 

定年後に再雇用となり、給与が下がりました。雇用保険から給付を受けられるそうですが、
何か影響はありますか?
60歳時点の給与が75%未満に下がったとき、60歳から65歳の間、雇用保険から「高
年齢雇用継続給付」を受けることができます。老齢年金を受けている人がこの給付を受けると
低下率により年金の一部が減額されます。例えば、60歳時点の給与が40万円、定年再雇用
後の給与が60%の24万円になったケースでは、雇用保険から毎月36,000円が給付さ
れます。
この給付を受けると、給与額(賞与含まない)24万円に6%を乗じた14,400円が年
金から減額されます。年金月額が10万円の場合、在職老齢年金をあわせると44,400円
が年金から減額されるということですね。

退職後に雇用保険の失業給付を受けると、年金はどうなりますか?

65歳前に会社を退職してハローワークに求職の申込をした場合、雇用保険の失業給付(基
本手当)の対象となります。65歳前に求職の申込をした場合、申込をした月の翌月からの年
金は支給停止されますが、65歳以降に求職の申込をした場合、年金は支給停止されません。
65歳以降に退職した場合は、一時金として高年齢求職者給付金が支給されます。一時金を
受け取っても、年金は支給停止されません。何歳に会社を退職するのか、何歳に求職の申込を
するのかで、雇用保険の給付や年金の支給停止有無が変わってくるということですね。

雇用保険の加入年齢は何歳まで?
平成29年1月1日から65歳以上で働く人も、雇用保険の加入対象となりました。対象と
なるのは「週の所定労働時間が20時間以上、かつ31日以上の雇用見込みがある人」で、年
齢の上限はありません。
保険料は、毎年4月1日時点で64歳以上の人であれば免除されますが、平成32年4月か
らは年齢に関わらず保険料がかかるようになります。


2018年 4月30日
(社会保険労務士・後藤田慶子)
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