And what is it? he said.
I replied that it was a kind of leaf, which required to be accompanied by a charm, and if a person would repeat the charm at the same time that he used the cure, he would be made whole; but that without the charm the leaf would be of no avail.
And what is it? he said.
「『そしてそれは何ですか』彼は言った」
I replied that it was a kind of leaf, which required to be accompanied by a charm, and if a person would repeat the charm at the same time that he used the cure, he would be made whole; but that without the charm the leaf would be of no avail.
プラトンの著作は、ほとんどが「対話」から出来上がっている。私の暫定日本語訳のように、話者名を挙げ、会話内容をそのまま直接書く形式のものもあれば、この英文のように間接話法や直接話法で、文中に話者を主語とするものもある。また設定も、「対話内容を後に他の人物に話して聞かせる(このカルミデスもそう)もの」「さらに対話内容を人から聞いて、それをまた別の人に話す」ものなど、凝っている。この設定も、プラトンが意図して書き分けているため。勝手に形式を変えて翻訳してしまうのは間違いだ、という意見がある。読みにくくとも、そうすることがその書物を読み解くためには最良であろう。しかし、ここでは、そういうことに、とらわれずにやっていくことにしている。ご了承願いたい。
I replied が、S+V。that以降がOで、ソクラテスが話した内容。そこからが文だと思って見てみる。
, which 以降は〔関係代名詞〕の〔継続用法〕。そこまで訳す。
「それは一種の葉っぱだよ。その葉っぱは、まじないと一緒であることを必要とする」
and if以降セミコロンまでは、過去形と助動詞過去形があるので〔仮定法過去〕かとも思うが、replied の過去形を受けた〔時制の一致〕であろう。その一致をはずして、この部分だけ書くと、
If a person will repeat the charm at the same time that he uses the cure, he will be made whole;
「if, when に導かれる副詞節中では、未来のことでも現在形で表す」という文法がある。それならば、If a person will repeat は、If a person repeats でなければいけない。逆に、that が〔関係詞〕とするならば、that uses the cure の部分は、〔形容詞節〕。〔形容詞節〕は、未来のことは未来形であるのが基本。
このように考えた。a person will repeat の will は、〔単純未来〕を表すものではなく、主語の〔意思〕を強く表すための用法で、uses は〔形容詞節〕中とはいえ、大きな〔副詞節中〕にあるので、やはり〔現在形〕にしておく。
〔帰結節〕の will は、もともと would で、時制の一致を受けても would で、〔推量〕の使い方ではないかとも考えたが、それ以上拡張せず頓挫。
“the same...that 〜”は、「〜と同じ…」。“the same...as 〜”「〜と同じような…」と一緒に習った。
ただし、この英文では、〔形容詞節〕は、he uses the cure the same time と at を抜いてしまうことはできないため、関係詞は that ではなく when か at which が原則のはず。
でも、that は、when, where, why, how の関係副詞の代わりに使われることがある。特に、the only, the very, the same, every, all, no, any や最上級形容詞・序数詞が、先行詞についているときは、that を使いたくなるらしい。この英文も、その例。
「その治療をすると同時におまじないを繰り返せば、その人は完治する」
セミコロン以降、but that... の that は、I replied に続く第2の〔目的語〕を導く〔接続詞〕と解した。
そこでの〔主語〕は、the leaf。
without the charm は、〔副詞句〕。仮定の if の代用ではないか。
avail は〔名詞〕「効果」。〔補語〕としての“of+名詞”は“形容詞”と同じ、no をつけて「効果のない状態」。
「でも、おまじないをしなければ、その葉っぱ何も効果をもたらさないだろう」
カルミデス:どうすればいいですか。
ナレーター(ソクラテス):
それは一種の葉っぱだよ。それを使うときには、おまじないをしなければいけない。その治療と同時におまじないを繰り返せば、その人は完治する。でも、おまじないをしなければ、その葉っぱは効力を発揮しない。