年金よろず相談室
 

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Q.年金について
2015
. 8.12



 平成26年4月に施行された「公的年金制度の健全性及び信頼性の確保の為の厚生年金保険
法等の一部改正」により、ほとんどの基金がここ5年をめどに解散していく方向となっていま
す。


 ●基金とは

  事業主(企業)が従業員の老後の生活保障を手厚くするために作られた、老齢の厚生年金
 にプラスアルファして年金給付を行う制度です。
  加算部分の保険料については、全額事業主(企業)が負担しますので、本人の負担はあり
 ません。従業員にとっては保険料を負担することなく、上乗せ給付を受け取ることができる
 メリットある制度といえます。
  基金に加入した場合の年金給付の中身は、下表のように国の代行部分と加算部分からなっ
 ています。


  


 ●なぜ解散するのか

  積立金の運用で期待通りの利益が得られず、基金の純資産が、国から預かって連用してい
 た代行部分を下回り、改善が見込めない場合、国から早期の解散を促されます。
  責任準備金の積立金不足については、不足額を基金に加入している事業主が負担すること
 になります。


 ●
代行返上とは

  代行部分の積立金が充分にある場合、解散はせず代行部分の積立金を国に返上し、加算部
 分の年金についてはそれぞれの基金独自に運用する方法(確定拠出年金・確定給付年金等)
 を個人または企業で選択することができます。


 ●基金が解数した場合、かけていた年金はどうなる?

  代行部分については、国から老齢厚生年金として支給されますが、加算部分の年金につい
 ては、次の通りです。

  ① 現役で働いていて、まだ年金の受給権のない人は、残念ながら加算部分の年金は支給
   されません。

  ② 10年未満で退職したなど、年金資産を「企業年金連合会」に移行した人は、今まで
   通り支給されます。しかし、この先どうなるかは不透明であるといえるでしょう。

  ③ 基金から給付を受けていた人は、代行割れで解散した基金の場合、加算部分はなくな
   ります。代行割れ予備軍として残余財産を残して解散した基金の場合は、減額された年
   金または一時金として受け取ることができます。



(社会保険労務士・後藤田慶子)


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