Then let me tell you that he is the most temperate of human beings, and for his age inferior to none in any quality.
Yes, I said, Charmides; and indeed I think that you ought to excel others in all good qualities; for if I am not mistaken there is no one present who could easily point out two Athenian houses, whose union would be likely to produce a better or nobler scion than the two from which you are sprung. There is your father's house, which is descended from Critias the son of Dropidas, whose family has been commemorated in the panegyrical verses of Anacreon, Solon, and many other poets, as famous for beauty and virtue and all other high fortune: and your mother's house is equally distinguished; for your maternal uncle, Pyrilampes, is reputed never to have found his equal, in Persia at the court of the great king, or on the continent of Asia, in all the places to which he went as ambassador, for stature and beauty; that whole family is not a whit inferior to the other.
Then let me tell you that he is the most temperate of human beings, and for his age inferior to none in any quality.
“let+O+原形不定詞”。述べる必要はないだろう。the 最上級...of... も基本。
“inferior to...”は、〔ラテン比較〕。「…より劣っている」。「…より優れている」は“superior to...”
for his age は、「彼の年の割りには」。「彼の年の割りには、誰にも劣っていない」では、日本語がおかしいので「彼の同年輩の中では、誰にも劣っていない」とする。
「それでは、彼は人類で最も〔節制的〕な人物で、彼の同年輩の中では、どんな性質についても、誰にも劣っていない、と私に言わせてください」
内容から、クリチアスの言葉か。それとも、ソクラテス本人の言葉か。これは二転三転した。
Yes, I said, Charmides; and indeed I think that you ought to excel others in all good qualities; for if I am not mistaken there is no one present who could easily point out two Athenian houses, whose union would be likely to produce a better or nobler scion than the two from which you are sprung.
no one present は「現在誰もいない」。
whose union は、〔関係代名詞の所有格+名詞〕=two Athenian houses' union。
“be likely to不定詞”は、「to不定詞しそうな」。
the two は、the two houses。the two from which you are sprung で「君を生んだ(輩出した)2家」くらいの意味。カルミデスは、父も母も名門の出身。のちに出てくるであろうが……。
「わかったよ。では、カルミデス。実際私は、君はあらゆる美徳について、他の者より優れているべきだと考えている。というのは、私が間違っていなければ、君を輩出した2家の結合より、高貴で優れた子供をつくりそうな2家の組み合わせをアテネの家の中から指摘できる者は、現在一人もいないからだ」
There is your father's house, which is descended from Critias the son of Dropidas, whose family has been commemorated in the panegyrical verses of Anacreon, Solon, and many other poets, as famous for beauty and virtue and all other high fortune:
この There is your... は、“There is...”“There are...”なのだろうか。「君の父方の家について話そう」くらいに思っておく。
最後の方の as は何だろうか。〔接続詞〕とは思えない。as以後が〔節〕になっていないからだ。もちろん、as...as... の後ろの as は、〔接続詞〕で、その後には〔節〕がない場合もある。でもそれは、省略があって、それを補えば〔節〕が出現する。今回、省略されているの物の見当がつかない。
〔前置詞〕だろうか。純然たる〔前置詞〕は、後方に〔名詞〕〔代名詞〕を必要とする。for が出てきているから、for の前に〔名詞〕〔代名詞〕がなければならない。famous だけだ。これは〔形容詞〕。as の後ろに〔形容詞〕がくるのは、
regard A as B、look on A as B「AをBとみなす」。
as B は一般的に〔目的格補語〕と、とらえられている。
whose family has been commemorated... と、受動態の完了形となっているが、〔能動態〕にすれば、
Many poets has commemorated whose family as famous for....
とできるのではないか。残念ながら、私の所有する辞書・参考書類では、commemorate A as B の例は見当たらなかった。
「君の父方の家系は、ドロピデスの息子のクリチアスを祖先とし、その家系は、美しさや美徳、他のすべての高い幸運で有名であると、アナクレオンやソロン他のたくさんの詩人の詩の中で、ずっとたたえられて続けてきている」
and your mother's house is equally distinguished; for your maternal uncle, Pyrilampes, is reputed never to have found his equal, in Persia at the court of the great king, or on the continent of Asia, in all the places to which he went as ambassador, for stature and beauty; that whole family is not a whit inferior to the other.
maternal は「母方の」。Pyrilampes「ピュリランペス」は、アテネ全盛時代をつくりあげたペリクレスの友人で、後にプラトンの母親の再婚相手になったといわれる人物。プラトンは彼を父親代わりに育ったという人もいる。
never to have found と〔to不定詞〕の前に never が出てきているので、〔結果〕かと思ったが……、う〜ん、そうなのか。よく分からないが、be+reputed+〔to不定詞〕で、「〜と評判」と英和辞典に載っていた。そのまま覚える。〔to不定詞〕の否定は、直前に not, never を置く。
not a whit=not at all「全然〜ない」。
the other とあるので、「決まった別のもう一つ」→「父方の家族」。
「そして、君の母方の家も同様に優れている。というのは、君の母方のおじピュリランペスは、ペルシア大王の宮廷でも、アジア大陸でもどこでも、彼が大使として赴いたあらゆる場所で、その名声と美のために並ぶ者はいないと評価されているからだ。もちろん、君の母方の家族全体を見回しても、決して父方に劣るわけではない」
クリチアス:
では、彼は人類の中で最も節度ある人物で、彼の同年輩のうちでは、あらゆる性質が誰よりも勝っていると言えるようにしてください。
ソクラテス:
よし。では、カルミデス。実際、君はあらゆる美徳で、他の者に勝っていなければいけないと思うんだ。それはこんな理由からだ。もし私が間違っていなければ、君の父方の家系と母方の家系との間の子供は、優秀で高貴な息子が生まれるに決まっている。今このアテネにおいて、それよりも優秀な子供をつくるのに、この両家以外の組み合わせを思いつくものはいないだろう。
お父さんの家系は、ドロピデスの息子のクリチアスを祖先にいただく。
君の家系はアナクレオンやソロン、他の多くの詩人たちから、褒め称える詩を代々受けてきた。美しさや徳、その他の多くの幸運をたたえられて。
君のお母さんの家系も、同じように優れた家系だ。
おじさんのピュリランぺスは、大使として赴いたペルシア大王の宮廷や他のアジア大陸のすべての宮廷で、美しさと能力の点で匹敵するものがいないと評されているのだ。もちろん、家族全体を見てみても、お父さんの家系に少しも劣っているわけではない。