
「2016年平均の全国消費者物価指数」が公表され、前年比の0.1%のマイナスで
した。これを基にして算定した賃金変動率はマイナス101%でしたが、物価変動で改定
されるため、年金額はマイナス0.1%引き下げとなります。


年金額は原則として新規裁定者(年金を受給し始める方)は賃金
変動率で、既裁定者(年金受給中の方)は物価変動率によって改定
されるしくみになっています。物価と賃金がともにマイナスで、賃
金が物価を下回る場合は、新規・既裁定者ともに物価変動で年金額
を改定することが法律で規定されています。
老齢厚生年金については、年金計算方法が「本来水準」と「従前
額保証水準」があり、それぞれを計算して、高い方を支給するしく
みになっています。本来水準の改定は、平均標準報酬月額を計算す
るときに物価と賃金でスライドしていく手法です。
昭和12年度以降生まれの方は、本来水準での年金額が高く、老
齢厚生年金については本来水準が用いられます。
平成29年4月分から年金額は引き下げになります。4月分、5
月分が支払われる6月15日の振込から減額になりますね。

60歳台前半(60歳~64歳)の支給停止調整開始額は28万円に据え置きとなって
います。
60台後半(65歳~69歳)と70歳以降の支給停止調整額は、47万円から46万
円に引き下げとなります。
【計算例】
老齢厚生年金が120万円で、標準報酬額が40万円、賞与なしの場合
①基本月額 ・・・ 120万円÷12=10万円
②総報酬月額 ・・・ 40万円
③支給停止調整額 ・・・ 46万円
「支給停止額=(10万+40万-46万)×1/2×12=24万円」
→年間24万円(月2万円)が支給停止となります。

(平成28年度) (平成29年度)
1ヶ月あたり16,260円 ⇨ 16,490円(230円の引き上げ)
◎保険料の前納額(平成29年4月~)

(社会保険労務士・後藤田慶子)
|