永野版ガンダム 
    
永野護氏デザインMS大全    
  
機動戦士ガンダム 1985−1986放送
永野氏によるオリジナルバージョンのZガンダム。
小説に掲載された数種のZガンダムと、百壱式という別名を持つZガンダムの2系統が存在する。
  
 
 
 
 
 Zガンダム
      (小説オリジナルVer.その)
 
講談社から発行された富野由悠季氏の小説機動戦士Zガンダム第一部-カミーユ・ビダン扉ページに掲載された永野版Zガンダム
この小説に掲載された他のイラストと同様、TVに登場したZGとは異なるオリジナルのデザインである。

 
永野氏によるZGは、それぞれ異なるデザインで
3点確認されているが(他に小説5巻表紙に掲載されたものと、プロジェクトZに掲載された百壱式)、このデザインが一番ガンダムらしいガンダムのツラをしている(V字アンテナなど)。若干差異はあるが、藤田氏がデザインしたZGと同じ印象を受ける。
ある意味これほどオリジナリティが感じられないデザインは珍しいと言えるかも。
 
イラストは残念ながら頭部、それも左半面のみしか描かれていない。
ちなみにこのイラストは、Zガンダムの他に3人の男女(おそらく左からシャア・ハマーン・カミーユ)が一緒に描かれている。
「MAMORU NAGANO. 84.」のサイン有り。

 


  
掲載雑誌
機動戦士Zガンダム第一部-カミーユ・ビダン
扉ページに永野版ZGのモノクロイラスト。またカバーイラスト等も永野氏によるもの。
  
 
 
 Zeta WAVE.RIDERS
      (小説オリジナルVer.その)
 
講談社から発行された富野由悠季氏の小説機動戦士Zガンダム第三部-強化人間カバー(裏側)カバーを外した表紙に掲載された永野版ウェーブライダー(ZガンダムMA形態)のイラスト。
カバー(裏表紙)には
「Mamoru Nagano 85 Zeta WAVE.RIDERS」のサインアリ。
 
・・・なのであるがハッキリいってどのような変形形態であるのかさっぱり想像が付かない。ちなみにこの変形機構は百壱式に引き継がれたとの事。
(百壱式は)変形すると、小説版ゼータガンダム第三巻の裏表紙にある様なウェーブライダーになります」 [プロジェクトZ]
 
 
機体側面部にマウントされたバインダーには
501257R、脚部に505のマーキングが描かれている。
これらの、特に、前者の意味はさっぱり不明。同様のマーキングは百壱式サイコガンダムにも見られるのだが・・・。

 

 
掲載雑誌
機動戦士Zガンダム第三部-強化人間
カバー及びカバー内表紙ページに永野版ウェーブライダーのモノクロイラスト。
他のカバー表紙イラスト等も永野氏によるもの。
 
 
 
 サイコガンダム?
 
講談社から発行された富野由悠季氏の小説機動戦士Zガンダム第三部-強化人間カバーに、永野版フォウ・ムラサメと共に描かれている。
 
この永野版サイコガンダムであるが・・・、あまりにも情報が少ないため不明な点が多い。
フォウが一緒に描かれている事や、機体のカラーリングが
である事から、サイコガンダムであると判断したのだが、そうであると示した資料は今のところ確認出来ていない
やっかいな事に永野版Zガンダムである百壱式とほぼ同一のデザインである事が、より一層混乱に拍車をかけている。

 
 
唯一のヒントは頭部側面に書かれた「50125 XF-897 -Σz M.N.MADE L?z BEEDA」というマーキングのみである。
個々に考察すると、50125に関しては、同様の番号が、同じく3巻に掲載されたウェーブライダー(小説オリジナル版)501257R百壱式にはZ:50092Bと書かれているのだが・・。
Σはギリシャ数字では18番目を意味する。BEEDAに至っては見当も付かず。もはやどう想像して良いのか見当すらつかない・・・(ToT)。
ちなみにこのMSをモチーフにして百壱式が描かれたとのことであるが・・・。
「(プロジェクトZの)表紙の百壱式ゼータガンダムは、第3巻にあるガンダムをモチーフにした物である」 [プロジェクトZ]
 
 
残念ながらこのMSに関しては永野氏のコメントが一切確認できていない。
そのためかこの小説が発売された当時、模型雑誌等に紹介されたが、表紙に描かれたこのガンダム型MSについては不明瞭な記載に終始している。
「(プロジェクトZの)表紙の百壱式ゼータガンダムは、第3巻にあるガンダムをモチーフにした物である」 [プロジェクトZ]
「表紙は、サイコガンダム(?)とフォウ・ムラサメ(!)」 [Mark11985年12月号]
 
 
特筆すべき点として、このMSのフェイスデザインや、額及びV字アンテナの形状、モノアイの配置などは、以後のガンダム型MS(百壱式Zガンダム(小説オリジナル版その3))にまったくそのまま引き継がれていった事である。
この時に永野氏の中でガンダム型MSのデザインが確立したのかも知れない。
 

 
掲載雑誌
機動戦士Zガンダム第三部-強化人間
カバー表紙にこのMSのカラーイラストが掲載されている。
Mark11985年12月号 P85
小説第3巻が紹介され、表紙イラストが掲載されている(モノクロで掲載)。
モデルグラフィックス1985年別冊GUNDAM WARS PROJECT Z P156
小説第3巻が紹介され、表紙イラストが掲載されている(モノクロで掲載)。
 
 

 Zガンダム
      (小説オリジナルVer.その)
 
講談社から発行された富野由悠季氏の小説機動戦士Zガンダム第五部-戻るべき処カバーの表紙に掲載された永野版Zガンダムその3
この機体もオリジナルデザインで、その1と異なりTV版と大きくデザインが異なっている(百壱式サイコガンダムと同系統のMS)。

 
 
機体のカラーリングは永野版ZZを想わせるグレーで、額及び側頭部にモノアイがあるという、いかにも永野版ガンダムという感じ。
残念ながら頭部が描かれているのみである。

 
このイラストには、永野版ハマーン・カーンやララァ・スンも一緒に描かれている。
 

 
掲載雑誌
機動戦士Zガンダム第五部-戻るべき処
カバー表紙にこのMSのカラーイラストが掲載されている。
 
 
 
 百壱式
      (永野版Zガンダム)
  
プロジェクトZのインナーカバーイラストに永野氏が描いているオリジナルMS。
 
永野氏によるオリジナルZガンダムであるとか。
顔の側面にモノアイがついていたり、額にナチスの鷲のマークが描かれていたりと非常にオリジナルティに溢れたデザイン。
「ゼータガンダム最後の仕事と言う事で、百壱式なるゼータガンダムを描いてみました。」 [プロジェクトZ]
  
機体のコンセプトはガンダム系とリックディアス系のMSをミックスさせているとのこと。
永野氏にしては珍しく変形機構を備え、ウェーブライダーに変形する。
「変形すると、小説版ゼータガンダム第三巻の裏表紙にある様なウェーブライダーになります。
機体はアナハイム製で、RX型ガンダムとリックディアス系MSのミックスアップバージョンと言った所でしょうか。」 [プロジェクトZ]
  
また各所にマーキングが彫られている。
「Z.PROJECT PLOT.No100295 M.NAGANO MSN-101」
「百改 Zeta.Gundum」
「ZGUNDUM AUX-4 MS-6R」
「WAVE−RIDER Z MS-6R AUX-4」
「Z-GUNDUM-001 Z.G-AUX-4 GUNDUM-6-MSN-101 Z:50092B MADE BY ANAHAIM」
 
 
型式番号についてはMSN-101MS-6RAUX-4の3点が書かれているが、MSN-101は百式の後継機であることを示し、MS-6Rは本編に登場したZガンダムの型式番号MSZ-006を連想出来るのだが、AUX-4については残念ながらわかりませぬ。どなたか教えてplease。

 
ちなみにこの百一式については1998年に「まるごと富野」という小冊子にて発表された同名のMSが存在する
こちらはZZでの没メカと併記されており、永野氏曰く「ゼータガンダム最後の仕事という事で、百壱式なるゼータガンダムを描いてみた」とされるこのMSとは別の機体と考えられる。

 
・・・のだが、このイラストが描かれたのが1986年(イラストの右下にMamoruNagano86とサインが記入されている)である事が非常に問題となる。
永野氏が主にZZのMSをデザインしていたのは1985年末に集中しており、どうみてもこの百壱式の方が後発のデザインなのである。
またこのMSのデザインが小説版ZG3巻の表紙イラストに描かれたサイコガンダムと酷似している事など謎な部分が多い。

 
永野氏の解説によると背中には、エプシィーが装備していたグライバインダーを装備しているとのこと。
もはやどう解釈したら良いのやら・・・。
「背中にはグライバインダーを装備しています。」 [プロジェクトZ]
 

 
掲載雑誌
モデルグラフィックス別冊GUNDAM WARS PROJECT Z
カバーをはずした表紙にこのMSのカラーイラスト、カバーの折り返し部分にこのイラストについての解説文が掲載されている。。
ModelGraphix1985年12月号 P82
プロジェクトZの広告として、イラストが掲載されている。

 

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