS-GH004-7 2009年10月5日
ワタ 除草剤グリホサート耐性ワタ バイエルクロップサイエンス株式会社 GHB614, OECD UI: BCS-GH002-5 2009年10月5日
トウモロコシ 除草剤グリホサート及びグルホシネート耐性トウモロコシ 日本モンサント株式会社 NK603×T25, OECD UI: MON-00603-6 ×ACS-ZM003-2 2009年10月5日
トウモロコシ 耐熱性α−アミラーゼ産生並びにチョウ目及びコウチュウ目害虫抵抗性並びに除草剤グルホシネート及びグリホサート耐性トウモロコシ シンジェンタシード株式会社 3272 × Bt11 × MIR604 × GA21, OECD UI: SYN-E3272-5 × SYN-BT011-1 × SYN-IR604-5 × MON-00021-9 2009年10月5日

*正式にはパブリックコメントの後に認可される。