Now I, my friend, was beginning to feel awkward; my former bold belief in my powers of conversing with him had vanished. And when Critias told him that I was the person who had the cure, he looked at me in such an indescribable manner, and was just going to ask a question. And at that moment all the people in the palaestra crowded about us, and, O rare! I caught a sight of the inwards of his garment, and took the flame. Then I could no longer contain myself. I thought how well Cydias understood the nature of love, when, in speaking of a fair youth, he warns some one 'not to bring the fawn in the sight of the lion to be devoured by him,' for I felt that I had been overcome by a sort of wild-beast appetite. But I controlled myself, and when he asked me if I knew the cure of the headache, I answered, but with an effort, that I did know.
Now I, my friend, was beginning to feel awkward; my former bold
belief in my powers of conversing with him had vanished.
セミコロン以後の文では、my former bold belief in my powers of conversing with him が大きな〔主語〕。一語だけならば belief。
「彼と対話する私の力に対しての私の先ほどの強い自信」
had vanished は、過去のある時点での動作の〔完了〕。
「さあ、私の友人よ。私は落ち着かない気分を感じ始めた。彼と対話する私の力に対しての私の先ほどの強い自信は、消えてなくなってしまった」
And when Critias told him that I was the person who had the cure, he looked at me in such an indescribable manner, and was just going to ask a question.
describe は「述べる」「説明する」「描写する」。-able が後ろにくっつくと、「その動詞できる」という〔形容詞〕になる。さらに in- が前につくと、反対の意味になる。indescribable で「表現できない」「言い表せない」。manner は「方法」「態度」「物腰」。
「そして、私が治療法を知る者だとクリチアスがカルミデスに言うと、カルミデスは何とも言えない風に私を見て、質問をしようとした」
And at that moment all the people in the palaestra crowded about us, and, O rare! I caught a sight of the inwards of his garment, and took the flame.
about は、「〜のまわり」。around と同じ。
O は、oh のこと、文中でも大文字で示す。今はあまり使わない。rare は、ステーキの焼き具合(血がにじむくらいの生焼き状態)も指すが、ここでは「珍しい」「まれな」こと。
“catch a sight of...”は、「…を見る」という意味であろう。辞書では、“catch sight of...”で「…を見つける」とある。catch の代わりに、get, have もあり。
「そして、その瞬間、体育場内のすべての者たちが私たちの周りに集まった。そして、おー、珍しいことに、私は彼の衣服の内側を見たのだ。そして、私は情熱に火をつけた」
Then I could no longer contain myself.
“no longer”は「もはや〜ない」。“contain oneself”で「感情を抑える」。
「それからは、私はもはや感情を抑えることができなかった」
I thought how well Cydias understood the nature of love, when, in speaking of a fair youth, he warns some one 'not to bring the fawn in the sight of the lion to be devoured by him,' for I felt that I had been overcome by a sort of wild-beast appetite.
how well Cydias understood the nature of love の部分は〔間接疑問〕だが、〔感嘆文〕とも考えられる。感嘆符(!)が〔感嘆文〕の特徴だが、エクスクラメーションマークがなければ、語順は同じなので、見分けはつかない。感嘆文は、間接疑問の形から独立したのではないか。別に調べたわけではないが、そのように愚考する。
when は、「〜なので」=since という〔理由〕の意味に取った。
to be devoured by him は、〔to不定詞〕のどんな使い方だろう。〔受動態〕となっている。by him の him が「むさぼり食うのだ」。食う方は lion であろう。ということは、him=the lion。
となれば、直前の the lion を修飾する〔形容詞句〕とはなれない。〔ライオンがライオンに食べられる」ことになるから。この不定詞の主語は、the fawn であるはず。
〔副詞的用法〕の中に〔結果〕というのがあった。
She lived to be ninety. 「彼女は90歳まで生きた」。
本文は、こんなに単純ではない。「〜しないように」という〔目的〕なら、not がいるはずだし。んー、これは適当に文意に合うようにいくしかない。
「私は、シディアスは愛の特性をよく理解していたのだなと思った。それは、ある美しい若者のことについて話していたときに、彼は『ライオンの視界の中に若い鹿を運んで行ってはいけない。ライオンの餌食となってしまうから』と誰かに警告していたからだ。こんなことを言うのも、私はそのときまで、ずっとある種の野生の欲望に支配されていたからだ」
But I controlled myself, and when he asked me if I knew the cure of the headache, I answered, but with an effort, that I did know.
if I knew the cure of the headache は、接続詞if に導かれる〔名詞節〕。疑問詞のない〔間接疑問〕。Did you know the cure of the headache? が直接話法のダブル・クォーテーション内。
I did know. の did は、know を強調する使い方。訳に反映させるかどうかは、時と場合による。
「しかし、私は自分をコントロールした。そして、彼が私に頭痛の治療法を知っているかとたずねたとき、努力を伴いながら、知っていると答えた」
おー、ソクラテス、欲望に負けずに、よく持ちこたえた。しかし、体育場にいる皆が、周りに集まってくるとは、カルミデスは、まさにアイドル。「ライオンの目の前に若い鹿を連れてきてはいけない」という名言を吐いたシディアスについては、知らない。スター・ウォーズのダース・シディアスでないことは確か。
ナレーター(ソクラテス):
友よ。私はどぎまぎした気持ちになり始め、それまでは持っていたカルミデスと立派に対話する自信が、急速に萎えてしまった。
そして、クリチアスが、私が頭痛の治療法を知る人物だと言ったものだから、彼は私の方を見た。彼のなんとも言いようのない眼差しに見つめられた。そして、彼は私に質問をしようとした。
その瞬間、神殿のすべての人が私たちの周りに集まってきた。
そして、何という偶然か、私は彼の衣の内側(つまり肉体)を見てしまったのだ。それが、私の心に火をつけた。
それからは、もう自分の感情を抑えることができなくなった。
シディアスが、いかに愛の特徴を理解しているかがわかった。それは、彼が美しい若者について話しているときだった。彼は「ライオンの目の前に小鹿を置いてはいけない。必ずや餌食になってしまう」と誰かに言っていたからだ。
こんなことを言うのも、私は、ずっと野獣の欲望のようなものに負けそうになっていたからだ。
でも、私は何とか自分をコントロールした。
そのとき、彼は私に「頭痛の治療法をご存知ですか」とたずねた。
私は、必死に頑張って「知っているとも」と答えた。