Charmides blushed, and the blush heightened his beauty, for modesty is becoming in youth; he then said very ingenuously, that he really could not at once answer, either yes, or no, to the question which I had asked: For, said he, if I affirm that I am not temperate, that would be a strange thing for me to say of myself, and also I should give the lie to Critias, and many others who think as he tells you, that I am temperate: but, on the other hand, if I say that I am, I shall have to praise myself, which would be ill manners; and therefore I do not know how to answer you.
Charmides blushed, and the blush heightened his beauty, for modesty is becoming in youth; he then said very ingenuously, that he really could not at once answer, either yes, or no, to the question which I had asked:
1つめの blushed は〔動詞〕、2つめの blush は〔名詞〕で〔主語〕。
「〜になる」の become は通常、進行形とはならない。これは〔形容詞〕になった becoming [to, in, for 〜]で、「〜にふさわしい」。
said の〔目的語〕は、that he really...:
“either A or B”は、「AかBのどちらか」。
「カルミデスは顔を赤らめた。彼の顔の紅潮が彼の美を高めた。というのも、謙遜は若者にふさわしいから。それから、彼はとても素直に言った。私がたずねた質問には、yes とも no とも本当に即答できない、と」
For, said he, if I affirm that I am not temperate, that would be a strange thing for me to say of myself, and also I should give the lie to Critias, and many others who think as he tells you, that I am temperate: but, on the other hand, if I say that I am, I shall have to praise myself, which would be ill manners; and therefore I do not know how to answer you.
that...for...to は、“It...for..to...”の代わりと考えると、簡単そうだ。だが、そんな使い方ができるのか。また、できたのかは未確認。
that would の that は、前の〔if節〕の内容で、to say of myself は、〔判断の理由・根拠〕を表しているとも考えられる。thing が邪魔で、strange という〔形容詞〕だけならば、もっと自信を持っていけるのに。strange to say「奇妙なことだが」という〔独立用法〕もあることだし。
“give the lie to O”は「Oにうそを言う」ではなくて、「嘘をついたと言ってOを責める」という意味。
that I am temperate: は、he tells you の〔直接目的語〕。私には、that の前のコンマは、かえってまぎらわしかった。
実は、上の方の条件節中の that I am not temperate に対応して、that I am temperate があるのだと考えていた。でもその後、if I say that I am (temperate省略) が出てくるに及んで、「あれ、また出てきた。2度もくどいぞ。しかも、後ろの方が正式。となると、前のthat I am temperate は別の働きがあるのか?」となった。
on the other hand は「他方」。“on the one hand..., on the other hand....”「一方……、他方……」と相関的にも使われる。
which は、〔関係代名詞〕。to praise myself を指しているのではないか。
「というのは、もし私が節制の徳を持ち合わせていないと断言すれば、それは、自分自身のことを言ったことになりおかしなことだし、そしてまた、クリチアスや彼があなたに『私は節制の徳を持っている』言ったのと同じように考える多くの人を、うそつき呼ばわりすることになります。しかし、他方で、もし私が、節制の徳を持っていると言ったとしたら、どうしても自分をほめなければならないでしょう。そのことは、悪いマナーとなるでしょう。そして、それゆえに、私はあなたにどう答えてよいものか分かりません」
もっともなことだ。「私は節制の徳を持っている」と自分で言う人物に「節度がある」とは思えない。しかし、なかなか哲学問答が始まらない。多分、もう少しの辛抱。
ナレーター(ソクラテス):
カルミデスは顔を赤らめた。そして、その顔の紅潮が彼の美しさをいっそう引き立てた。謙遜は若者にふさわしいからね。
それから、とても率直に彼は言った。
カルミデス:
お訊ねになったご質問には、「はい」とも「いいえ」とも、今すぐにはお答えできかねます。
もし私が、「自分は節制の徳を持っていない」と主張すれば、自分でそんなことを言うのは変だし、「私を節制の徳を備える人物だ」と言ってくれるクリチアスや、そう考えてくれる他の多くの人たちを、うそつき呼ばわりすることになります。でも、他方で、「自分は節制の徳を持っている」と主張すれば、どうしても自分で自分を賞賛することになってしまいます。これは、ほめられたことではないと思われます。ですから、私はあなたにどうお答えしたらいいのか、困ってしまいます。