永野ZZガンダム
    
永野護氏デザインMS大全    
  
機動戦士ガンダムZZ 1986−1987放送
永野氏がデザインしたZZ案。
永野氏が降板したことにより世に出ることはなかった。
  
 
 
 
 αガンダム
 
永野氏が最初にデザインした主役メカ(ZZ)のラフスケッチ。ワイツとして知られる永野版ZZとはまったく異なるデザイン。
1985年にデザインされ、1995年ZZのLDブックレットに設定画が掲載されたが、機体の名称は不明だった。
→2011年、ファイブスター物語リブート2巻P106に「αガンダム」というデザインをZZ時代に永野氏がデザインした旨の発言が掲載され、胸装甲に「α」と書かれたこの機体の名称が判明した。 2012.1.31追記
 
このMSがデザインされたのは1985年10月頃。永野氏や小林誠氏、明貴美加氏、藤田一巳氏、ビシャルデザインなどが参加した次回作のデザイン会議に提出された。
次回作と書いたのはこの頃はまだZZという名称は登場していないためで、当時の企画書にはゼータ・ガンダムパート2という仮タイトルが記されていた。
「ここで紹介するのは、企画の初期段階で作られた、次回作用の主役メカ(まだZZというネーミングはない)のラフスケッチである。当時Zガンダムに参加していたデザイナーの永野護氏や小林誠氏、明貴美加氏(当時は伸童舎に所属)、そして玩具類の合体変形などのアイデアを作っていたビシャルデザインなどが参加している」 [機動戦士ガンダムZZメモリアルボックスTYPE−1封入ブックレット]
「「ガンダムZZ」で僕が作っていた「αガンダム」 [リブート2巻]
  
しかし、この永野氏がデザインしたMSは採用されず、明貴氏がデザインしたMSのコンセプトが採用された。
コアファイターとA・Bパーツ(いずれも戦闘機に変形)が合体しMS形態をとるというものである。
ただし明貴氏がその後もデザインを担うのではなく、このMSのコンセプトを元に永野氏がデザインするということが決定され、明貴案を基に永野氏がホワイトガンダム初稿をデザインすることとなった。
「A+Bメカという合体案は10月下旬の第一回デザイン会議で出された数多くのデザイン(約30点)の中で、伸童舎の明貴美加氏の案が基本となっている。」 [B-CLUB4号]
「明貴稿をベースに永野護氏にバトンタッチ。その第一稿がこのデザイン。バックパックとなる飛行メカが背中にドッキングする」 [B-CLUB8号]
(2機の戦闘機が合体変形するという)コンセプトは僕のものでないので、本編に登場する他の方のデザインした主役メカも、同じ機構を引き継いでいるはずです」[Newtype1986年3月号]
  
このMSの特徴としては変形機構をもたないといことであり、百式やリックディアスと同様に、背中に巨大なウイングバインダーを背負っている。
百式もそうであったが、当時の永野氏が変形という機能について懐疑的であったことを考えるといかにもという感じである。
 
しかし、このデザイン案は採用されず、他者のアイデアである変形合体機構を持つMSをデザインすることとなり、挙げ句の果てにその機体の永野氏が考案した合体機構に問題があるという名目で(他にも色々要因があったといわれているが)、デザイン担当を降板している・・・。
→この機体はその後1988年ジュノーンの初期稿にイメージソースとして使用されたらしい。
しかしながらこの機体は連載時扉頁に掲載された(リブート1巻P65参照)のみで、ジュノーンのデザインは変更されている。 2012.1.31追記
「「Zガンダムっていう主役MSを作ってくれ」とだけしか言われなかった。僕は意地でも変形させてやるもんか、とか思ってたし」 [ZガンダムメモリアルLD-BOX1封入ブックレット] 
「永野氏のプランはAメカとBメカの変形に立体化した場合、無理が生じるであろうと理由からNGとなった。」 [B-CLUB4号]
「「リブート1ラキシス」の扉ページにジュノーンの白黒イラストが掲載されているが、未消化のままのデザインであるのは一目でわかると思う。このデザインは「ガンダムZZ」で僕が作っていた「αガンダム」のイメージを取り込んだもので、その試みは大失敗に終わり、そのままいやになって放置していたのだ。」 [リブート2巻]
 
また特筆すべき点として肩にX-125(S?)、胸にαのマークが描かれていることである。
 
Xで始まる型式番号は他にもZガンダム大辞典に描かれていたキュベレイX-129、同じくハンブラビX-18510倍に掲載されたキュベレイ初期稿にはX-15B(8?)と描かれていた。
※どういった方式があったのか未だ判明していない。
 

 
設定画
このMSについては今の所、ZZのLDボックスに封入されたブックレットのみでしか確認できていない。
ちなみに足下にジュドーと思われる少年が描かれている(富野氏が1985年10/13-15に描いたストーリーあらすじにジュドーの名前が既にあるため)。

 
また確認されているのは前面パースのみで、他にも背面パースなどが存在するかは判明していない。
 

 
掲載雑誌
機動戦士ガンダムZZメモリアルボックスTYPE−1封入ブックレット P8
  設定画完全一部書き込み完全一部タイトル サイン
他にもホワイトガンダム2稿最終稿も掲載されている。
  
 
 
 ZZガンダム
      (ホワイトガンダム稿)
 
永野氏がデザインしたZZ案。
 
各模型紙に掲載された1〜3稿の初期案、降板後Newtypeに掲載されたものとで、合計4点存在する。
「永野氏によるZZのデザイン案はB-CLUB3号の富野由悠季カントクのインタビューに掲載したものが初稿であった。模型情報1月号のMJフォーラムに載ったものが12月上旬の会議に出された2稿で、(中略)12月末に出された最終稿」 [B-CLUB4号]
  
当初ZZのメカデザインは永野氏がすべて担当すると発表されたのだが、スポンサーサイドと意見があわずメカデザインを降板した。
そのため永野氏がデザインしたMSはすべて没になり出渕氏や明貴氏などが引き継ぐこととなった。この永野版ZZも、残念ながら没となってしまったものである。
インタビュアー:メカデザインはどなたに?
 富野監督:永野くんに任せようかと、考えています。ただ今回のZZといわれるガンダムはそうはいいながら、いわゆる永野メカではありません。大河原マシンに近い線があります。それは彼が従来のデザインと、大河原デザインの二種を意識してそれぞれをデザインしているということなんです。いつまでもハンブラビのようなデザインだけをしていては生き残れないということを知ったんでしょう。だからこれからの彼のメカのバリエーションには期待できます。今描かせているヤラレメカに近いメカなどはかつての手塚治をほうふつさせる、漫画的なものまであります。それに加えてオーソドックスなデザインをすることで、彼のフィールドは良い方向に、一気に広がるかもしれません」 [B-CLUB3号]
「主役メカであるZZのデザインは検討中という状況だ。これは、今までに見られなかったような合体変形システムを考案しているためで、1月号に発表した永野護氏のデザインを保留して」 [模型情報1986年2月号]
「機動戦士ガンダムZZのメカニカルデザインは、永野護氏によって進められていたが、'86年1月に入って、デザインを降板することになった。」 [B-CLUB4号]
「永野氏のプランはAメカとBメカの変形に立体化した場合、無理が生じるであろうと理由からNGとなった。」 [B-CLUB4号]
「永野はガンダムZZのメインメカデザイナーに抜擢され、かなりの点数のデザインを挙げていた。美しい白いMS、ガンダム。(中略)オンエア直前、永野はメインデザインを降ろされる。ガンダムZZのオンエアで見ることが出来た永野のデザインは、Zガンダムで描いたものを除くとプチMS他数点である。」 [comicNewtype1996冬の号]
「永野自信の名前はオープニングタイトルにクレジットされるが、実際にはほとんどノータッチである。」 [comicNewtype1996冬の号]
「ZGでゲストメカニカルデザイナーとして活動していた永野は、続くガンダムZZでは、メインメカニカルデザイナーとして起用される予定になっていた。」 [MAMORU MANIA]
「スポンサーサイドの提案で、永野のZZ降格が決定したのだ。ネオ・ジオン側のユニークなモビルスーツたちはもちろん、主役メカホワイトガンダムをはじめとするメーンメカデザインにいたるまで、ZZの画面から永野護の色は一層された。」 [MAMORU MANIA]
「この年の夏、翌'88年公開の劇場アニメ「機動戦士ガンダム/逆襲のシャア」のメーンメカニカル・デザイナーの座を(またしても)追われてしまう。デザインの優劣ではない。この時期の永野は、スタッフやクライアントとの協調精神を全く失っていた。それがFSSにのめりこんだせいなのか、否か。永野自身にも答えは出せないだろう。しかし、26歳の若さで時代の最先端を切りとろうとしていた永野にとって、『今自分が見せたいデザイン』が『クライアントの要求に合ったデザイン』より大切なものだったのは確かだ。『ZZ』に続き、『逆襲のシャア』も降ろされたことで、永野のアニメ界に対する不信は決定的となった。ほどなくサンライズ社を退社。」 [MAMORU MANIA]
「最終的に、永野氏は諸般の理由で降板。結局これらのデザインは陽の目を見ることはなかったのである」[機動戦士ガンダムZZメモリアルボックスTYPE−1封入ブックレット]
「(ZZガンダムやハンマ・ハンマは)基本的にハンブラビとキュベレイでやろうとしたことの後継というのが、ボツになった「ガンダムZZ」の設定にはあったんです。」 [Zガンダムエース]
「『ZZ』のメイン・メカデザインに起用される予定だったが、スポンサーサイドと喧嘩してしまい降板。どうやら『Z』でイカ型MSハンブラビをデザインした過去を持つ永野氏だけに、スポンサーであるバン○イが『本当に売れるデザインができるのか』と疑ったことが原因とウワサされている」 [ウラBUBKA2004年11月号]
  
この初稿は、1985年10月下旬に行われた第一回デザイン会議に提出された進童舎の明貴美加氏のデザインをベースにデザインされ、11月中旬に行われたデザイン会議に提出され、模型紙に掲載された。
ちなみにAメカ・Bメカが合体してMSになるというコンセプトは明貴氏によるもの。
永野氏によるこの初稿は非常にゴツイ外見で、背部ランドセルの左側に大型の武器が装備されている。
実際のデザインは確認出来ていないが、背中にバックパックとなる飛行メカがドッキングするとのことである。カラーリングは白色。
「明貴稿をベースに永野護氏にバトンタッチ。その第一稿がこのデザイン。バックパックとなる飛行メカが背中にドッキングする」 [B-CLUB8号]
(2機の戦闘機が合体変形するという)コンセプトは僕のものでないので、本編に登場する他の方のデザインした主役メカも、同じ機構を引き継いでいるはずです」 [Newtype1986年3月号]
「'1985年の秋頃から、主役メカをはじめとした、メカニカルデザインの作業に余念がなかった。永野の手による主役メカZZはエルガイム同様まっ白なボディをもった美しいマシーンで(私たちはこれをホワイトガンダムと呼んでいた)、ガンダム世界のモビルスーツと、エルガイム的な永野デザインの中間的産物ともいうべき、美しいロボットだった。」 [MAMORUMANIA]
 

 
設定画
全身像の前面パースのみしか確認されていない。
 
それも設定画自体が掲載されただけで書き込みや日付、タイトル等は一切確認できず
ただし上記した飛行メカの設定があるということだけは判明している(もちろん設定画自体は未発表だと思われるが・・・。)。B-CLUBに2回掲載されている。

 

 
掲載雑誌
B−CLUB通巻3号(1985年12月) P11
  設定画完全一部書き込み完全一部タイトル サイン
富野監督のインタビューに設定画が掲載されている。
B−CLUB通巻8号(1986年7月) P26
  設定画完全一部書き込み完全一部タイトル サイン
ZZガンダムデザイン決定までというコーナーに、3稿と共に掲載されている。
ModelGraphix2010年9月号 P27
B-CLUB通巻3号の設定画が転載されている。
  
 
 
 ZZガンダム
      (ホワイトガンダム稿)
 
永野氏によるZZガンダムの第2稿で、12月上旬のデザイン会議に提出された。
永野氏の書き込み・サイン等が残った状態の資料にて、永野氏のサインは「M.N.85」であったことが判明(設定画の左下には別人の文字で「60/12.6」とも書き込まれている)。 2013.11.27追記
 
胸の部分が分離したコアファイターと、その他の部分が変形したコアベースなる飛行機が合体しする。
背中には
ウエポンパーツ(左右に2門の砲身を持つ)を装着し、MS形体になるという非常にユニークな合体機構を持つ。
 
またこのウエポンパーツが装着したまま飛行形態をとることもできる(その場合、ウエポンパーツの砲身が前面に出る)。
この飛行形態とコアベースの大きな違いは、飛行形体はうつぶせ状態で変形するのに対して(Zガンダムやマクロスはこのタイプ)、コアベースは機体が仰向けになっている点である。
コアベースは頭のツノが2本重なり最前部に飛び出すなどかなりユニーク。

 
またこの第2稿には若干細部を変更したバージョンが存在し、ZZのLDボックスに封入されたブックレットに掲載されている。
 

 
設定画
模型情報に、永野氏がメインメカデザインを担当するという第一報と共に、MS形態・コアファイター・コアベース・飛行形体の4点の設定画が掲載された。
背中に付いている2門の砲身の使い方など非常に見るべきものが多い。
 
残念ながら書き込みやサイン等は確認できず
当時のスタッフ用の資料よりMS形態の設定画左上に「<M.S形態> M.N85.」とタイトル・サインが書かれていたことが判明した。 2013.11.27追記
※その他にも、永野氏っぽい文字で大きく「FigA.(1)」と1枚目のシートである旨を示す文字が書かれていた。
 

この4点の設定画がZZのLDボックスに封入されたブックレットにも掲載されていることが判明。
なおこちらの冊子に掲載されたコアファイターには一部書き込みが残っていた。 (2004.2.20追記)
コアファイター
ガンダムの胸パーツ」
ミサイル」
バルカン砲」
前方についている丸い穴からミサイル、コクピッド横の部分にバルカンが装備されていることが判明。
離脱用バーニア.」
また同じくコクピッド横の膨らんだ部分に合体離脱の際に使用するバーニアがあることも判明した。
 


  
掲載雑誌
模型情報1986年1月号 P3
  設定画完全一部書き込み完全一部タイトル サイン
エムジェイフォーラムに設定画が4点掲載されている。
機動戦士ガンダムZZメモリアルボックスTYPE−1封入ブックレット P9
  設定画完全一部書き込み完全一部タイトル サイン
コアファイターのみ一部書き込みを見ることが出来る。またZZ最初期稿最終稿、この第2稿の細部を変更したもの2点も掲載されている。
ModelGraphix2010年9月号 P27
模型情報1986年1月号の設定画が転載されている。
 
 
 
 ZZガンダム
      (ホワイトガンダム稿バリエーション No. MS形態)
 
永野氏によるZZガンダムの第2稿には細部が変更されたものが数点存在する。いずれもZZガンダムのLDボックスのブックレットに掲載されている。
このブックレットのP9に、上半分が3稿が掲載され、下半分に第2稿とそのバリエーションが掲載されている。
 
ちなみに下半分に掲載されている設定画を左から
 第2稿MS形態・第2稿バリエーションNo.1MS形態・第2稿バリエーションNo.2MS形態・第2稿コアベース
 第2稿飛行形態・第2稿バリエーションNo.3飛行形態・第2稿バリエーション4飛行形態・第2稿コアファイター
 
とした。掲載されている位置関係からもしかしたらバリエーション1とはそれぞれがMS形態・飛行形態に変更したものかもしれない。
イマイチ確信が持てなかったのでここでは便宜上別のものとしてまとめている。

 
この第2稿のMS形態のバリエーションはいずれも胸部・腰部装甲・背中のウエポンパックのみが変更されている。
逆にその他の部分は全く変更されていない。これらの箇所が永野氏の中で納得がいっていなかったものと思われる。

 
このバリエーションNo.1で目に付くのは腰横の装甲版の形状が大きいものに変更されたことと、肩の後ろに三角形の羽らしきものが描かれていることである。
その他は第2稿とほとんどかわらない。

 

 
設定画
ZZ ガンダムのLDボックスのブックレットに、第2稿の設定画と共に掲載されている。
その下に、このMSの変形形態かもしれない設定画(バリエーションNo.3)が掲載されているが、そうであるのかは今の所不明。

 
もちろんサイン・日付等は確認できず。ただし第2稿と同じく1985年10〜11月頃にデザインされたものと思われる。
 

 
掲載雑誌
機動戦士ガンダムZZメモリアルボックスTYPE−1封入ブックレット P9
  設定画完全一部書き込み完全一部タイトル サイン
このMSの設定画や第2稿やその他のバリエーションも掲載されている。またZZ最初期稿最終稿も掲載されている。
 
 
 
 ZZガンダム
      (ホワイトガンダム稿バリエーション No. MS形態)
 
ZZガンダムのLDボックスのブックレットに掲載された永野版ZZ第2稿のMS形態のバリエーション。
上のNo.1と比べると腰横の装甲版の形状が幅広のものから棒状のものに変更されているのが目に付く。
またバックパックに装備されているウエポンがかなり簡素化されている。

 
その他はあまり第2稿と相違は見られない。
 

 
設定画
ZZガンダムのLDボックスのブックレットに、第2稿の設定画と共に掲載されている。
またその下に、このMSの変形形態かもしれない設定画(バリエーションNo.4)が掲載されているが、そうであるのかは今の所不明。

 
もちろんサイン・日付等は確認できず。
ただし第2稿と同じく1985年10〜11月頃にデザインされたものと思われる。

 

 
掲載雑誌
機動戦士ガンダムZZメモリアルボックスTYPE−1封入ブックレット P9
  設定画完全一部書き込み完全一部タイトル サイン
このMSの設定画や第2稿やその他のバリエーションも掲載されている。またZZ最初期稿最終稿も掲載されている。
 
 
 
 ZZガンダム
      (ホワイトガンダム稿バリエーション No. 飛行形態)
 
ZZガンダムのLDボックスのブックレットに掲載された永野版ZZ第2稿の飛行形態のバリエーション。
 
背中のバックパック及び兵装と肩・腕脚部、脚部が変形して飛行形態をとっているのがわかる。
全体的に小さいがA・Bパーツとコアファイターが変形したものと思われる。そうであるとしたら、背中のバックパック部がかなり簡素化されているのが大きな特徴といえよう。

 
 
ただし機体の後部に描かれている脚部と思われる部分がバックパックの一部であるとしたら、バックパック部と肩・腕部が変形して飛行形態をとっているとも考えられる。
そうであるのなら脚及び胴体部がないことから別の機体となっていると思われる。つまりこの飛行機はAパーツ(一般にコアトップと呼ばれている機体)であろう。

 
ちなみに最初に描かれた第2稿は変形する際、肩及び腕部はBパーツ (コアベース)に収納されていたが、このバージョンではAパーツの方に変更されたものと思われる。
そう考えてみると肩・腕部分がいかにも後から書き加えられたようにも見える。

 
 
砲身の形状から上に描かれている第2稿バリエーションNo.1が変形したものかもしれないが、確証を得ることは出来なかった。
 

 
設定画
ZZガンダムのLDボックスのブックレットに、第2稿の設定画と共に掲載されている。
 
もちろんサイン・日付等は確認できず。ただし第2稿と同じく1985年10〜11月頃にデザインされたものと思われる。
 

 
掲載雑誌
機動戦士ガンダムZZメモリアルボックスTYPE−1封入ブックレット P9
  設定画完全一部書き込み完全一部タイトル サイン
このMSの設定画や第2稿やその他のバリエーションも掲載されている。またZZ最初期稿最終稿も掲載されている。
 
 
 
 ZZガンダム
      (ホワイトガンダム稿バリエーション No. 飛行形態)
 
ZZガンダムのLDボックスのブックレットに掲載された永野版ZZ第2稿の飛行形態のバリエーション。
 
同じ飛行形態であるNo.3と比べてかなり大型である。
No.3には描かれていなかった頭部や、肩・腕部、脚部らしきものが総て描かれていることから、A・Bパーツとコアファイターが変形合体したものと思われる。

 
肩部の収納が、第2稿No.3が縦に90℃変形しているのに対して、このバージョンでは180℃回転しているのが非常に印象的である。
また砲身やバックパック部が非常に大型化されている。
しかし、この飛行形態のノーズ部は何処へ収納されるのかさっぱりわからん・・・。
 
砲身の形状から上に描かれている第2稿バリエーションNo.2が変形したものかもしれないが、肩部に入った縦線の位置が異なる点が疑問である。
腰横部の装甲版の形状が若干違うようにも見える。

 

 
設定画
ZZガンダムのLDボックスのブックレットに、第2稿の設定画と共に掲載されている。
 
もちろんサイン・日付等は確認できず。
ただし第2稿と同じく1985年10〜11月頃にデザインされたものと思われる。

 

 
掲載雑誌
機動戦士ガンダムZZメモリアルボックスTYPE−1封入ブックレット P9
  設定画完全一部書き込み完全一部タイトル サイン
このMSの設定画や第2稿やその他のバリエーションも掲載されている。またZZ最初期稿最終稿も掲載されている。
 
 
 
 ZZガンダム
      (ホワイトガンダム3-1稿 F-1Σ/シグマベース.ダブルゼータ)
 
永野氏版のZZガンダム最終稿
 
この稿の時点で、永野氏は降板した。残念ながらこの時点では100%完成していたというわけではないとのこと。
「このデザインは7割ぐらいのところでストップしてしまったので、中途半端なところがあり辛いのですが・・・」 [Newtype1986年3月号]
  
2稿とは変形形式が変更され、当初示された明貴氏のAパーツ・Bパーツ合体案に変更された。
戦闘機形体のコアファイターが合体し、MS形体となる。また総てのパーツが合体したまま戦闘機タイプにも変形する。
 
特筆すべき特徴としては腕が折り畳まれない点である。
左腕にシールド、右腕にビームライフルを装備したまま肘が90度折り曲げられたまま固定され、変形する。またコアファイターは非常に簡素な構造をしている。
「シルエットは初代ガンダムに近いのですが、上下合体方式で、2機の戦闘機に変形することになりました。Zガンダムのようなシャトルの機体でなく、いかにも重装型の火力支援メカ・・・という印象です。この2機が上下からはさみこむ形で、コア・ファイターをボディに収納します。昔のコア・ファイターではなく、バイファムのポッドのような小型機の予定でした」 [Newtype1986年3月号]
「それぞれ飛行形態となるAメカとBメカにコアファイターが合体してZZやCメカ(Gアーマーのようなパワーアップメカ)に変形するという方針<ZZという名称はAメカとBメカの合体という事に由来する>が決定した。」 [B-CLUB4号]
「2機の飛行メカ+コアファイターというコンセプトを元に、まとめられた永野デザイン」 [B-CLUB8号]
  
しかし、この変形方法はかなり複雑であったと思われ、商品化することが出来ないという理由によって華々しく登場する機会を永遠に奪われてしまったのである。くそったれ。
「永野氏のプランはAメカとBメカの変形に立体化した場合、無理が生じるであろうと理由からNGとなった」 [B-CLUB4号]
「変形方式に難があり、結局ボツとなってしまった」 [B-CLUB8号]
「昨年12月末に事態は急変。メインメカのZZガンダム(仮称)をはじめ、ゲストメカを含め、永野メカは画面から一切姿を消すことになった」 [Newtype1986年3月号]
 

 
設定画
設定画はMS状態・Aメカ・Bメカ・コアファイター各種と、変形方法を図解した設定画が各紙に掲載された。
残念ながらサイン・日付等は確認できず。しかしながら変形図解はかなり見応えがある。必見。

ZZガンダムのLDボックスのブックレットにもこれらの変形図解やその他の設定画が掲載されている。
その中にはB−CLUB通巻4号MS大全集に掲載されなかったAパーツ横パース図やBパーツの変形展開図、腰部羽展開図なども掲載されている。

その他にも他の書籍には掲載されなかった設定画も掲載されている。
なかでもMS形態の背面パースは秀逸。背中のバックパック部の形状がよくわかる貴重な資料である。
AパーツとBパーツが合体した飛行形態の設定画もB−CLUB通巻4号に掲載されたものと若干肩装甲の取付角度が異なっている。
たぶんこの2つは同じ変形展開設定図の一部なのであろう
 
当時の製作用資料により、第3稿の詳細が判明した。 2013.11.13追記
この第3稿用に描かれた設定画は3枚で、MS状態、MA状態1
(副砲装備)、MS状態2(副砲無し)→便宜上こちらを3-1稿と分類。
この他に若干形態が違うMA状態、及び分離したAパーツ、Bパーツ、変形解説図4点が存在する→こちらを3-2稿と分けて分類する。

 
 
F-1Σ
MS形態が前面から描かれた設定画で、B-CLUB8・10号及びMS大全集等に掲載されている。
永野氏のサイン等はこれら書籍には掲載されていなかったが、当時のスタッフ用資料には「F-1Σ」及び「ZZGUNDUM(1)」と記載されていた。
おそらくMS形態での名称がF-1Σであると思われる。
 
なぜかスーパーロボット系アニメに登場する美形敵キャラみたいな人物の顔イラストが描かれ、その横には「Σシグマ」と記載されている。
人物の前頭部に「M.N」と書かれていることから、イラストとサインが複合的に描かれているものと思われる。
 
このMSは右腕にビーム砲がマウントされ、左手には全長の7割ほどの大きさで逆三角形型の盾を装備している。
この盾の形状が第3-2稿とでは若干異なっている(その他の本体部分はほとんど違いがない)。
※3-1稿設定画の盾は副砲としての機能を備えていることが、後述するMA形態の設定画に記載されている(盾の先端からビーム砲を撃てるものと思われる)。
 
その他に機体の左上に「※ムネの処理.」と書き込みが掲載されている。
 
 
シグマ.ベース.ダブル.ゼータ 副砲をつけたデザイン(1)
AメカとBメカが合体した状態でMAとなった状態が描かれた設定画。
 
設定画シートのタイトルとして
シグマ.ベース.ダブル.ゼータ 副砲をつけたデザイン(1)」と書かれ、「M.N.」のサインと女性のフェイスイラストが描かれている。
このタイトル・サインはスタッフ用資料のみでしか確認されていない。
 
設定画は、B-CLUB4号P7に掲載された変形形態解説図の中で、合体後(Cメカ)として記載・掲載されている。
注意すべき点として一緒に掲載されているAメカ、Bメカは3-2稿のものである
おそらく編集者がごちゃ混ぜにして掲載してしまったものと思われる(3-2稿の盾には中央側面に長円のスリットがあり、Aメカの盾には描かれているが、Cメカとして掲載されたこの設定画の盾には無い)。
ちなみに、この変形図用の正しいMA形態(3-2稿)はZZGLD-BOXブックレットP9に掲載されているのでそちらを参照のこと。
 
MS形態では左手に装備していた盾部分がMA状態の機体前方に取り付けられ、「←副砲」と記載されている。
ただしシートタイトルの「副砲をつけた」というのはこの武装を指すのではなく、MS背中にマウントされたコンバーター左右側面に取り付けられた砲門を指す。
(副砲を外したバージョンの設定画はこの部分の砲門が外された状態で描かれている)
 
その他にも「★カオの収納は何とかなった・・・」「★コア.Fの収納未解決 一応機首下にムキ出しになる」「インダクションBOXに頭をぶちこむか?」「★背中、恐るべきボリューム.この形をささえられるのは他人には不可能ではないか?」「線.これ以上省略不可能.」「動かせるか?」等、このMA状態の設定に対してのコメントが記載されている。
永野氏の中でまだこの機体の合体・変形デザインが固まっていなかったことがよくわかるコメントである。
 
 
シグマ.ベース.ダブル.ゼータ 副砲はずしたデザイン(2)
(1)の設定画をコピーして、コンバーター部分の副砲を外した状態でMA描き直した設定画。
現時点ではスタッフ用資料でのみで確認。
 
タイトルと副砲部分を消して、副砲取付け部を書き直している以外は(1)設定画シートそのままである。

 

 
掲載雑誌
B−CLUB通巻4号 P7
  設定画完全一部書き込み完全一部タイトル サイン
シグマベースの設定画が掲載されている。
B−CLUB通巻8号(1986年7月) P26
  設定画完全一部書き込み完全一部タイトル サイン
ZZガンダムデザイン決定までというコーナーに初稿と共にMS状態の設定画が掲載されている。
B−CLUB通巻10号(1986年8月) P26
  設定画完全一部書き込み完全一部タイトル サイン
逆襲のシャア第一報の欄になぜか永野版ZZガンダム(MS状態)の設定画が掲載されている。当初永野氏が担当予定だったことによるものであろう(この記事ではメカデザインは不明と書かれていたが)。
MS大全集 P97
  設定画完全一部書き込み完全一部タイトル サイン
幻のモビルスーツデザイン集というコーナーに、MS状態が掲載されている。
機動戦士ガンダム大全集(テレビマガジン特別編集)
  設定画完全一部書き込み完全一部タイトル サイン
MS形態の設定画が掲載されている。
ModelGraphix2010年9月号 P27
B-CLUB通巻4号の設定画が転載されている。
 
   
 
 ZZガンダム
      (ホワイトガンダム3-2稿)
 
3-1稿と非常によく似た形状をした機体。
このバージョンについては、MA状態(アーマー形態)とそれぞれが分離したAパーツとBパーツ、MS状態からA・Bパーツに分離する過程が描かれた設定画が存在する。
 
 
MA状態(A+Bメカ)のデザインは3-1稿とよく似ており、どちらかが先に描かれたかは不明であるが、非常に近い時期に描かれているものであると予想できる。
(3-2稿の設定画のサインにはMN85と年号が書かれているが、3-1稿のサインにはMNと書かれているだけで年月を示すものは存在しない)
3-1稿との違いで目を引くのは肩部分の収納で、3-1稿では斜めに固定されているが、この機体では直角に曲がって収納されている。
その他にも、機首部分となる砲身や盾(3-2稿には長円の排気口らしきものが描かれている)が異なっている。
 
なお、これらの設定画はZZGLD-BOXブックレットP9にすべて掲載されている。
このコーナーには「MAMORU NAGANO'S BASE DESIGN 1985.10-11」と銘打たれており、デザインされた時期が1985年の10〜11月であることがわかる。
もっとも2稿などもこの時期に描かれているのであるが。
 
MS状態からの分離解説図に描かれた機体が3-1稿なのか3-2稿であるのかは、Aパーツの盾の形状(長円の排気ノズルが確認できる)から3-2稿であろう。
なお、なぜかB-CLUB4号に掲載された変形図のCメカは3-2稿のものではなく、3-1稿のものに差し替えられ掲載されている。
 
3-1稿のMA形態(A+Bパーツ)の名称は「シグマベース.ダブルゼータ」であったが、こちらの機体には「アーマー形態」と書かれている。
(B-CLUB4号にはAパーツとBパーツが合体するとCメカになるとキャプションが打たれているが、永野氏の設定画にはそのような名称は描かれておらず、上記名称で記載されている)
 


 
設定画
3-2稿の設定画は、アーマー形態(A+Bパーツ)が1枚、Aパーツ・Bパーツでそれぞれ各1枚、変形分離解説図が4枚で、合計7枚の設定画の存在が確認されている。
これらの設定画はひとまとめにされ、ZZGLD-BOXブックレットに掲載されている(サインやシートタイトル、一部書き込みは削除されている)。
その他にもB-CLUB4号やMS大全集に設定画の一部が掲載されている。
 
 
A.パーツ
上半身のみが飛行形態に変形した状態が描かれた設定画。非常にシンプルな変形である。
設定画には「A.パーツ」のシートタイトルと「MN.85」のサインが書かれている(書籍掲載は確認されていない)。
 
 
B.パーツ
下半身と背中のコンバーターが飛行形態に変更した設定画。
Aパーツと同様に「B.パーツ」のシートタイトル、「MN.85」のサインが書かれている。
機体の機首の台形部分には「←コクピット」と記載されている(スタッフ用資料にて確認)。

 
アーマー形態
AパーツとBパーツが合体したMA形態の設定画。
設定画には、 「アーマー形態」のシートタイトルと「MN.85」のサインが書かれている。
 
 
ZZ変形.(1)
MS形態の側面図、背面図が1枚のシートに描かれている。
設定画には、タイトル「MS変形.」「(1)」、及びサイン「M.N」がシートに書かれている(スタッフ用資料にて確認)。
この状態のシートはZZGLD-BOXブックレットにも掲載されている。
コンバーター部分の先端が点線で延長され、「←もうひと回り大きい」と注意書きが記載されている。
 
 
ZZ変形.(2)
MS状態からAパーツ、Bパーツに分離し、各パーツが変形している過程が描かれている。
設定画には、タイトル「MS変形.」「(2)」、及びサイン「M.N85」がシートに書かれている(スタッフ用資料にて確認)。
その他にMSの腕とビーム砲を外して変形図を描いていることについて「※腕とコンバーターのビームははずしてあります」という説明書きも記載されている。
 

この設定画を注意深く見ることで、Aパーツの頭部収納方式が独特(ZGなどは前に倒れて胸部内に収納されるが、この機体は後ろに倒れるのみ)であることや、コンバーターがAパーツ部分とBパーツ部分に分かれること、内部に背骨がありそれがBパーツの機首部分になることなどが読み取れる。
 
MS状態の設定画には「←コアファイター」と腹部に注意書きが描かれている。
分離したAパーツには(頭部の)ツノ閉じる」「アタマ ムネ中央パーツと連動」(コンバーターの)インダクション上る」(接続部について)←胴パーツ.アーマー合体時ジョイント」、Bパーツには「足.脚をおおうようにうしろに回る」の注意書きが記載されている。
 
変形途中のAパーツには(コンバーターは)内側スライド」という機構説明とコアファイターや頭の位置を示す注意書きが記載されている。
 
 
(3)
Aパーツの飛行形態と、Bパーツと合体する際肩パーツが90度後ろに折れる解説図が描かれ、
「MN.85」のサインが書かれている
その他にもコアファイターの側面図が描かれている(コアファイターに関しては各稿描かれている設定は非常に少ない)。
Aパーツ飛行形態には盾が副砲であること示す書き込み(「←副砲」)と、この状態で変形が終了していることを示す「Aパーツ インターセプター形態.ここまで.」という書き込みがある。
 
Bパーツと合体する状態の設定画には、合体時に機首部分が下がることを説明した書き込み(「←インダクション下る」)と、頭部分が前にスライドする旨書き込み(「←もう少しアタマひっこむ」)が書かれている。
その他に「B.パーツと合体時、肩ブロック後方に移動可能.可能か?」という合体時の肩部装甲の稼働についての書き込みもあり。
 
 
(4)
Bパーツが飛行形態に変形する過程が描かれた設定画が2点、AパーツとBパーツが合体した状態での側面図が1点描かれている。
Bパーツの変形過程図にはBパーツの機首部分を示す書き込み(「←コクピット」)と、腰部羽の展開解説書き込み(「翼展開」)が書かれている。
その他に「よく考えたらガンダムからこのアーマー(A+Bパーツ)に変形して分離したほうが早かったりして」という自身の分離合体案に対しての疑問書き込みや、この(4)のシートで変形解説が完了したことを示す書き込み「合体しておわり」という書き込みも描かれている。
 
この時点の永野氏のアイディアではMS形態→Aパーツ・Bパーツ・コアファイターに分離→合体して飛行形態ということであったことがわかる。
ちなみに小林誠氏デザインのZZ決定稿もそうであったのかは、あまり詳しくないのでよくわかりません。ぐへ。
 


 
掲載雑誌
B-CLUB通巻4号 P7
  設定画完全一部書き込み完全一部タイトル サイン
変形関連の設定が掲載されている。
機動戦士ガンダムZZメモリアルボックスTYPE−1封入ブックレット P9
  設定画完全一部書き込み完全一部タイトル サイン
3-2稿の設定画7枚のほとんどが掲載されている。またZZ最初期稿最終稿も掲載されている。
MS大全集 P97
  設定画完全一部書き込み完全一部タイトル サイン
幻のモビルスーツデザイン集というコーナーにAパーツ・Bパーツ・アーマー形態の設定画が掲載されている。
 
 
 
 ZZガンダム
      (ホワイトガンダム稿・ワイツ)
 
ZZのメインデザイナーを永野氏がデザイナーを降板されてしまったことにより、没になってしまった永野版ZZガンダムの最後のイラスト
形状は3稿とほとんど同じであるが、頭部のバルカンポッドがビームガンに変更されている。額にモノアイが追加されているのがいかにもというべきかw。

 
このイラストは本来は「コレが永野護氏によるZZガンダムだっ!!」という趣旨で描かれたものである。
しかしながら、上記の通り永野氏が降板となってしまったことにより、本来闇に消えていくはずであったが、当時の編集者の英断によって「白い幻想 幻となった永野ガンダムを追って」という題をつけられ、Newtype1986年3月号に掲載されたことはあまりにも有名。
機体のカラーリング、降板のいきさつ、機体のコンセプトなどを知る貴重な資料となっている。
 
 
変形機構は3稿と変更はなく、細部が若干異なるのみである。
カラーリングは白色薄紫色という非常にシンプルな配色で、その外見からホワイトガンダムと呼ばれることも。
「シルエットは初代ガンダムに近いのですが、上下合体方式で、2機の戦闘機に変形することになりました。Zがんだむのようなシャトルの機体でなく、いかにも重装型の火力支援メカ・・・という印象です。この2機が上下からはさみこむ形で、コア・ファイターをボディに収納します。昔のコア・ファイターではなく、バイファムのポッドのような小型機の予定でした」 [Newtype1986年3月号]
「永野の手による主役メカZZはエルガイム同様まっ白なボディをもった美しいマシーンで(私たちはこれをホワイトガンダムと呼んでいた)」 [マモルマニア]
  
この永野版ZZガンダムが、ガンダムとして成り立っているかという事は人それぞれ異なった考えであると思うが、私的にはやはりガンダムであると想う。
もちろんこれはガンダムだと思う方もいれば、ガンダムではないと感じる方もいらっしゃるだろう。
実際にストーリーに登場していない以上議論してももはや詮無きことであるが・・・。
「今回の主役メカに関しては、日本サンライズとスポンサーの要望通りにデザインしました。とにかくガンダムにみえるように−というのが第一条件です」 [Newtype1986年3月号]
「今回は、あえてヘビーメタル風のカッコよさは追求しないつもりだったんです。モビル・スーツの持ち味はスマートなデザインラインではないんです。同じレベルでカッコよさを追求したらヘビー・メタルにはかなわない。モビル・スーツの武骨なイメージは違うレベルのカッコよさの中にあることを証明したかった。このデザインは7割ぐらいのところでストップしてしまったので、中途半端なところがあり辛いのですが・・・」 [Newtype1986年3月号]
「永野の手による主役メカZZはエルガイム同様まっ白なボディをもった美しいマシーンで、ガンダム世界のモビルスーツとエルガイム的な永野デザインの中間的産物ともいうべき、美しロボットだった。誰がどう見てもガンダムに血がないロボットとして、それはデザインされていた」 [マモルマニア]
「彼にとってガンダムを描けるかどうかというのは大きな命題だったに違いない。(中略)今回の百式を見た後では、ひょっとしたらかのホワイトガンダムも、やはりガンダムになりえていなかったのではないか・・・と思ってしまう。以前無意識で書いたが、あれは永野メカとガンダムの中間のデザインだったのかもしれない。」 [マモルマニア]
「これはもう、負け戦デザインです・・・・・ゴメンなさいのダブルゼータガンダムです・・・・・」 [OUTLINE]
「(ZZガンダムやハンマ・ハンマは)基本的にハンブラビとキュベレイでやろうとしたことの後継というのが、ボツになった「ガンダムZZ」の設定にはあったんです。」 [Zガンダムエース]
  
このMSは、後にパロディー企画としてワイツミラージュという名前のモーターヘッドとしてウェーブの佐藤直樹氏により立体化された。
 
ワイツとは1986年9月号の付録設定集THE OFFICIAL ART OF The Five Star Storiesにミラージュマシンとして設定されている。
当時の資料によるとレッドミラージュのフレームに、肩に巨大なコンバーラーイレーザーエンジンを装備した超高速移動型モーターヘッドとのことであるが、なんのことはない永野版ZZそのものである。
ちなみにこの機体はゲリラの攻撃により40%完成したところで3台共総て破壊されたとのことである(笑)。・・・・ゲリラかよッ!!
「その完成予想図は、なんと地球のムービング・ピクチャーズ・マガジンNEWTYPE86年3月号に白い幻想というタイトルで発表されている。変形も合体もしないよ!オマケに模型紙モデルグラフィックスにおいても100分の1のモックアップが発表されておりでないか!いったいどうしたことであろう。しかし残念ながら顔が何かに似ている。アマテラスはもっとカッチョイイ頭を考えていたのであった!?−あぁ情けない」 [付録設定集THE OFFICIAL ART OF The Five Star Stories]
 
 
この他にも、HobbyJAPAN1986年6月号に関根研一氏による
作例も掲載されている。
 
このワイツは現在ではL型ミラージュルクス・ミラージュに設定変更していると考えられるが、現時点ではこのモーターヘッドの詳細は不明。
ただしModelGraphix1986年8月号にワイツのイメージ稿として頭部及び搭乗ヘッドライナー(女性)が描かれている。
このワイツという名称は
Whitsという綴りである。まさに白き幻想といえよう。またコーラス6世のマークが機体に書かれている。
当時はこの機体がコーラス側に奪取もしくは提供されると設定されていたのかもしれない。

 

 
掲載雑誌
Newtype1986年3月号 P84〜85
カラーイラスト及びコメントが掲載されている。
ModelGraphix1986年8月号 P71
ワイツのイメージイラスト(モノクロ)が掲載されている
Newtype1986年9月号付録設定集THE OFFICIAL ART OF The Five Star Stories P18
ワイツのガレージキット及びワイツの解説が掲載されている
マモルマニア P106〜107・140
降板の事情や永野氏のコメントが掲載されている
OUTLINE P6〜7
1986年3月号の再録。最近の一言コメントが追加されている
ModelGraphix2010年9月号 P27
Newtype1986年3月号のイラストが転載されている。
機動戦士ガンダム30周年画集「天地創造」 P202 
Newtype1986年3月号のイラストが再録されている。
ガンダムエース2024年3月号 P13

Newtype1986年3月号のイラストが再録されている。
 
 
 
 ZZガンダム
      (サインイラストVer.)
 
2000年1月頃yahooオークションに出品された永野氏イラスト付きサイン色紙に描かれていた永野版ZZの頭部イラスト。
商品の画像がアップされていたために、この永野版ZZのイラストを見ることが出来た。
現在はサーバーから画像が削除されている。オークションの詳細はココを参照のこと。

 
イラストは1986年4月4日に大阪府のアニメイト高槻店で行われたサイン会にて描かれた物で、今までの永野版ZZとは微妙に異なるデザインで頭部が描かれている。
今までの系統から一気に初代ガンダムのラインに揺り戻されているのが興味深い。 
 

「W.M」の書き込みあり。
このサイン今はドコで誰のものとなっているのでしょうね?

 

 
掲載雑誌
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