You monster! I said; this is what Critias, or some philosopher has told you.
Some one else, then, said Critias; for certainly I have not.
But what matter, said Charmides, from whom I heard this?
No matter at all, I replied; for the point is not who said the words, but whether they are true or not.
There you are in the right, Socrates, he replied.
You monster! I said; this is what Critias, or some philosopher has told you.
this is what... の this は、“You monster!”のことかと思ったが、次に続く対話の内容から、前回の「節制とは自分の職分を守ることだ」という節制の定義のこと。
what は〔先行詞〕を含む〔関係代名詞〕。言わなくてもいいくらい。
“You monster!”は!マークもあることだし、「君は化け物だ」「君は怪物だ」くらい。賛辞なのか非難なのかは、今のところ私には分からない。
今回から、「クリチアス」は「クリティアス」にする。やはり、「ティ」の方が一般的らしい。これまでの記述も順次訂正していくつもり。
「君は化け物だね。これはクリティアスか哲学者の誰かが君に教えたことだ」
Some one else, then, said Critias; for certainly I have not.
「じゃあ、(私ではなく)他の誰かですね。というのは、私は言っていないのは確かですから」
But what matter, said Charmides, from whom I heard this?
what matter は、「どうしたことだろう」と訳した。
From whom did I hear this? が正確な文であろう。現在では、
Who did I hear this from? が普通か。
「でも、どうしたことだろう。私はだれからこれを聞いたのだろう」
No matter at all, I replied; for the point is not who said the words, but whether they are true or not.
普通 not...at all で「全然〜ない」と教える。no matter だけでも「全然問題じゃない」という意味になるが、さらに強めるために at all がくっついたのだろう。
セミコロン以後は、“not A but B”の構文。この文ではA・Bどちらの部分も〔間接疑問〕となっている。
「全然問題じゃない。というのは、ポイントはだれがその言葉を言ったかではなく、その言葉が真実かそうでないかということだ」
There you are in the right, Socrates, he replied.
There は「その点では」と訳した。
「その点では、あなたは正しいですよ、ソクラテス」
ソクラテス:
君は化け物だね。これはクリティアスか、哲学者の誰かが、君に教えたんだろうね。
クリティアス:
それじゃあ、私以外の他の誰かですよ。私が教えていないのは確実ですから。
カルミデス:
でも、どうしたことでしょう。いったい誰からこれを聞いたのでしょう。
ソクラテス:
そんなことは、少しも大切ではないんだよ。大切なのは誰がその言葉を言ったかではなくて、その言葉が正しいか正しくないかということなんだ。
カルミデス:
その点は、あなたのおっしゃるとおりです、ソクラテス。