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such A as to不定詞

英文

But, I said, a temperate state will be a well-ordered state.

Of course, he replied.

Then temperance, I said, will not be doing one's own business; not at least in this way, or doing things of this sort?

Clearly not.

Then, as I was just now saying, he who declared that temperance is a man doing his own business had another and a hidden meaning; for I do not think that he could have been such a fool as to mean this. Was he a fool who told you, Charmides?

Nay, he replied, I certainly thought him a very wise man.

翻訳作業

But, I said, a temperate state will be a well-ordered state.

「『でも、節度のある国家とは、よく治まっている国家であろう』と私は言った」

Of course, he replied.

「『もちろんですよ』と彼は返答した」

Then temperance, I said, will not be doing one's own business; not at least in this way, or doing things of this sort?

セミコロンまでを、Then と I said 抜いて書いてみる。
Temperance will not be doing one's own business. さらに will も抜く。
Temperance is not doing one's own business.
否定文ではあるが、〔主格補語〕が〔動名詞〕に導かれる〔名詞句〕。
“at least”は「少なくとも」。この前に not がある場合は、どう訳せばいいのであろう?
「じゃあ、節制は自分自身の仕事をすることではないだろうね。少なくともそんなふうなことやこの種のことをすることではないね」

Clearly not.

「確かに違います」

Then, as I was just now saying, he who declared that temperance is a man doing his own business had another and a hidden meaning;

Then と as I was just now saying は、いいだろう。
問題は、he who declared...meaning;。ちょっと複雑。
hewhodeclared thattemperanceisa man doinghis own businesshad anotheranda hiddenmeaning
意味S'''V'''O'''
接続詞S”V”C”
S’V’O’
形容詞1接続詞形容詞2

一番下の階層は、a man doing his own business。これがすぐ前の is の〔補語〕となっている〔動名詞〕。a man が動名詞doing の〔意味上の主語〕。「人が自分自身の仕事をすること」
その上の階層は、that temperance is a man doing his own business。
that は〔名詞節〕を作る〔接続詞〕。「節制とは人が自分自身の仕事をすること」。
先ほどの階層が〔他動詞〕の〔目的語〕となっている〔形容詞節〕が、その上の階層。
そしてその〔形容詞節〕が、一番上の階層の〔主語〕である he を〔修飾〕している。
「節制とは人が自分自身の仕事をすることだと主張した彼は、……」
一番上の階層の骨組みは、he had another and a hidden meaning。
「彼は別の隠された意味を持っていた」。
「節制とは人が自分自身の仕事をすることだと主張した彼は、別の隠された意味を持っていた」

for I do not think that he could have been such a fool as to mean this.

think の〔目的語〕となっている〔名詞節〕中には、“could have been”と“助動詞+完了形(have+過去分詞)”が使われている。これは過去の出来事に対する現在の推量を表す
“such A as to不定詞”は「to不定詞するほどのA」という意味。〔程度〕を表す〔to不定詞〕の〔副詞的用法〕。
so A that... の構文は、中学校でも習う。Aの部分が〔名詞〕ならば、such A that... となる。高校に行くと、so A as to不定詞 というのも習う。「to不定詞できるほどA」。Aの部分は〔形容詞〕〔副詞〕。Aの部分が〔名詞〕ならば、so 代わりに such を使う。
「というのは、彼がこのことを意味するほどのばか者であった可能性があるとは、考えていないからだ」
Was he a fool who told you, Charmides?
who told you が、a fool を〔先行詞〕とするとは考えにくいので、本来は、Was he who told you a fool? というのが忠実が語順であろう。
「君に教えてくれた彼は、ばか者だったかい? カルミデス」
「それでは、私が今言ったとおり、節制とは人が自分自身の仕事をすることだという人は、別の隠された意味を持っていたね。というのは、彼がこのことを言うほどばか者であったはずだと考えないからだ。君に教えた彼はばか者だったかね、カルミデス?」

Nay, he replied, I certainly thought him a very wise man.

nay[nei]は、no の古風な表現。前言を受けて〔接続詞的〕に「いや、むしろ……」という意味になるときもある。
I certainly thought him a very wise man. は“S+V+O+C”の第5文型。「him=a very wise man であることを、私はcertainlyに考えた」
「いいえ、私はむしろ、確かに彼をとても賢い男だと思いました」

暫定日本語訳

ソクラテス: でも、節度のある国家というのは、よく治まっている国家であるはずだ。 カルミデス: もちろん、そうですよ。
ソクラテス: それでは、「節制とは自分自身の仕事をすることではない」ということになる。少なくとも、今言ったとおりのことをすることではないね?
カルミデス: ええ、明らかに違います。
ソクラテス: それならば、さっき私が言ったように、「節制とは人が自分自身の仕事をすることだ」という彼の言葉には、別の隠された意味があるのではないかね? まさか、さっき言ったような意味で、彼がこの言葉を言ったとは、馬鹿らしくてとても思えないからね。君にこの言葉を教えてくれた人物は、そんなに馬鹿だったのかね?
カルミデス: いえ、むしろとても賢い人物だったと思います。

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ソクラテスの言う「さっき言ったこと」とは、「自分の服を自分で織り、汚れれば自分で洗濯し、自分の履物は自分でつくり、とにかく、自分のことは何でも自分だけでこなすこと」。

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