年金よろず相談室


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                                     2017. 5.15

   ●今年度の年金額は?

  「2016年平均の全国消費者物価指数」が公表され、前年比の0.1%のマイナスで
 した。これを基にして算定した賃金変動率はマイナス101%でしたが、物価変動で改定
 されるため、
年金額はマイナス0.1%引き下げとなります。



        【年金額の改定ルール】

      年金額は原則として新規裁定者(年金を受給し始める方)は賃金
     変動率で、既裁定者(年金受給中の方)は物価変動率によって改定
     されるしくみになっています。物価と賃金がともにマイナスで、賃
     金が物価を下回る場合は、新規・既裁定者ともに物価変動で年金額
     を改定することが法律で規定されています。
      老齢厚生年金については、年金計算方法が「本来水準」と「従前
     額保証水準」があり、それぞれを計算して、高い方を支給するしく
     みになっています。本来水準の改定は、平均標準報酬月額を計算す
     るときに物価と賃金でスライドしていく手法です。
      昭和12年度以降生まれの方は、本来水準での年金額が高く、老
     齢厚生年金については本来水準が用いられます。
      
平成29年4月分から年金額は引き下げになります。4月分、5
     月分が支払われる6月15日の振込から減額になりますね。

  ●在宅老齢年金は?

  60歳台前半(60歳~64歳)の支給停止調整開始額は28万円に据え置きとなって
 います。
  
60台後半(65歳~69歳)と70歳以降の支給停止調整額は、47万円から46万
 円に引き下げとなります。


  【計算例】
  老齢厚生年金が120万円で、標準報酬額が40万円、賞与なしの場合
  ①基本月額    ・・・ 120万円÷12=10万円
  ②総報酬月額   ・・・  40万円
  ③支給停止調整額 ・・・  46万円
  
「支給停止額=(10万+40万-46万)×1/2×12=24万円」
  →年間24万円(月2万円)が支給停止となります。

  ●国民年金の保険料は?

        
(平成28年度)   (平成29年度)
  
1ヶ月あたり16,260円 ⇨ 16,490円(230円の引き上げ)
 ◎保険料の前納額(平成29年4月~)





(社会保険労務士・後藤田慶子)

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