A.年金と税金の関係について
公的年金には、老齢年金(退職共済年金)と障害年金・遺族年金があります。
老齢年金(退職共済年金)は、雑所得として所得税がかかります。保険者である厚生労
働大臣は年金を支払うときに所得税を源泉徴収します。障害年金と遺族年金は非課税です
★扶養親族等申告書
課税対象となる年金を受けている人には毎年11月上旬に日本年金機構・共済組合・基
金から「公的年金等の受給者の扶養親族等申告書」(ハガキ)が送られてきます。
日本年金機構の場合、課税対象となるのは65歳未満で年金額が108万円以上、65
歳以上で年金額が158万円以上の人です。申告書には扶養親族のことだけでなく、年金
を受けている本人が障害者・募婦・募夫等の記入欄もあります。
必要事項を記入して提出期限までに郵送してください。この申告書によって、翌年中に
受ける年金に対する所得税の源泉税額が決まります。提出しないと控除が受けられず、源
泉税額が多くなる場合があります。
★年金の源泉徴収票
2月から12月までに振り込まれた年金額の多少に関わらず、年末調整をして年金受給
者全員に、翌年1月から2月にかけて源泉徴収票が送られてきます。(年金の振込が退職
共済年金・老齢厚生年金・基金の3ヶ所から送られてきます)
※障書年金・遺族年金は非課税ですから、源泉徴収票は送ってきません。
★確定申告
①年金所得者に係る確定申告不要制度
公的年金等の収入金額が400万円以下の場合は確定申告の必要はありません。
但し、源泉徴収票で所得税を控除されている場合は、年金の年末調整は、社会保険料・
生命保険料・損害保険料・小規模企業共済等の掛金は控除対象としていませんので、これ
らを納めている人は確定申告をすれば還付される可能性があります。
②年金の他に給与収入がある人
年金の他に給与収入のある人は、年金と給与のそれぞれから源泉徴収される事になりま
す。しかし、年金については前述の通り、給与収入についても年末調整で考慮されない医
療費控除などがあります。所得税の確定申告の必要がない場合であっても、所得税の還付
を受けるためには、確定申告書を提出する必要があります。
※源泉徴収票は必要があれば複数枚の再発行もできます。日本年金機構の窓口へ、本人が
直接行く場合は年金証書・認印・健康保険証または運転免許証など、身分を証明するもの
を持参してください。
配偶者や家族、代理人の場合は、上記の他に委任状も必要です。
(社会保険労務士・後藤田慶子)