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allow+目的語+to不定詞

英文

And he who taught me the cure and the charm at the same time added a special direction: 'Let no one,' he said, 'persuade you to cure the head, until he has first given you his soul to be cured by the charm. For this,' he said, 'is the great error of our day in the treatment of the human body, that physicians separate the soul from the body.' And he added with emphasis, at the same time making me swear to his words, 'Let no one, however rich, or noble, or fair, persuade you to give him the cure, without the charm.' Now I have sworn, and I must keep my oath, and therefore if you will allow me to apply the Thracian charm first to your soul, as the stranger directed, I will afterwards proceed to apply the cure to your head. But if not, I do not know what I am to do with you, my dear Charmides.

翻訳作業

And he who taught me the cure and the charm at the same time added a special direction:

who taught me the cure and the charm at the same time は、関係代名詞who に導かれる〔形容詞節〕なので、主語he の動詞は、これ以降にあるはず。added がそれ。
「そして、私に治療法とまじないを同時に教えた彼は、特別な指示を付け加えた」
'Let no one,' he said, 'persuade you to cure the head, until he has first given you his soul to be cured by the charm.

he said を除外して書き直してみると、この部分は、
Let no one persuade you to cure the head, until he has first given you his soul to be cured by the charm. となる。
“let+O+原形不定詞”は、〔使役〕の表現。「Oに原形不定詞させる」。今回は〔命令文〕なので「Oに原形不定詞させなさい」。さらにこの文では、Oの部分が no one となっているので、persuade は否定になる。「誰にも説得して〜させるな」。
“persuade O to不定詞”で、「Oを説得して〜させる」。
until...節中の to be cured by the charm は、〔to不定詞〕のどの使用法なのだろうか。soul を修飾する〔形容詞〕、それとも、「〜するために」の意味を表す〔目的〕の〔副詞〕、「〜して……」の〔結果〕の〔副詞〕であろうか。
形容詞的用法:「そのまじないによって治療されるべき彼の魂を、彼が最初に君に見せ終わるまで」
副詞的用法・目的:「そのまじないによって治療されるために、彼が自分の魂を最初に君に見せ終わるまで」
副詞的用法・結果:「彼が最初に自分の魂を君に見せ終わり、そのまじないで治療される状態になるまで」
判別不能。玉虫色で……。
give you his soul は「君に魂を見せる」と訳したが、「君に魂を与える」から「君に魂を委(ゆだ)ねる」くらいの方がいいか。
「まじないによって君に魂を委ね、治療できる状態になるまで、誰であろうと君に頭の治療をさせてはならない」

For this,' he said, 'is the great error of our day in the treatment of the human body, that physicians separate the soul from the body.'

ここの部分も he said とクォーテーション・マークを抜いて書き直してみる。
For this is the great error of our day in the treatment of the human body, that physicians separate the soul from the body.
this(S)is(V)the great error(C)で、文成立。「これは大きなエラーです」が骨組み。of our day, in the treatment, of the humman body は、それぞれ修飾語句。〔形容詞句〕や〔副詞句〕。そうすると、that以後が不明。
that以後は、主語、動詞、目的語、副詞句とそろっているので〔節〕。that は〔接続詞〕。〔結果〕を表すものならば、前方のどこかに so があって欲しい。渋いところで、〔理由〕を表す because と同じ用法もある、内容もしっくりくる。
しかし、〔主節〕の this は何だろう。前に述べた内容を指しているとみるとおかしい。「〜するな」と命令しておいて、「それは間違いだ」ではつじつまが合わない。もっと前に内容だろうか。
this は、前出のものを指すとは限らない。指すものが後方に出てくる場合もある。この this が、that以後を指しているとみたら、すっきりと意味が通じるようである。it...that... の〔形式主語〕it の代わりのようなものが this とみてもよいかも知れない。
「医者たちが魂を体から分けて考えたことが、今日人間の体の取り扱いに関して、大きく間違った点だ」

And he added with emphasis, at the same time making me swear to his words, 'Let no one, however rich, or noble, or fair, persuade you to give him the cure, without the charm.'

making me swear to his words の部分は、“make+O+原形不定詞”の〔使役〕。〔分詞構文〕だと思うが、at the same time を〔接続詞的〕に使って、with making... と考えているのか。これは考えすぎだろう。〔分詞構文〕とする。=and at the same time he made me swear to his words
however rich, or noble, or fair は、no one を補足。「どんなに金持ちでも、また、どんなに高貴でも、また、どんなに正しい人でも、いかなる人にも……ない」
「そして、彼は強調して付け加え、同時に私に、彼の言葉に約束させた。『どんなにお金持ちだろうと、どんなに身分が高かろうが、また、そんなに正しい人だろうと、どんな人物にも、まじないなしにその治療をしてはならない』」

Now I have sworn, and I must keep my oath, and therefore if you will allow me to apply the Thracian charm first to your soul, as the stranger directed, I will afterwards proceed to apply the cure to your head.

“allow+O+to不定詞”で、「Oにto不定詞させておく」「Oにto不停止することを許す」。〔to不定詞〕の部分に、原形不定詞やVing、過去(分詞)形などの選択肢を置き、to不定詞を選ばせる問題は、よくある。
if節中に will があるのは、〔未来〕ではなく、〔意志〕を表す使い方。以前にも出てきた。
「今、私は約束している。そして、私はその誓いを守らなければならない。そして、それゆえに、もし君が最初にトラキア人のまじないを君の魂に適用するようことを私に許可してくれる気があれば、その異邦のトラキア人の指示通りに、その後で、頭にその治療を適用する段階に進もう」

But if not, I do not know what I am to do with you, my dear Charmides.

what I am to do with you の部分は、I am to do what with you の what が前に行ったものなので、“do O1 with O2”。「O2をO1に扱う」。
I am to do... は、“be to不定詞”。〔義務〕が自然か。
I do not know what I should do with you の内容なのでは。 「でも、許してくれなければ、私は君をどう処理すればいいかわからないんだ、親愛なるカルミデスよ」

暫定日本語訳

ソクラテス:
この治療法とおまじないを一緒に教えた者は、特別な指示をくれた。「まじないによって、患者の心が開かれるまで、決して頭の治療を行ってはならない。今日、医者が体と心を分けてしまったため、人間の体の取り扱いが大きく間違ってしまったのだ」と。そして、彼は次のように強調して私に約束させた。『患者がどんなに金持ちでも、どんなに身分が高くても、また、どんなに正しい人物でも、まじないなしにこの治療を行ってはならない』と。 私は誓った以上、その約束を守らなければならない。だから、もし君が最初にトラキアのまじないを魂に入れるのを許してくれれば、そのトラキア人の指示通りに、その後、君の頭にその治療法を行うことにしよう。でも、許してくれなければ、治療はできないのだ、親愛なるカルミデス。

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