<被用者年金の一元化>
●厚生年金の被保険者に
平成27年10月より年金制度の公平性、安定性の確保を目的として、共済年金は民間の
会社員が加入している厚生年金に統合されることになりました。
公務員等も厚生年金の被保険者になるのです。

2階部分(報酬比例部分)については今後「老齡厚生年金」として受けることになります
1階部分の国民年金に第1号被保険者、第2号被保険者、第3号被保険者の種別があるよ
うに、厚生年金にも次の4つの種別ができました。
第1号被保険者・・・・・民間の会社員
第2号被保険者・・・・・国家共済の組合員
第3号被保険者・・・・・地方共済の組合員
第4号被保険者・・・・・私学共済の加入者
|
ただし、事務や年金給付、年金裁定、年金振込みについては従来どおり種別ごとにそれぞ
れの共済組合や厚生労働省(日本年金機構)が実施機関として行うことになっています。
●いつから変わるの
被用者年金が一元化される平成27年9月30日までに年金の受給権が発生した人は、従
来通り「退職共済年金」を受けることができます。64歳までの人で「退職共済年金」を
受けていて、平成27年10月1日以降に65歳になるは、65歳からは「退購共済年金
」から「老齢厚生年金」に名称が変わります。平成27年10月1日以降に受給権が発生
する人は「老齢厚生年金」として受けることになります。
3階部分 (職域部分)については平成27年10月から廃止され、新たに「退職等年金給
付」が導入されます。平成27年9月までの組合期間分は職域部分として受けることがで
きます。
共済年金と厚生年金とでは制度間のさまさまな違いがありました。それらの違いは原則厚
生年金に合わせることになります。
●老齢厚生年金の在職支給停止
従前から老齢厚生年金(退職共済年金含む)を受けている人が厚生年金の被保険者になっ
た場合、毎月の給与額等によって老齢年金の一部又は全部が支給停止になるしくみがあり
ます。
従前は①+②が46万円を超えたとき年金の一部又は全部が支給停止になっていましたが
年齢によって次のようになりました。
----------------------------------
①基本月額=老齢厚生年金÷12
②平均給与月額=給与+直近1年間に受けた資与÷12
65歳まで・・・①+②28万円を超えたときに年金の一部又は全部停止
65歳以降・・・①+②が46万円を超えたときに年金の一部又は全部停止
----------------------------------
●女性の支給開始年齢
従前より老齢厚生年金の支給開始年齢は男女によって5歳の差がありました。
共済年金については男女の支給開始年齢は同じでした。一元化後は厚生年金の第1号被保
険者期間については従前の老齢厚生年金の支給開始年齢と同様です。
厚生年金の第2号、第3号、第4号被保険者期間については男女の開始年齢の差はありま
せん。
(社会保険労務士・後藤田慶子)