生まれた!

  産婦人科に入院して、レントゲンをまず撮りました。この時期のレントゲンは胎児には影響は無いよ!ということで安心。
そして、またヘパリンの投与が始まります。
大部屋に、検診の時にいつも一緒になる方がいたので、その人と仲良くしてもらいました。
心臓外科での入院の時は、周りが御年配の方ばっかりだったのでなかなか慣れずでしたが、今回は年齢の近い人ばっかりだったので
そんなに暇を持て余すことも無く、楽しい入院生活になりました。
 入院して、先生から、話があり帝王切開は1週間後の8月2日に決定。
但し、血が止まりにくいので部分麻酔でなく全身麻酔での手術になりました。
(部分麻酔は背中から注射をするので、背中で内出血してしまうと脊髄の障害が残る可能性があるため)
それに、全身麻酔で赤ちゃんが眠ってしまう可能性があるので、小児科の先生も同席するとのこと。
あと、何かあっては困るので一応心臓外科の先生も同席。そんな多くの先生に見守られて、いよいよ出産です。
手術の日まで、ヘパリンの量の調整の為に採血が毎日あります。
でも、もうそれも慣れっこの私・・・どうってことなかったです。例え、検査が失敗して一日に2〜3回採血されようとも・・・(笑)
前日には、麻酔科の先生との話(麻酔についての話)がありました。

 そして、8月2日。この日は朝から絶食です。水分はギリギリまでOKなので、ず〜っとペットボトルをもってお茶を飲んでました。
手術は2時30分から。12時に前麻酔の飲み薬を飲みます。本当は麻酔を飲んだあとは動いてはいけないのですが
その前に水分を取りすぎていたので、自力で歩いてお手洗いに行って怒られました。皆さんも気をつけて下さいね・・・
(って、こんなことするのは私くらいか・・・そう言えば、昔心臓の手術をする時も麻酔の薬飲んでから動き回って怒られた経験が・・・成長してない、私)
そして、2時過ぎに手術室へ。本来なら、帝王切開用の小さい手術室になるはずですが私の手術はたくさんの先生が入る予定。
ということで、一番大きい手術室にはいります。自分で、手術用のベットに乗って、周りを見てみると麻酔の先生、産婦人科の主治医の先生、
産婦人科の部長先生、助産婦さん、手術室の看護婦さん2人…とたくさんの人。この上、小児科の先生と心臓外科の主治医の先生が入るのです。
 そんな事を行ってる間に、私は体を消毒されて点滴を入れられて(この点滴が手首から入れられてとても痛かった・・・・)。
麻酔の先生「もうすぐ瞼が重くなるけど意識はあるからね〜酸素マスクつけますね〜」」私「は〜い」
瞼が重くならないように抵抗してみる・・・が、あっという間に瞼が重くなった。でも、意識はあるし、
人の声も聞こえてます。心臓外科の先生が入ってきて声を掛けてもらいました。私はうなずいたけど分かってもらってなかったみたい。
(あとから、心臓外科の先生に聞いたら、「あれわかっとったん?」と言われた。)
酸素マスクがずれてて、目に当たって痛かったけど、口も利けないし・・・
そうこうしてる内に、先生方が騒ぎ始めた・・・「小児科の先生はまだか!」「早く連絡して!」「麻酔の時間がなくなりますよ!」
かなり慌ててる先生方・・・私「意識あるんですけど・・・」と思っていたら小児科の先生登場!
麻酔の先生「じゃ、今から意識なくなりますよ〜リラックスしてね〜」とさっきとはうって変わって優しいお声・・・
と同時に私の意識はなくなりました。
 次に気付いたのは、私を呼ぶ声。時計を見ると16時30分。看護婦さん達が「元気な女の赤ちゃんですよ〜」
私は、麻酔が醒めて・・・・息ができない!麻酔の先生「呼吸器入ってたからね〜大丈夫ゆっくり深呼吸して〜」
と言われても、なかなか苦しくてむせてしまって・・・と思ってるところに激痛!!!
私「$&%@*+?!」麻酔の先生「あ〜かなり痛がってるな〜後産の痛さと傷の痛さでパニックになってるわ〜」
看護婦さん「先生、よく知ってますね〜」麻酔の先生「すぐに痛み止め効くからね〜」
私は元気な赤ちゃんが生まれたことの喜びと余りの痛さで涙を流しながら苦しんでいました(笑)

 病室に戻ると、はづちちと私の母が待ってました。2人とも、もう赤ちゃんを抱っこしたとのこと。
はづちちが「ご苦労さん」って言ってくれた時、本当に嬉しかったです。
だいぶ、呼吸も落ち着いてきた頃、助産婦さんが赤ちゃんを連れて来てくれました。
保育器に入った赤ちゃん、助産婦さん「ちょっと今から検査に行ってくるから、先に会っていてね〜」と。
周りが異様に騒がしかったのも気になりましたが、最初に心臓の検査をお願いしていたのでその検査だと思っていました。
(かかりつけのお医者さんに、「一度赤ちゃんの心臓も見てもらっときや〜」と言われていたので)
ほんの少し、赤ちゃんとのご対面。私の指を握ってくれた赤ちゃんは毛むくじゃらで、とっても小さかったです。
そして、検査に行ってしまいました。

 しばらくしてから、産婦人科の主治医の先生、心臓外科の部長先生と副部長先生、小児科の先生、小児循環器の先生が入ってこられました。
みんな、深刻な顔です。このとき、嫌な予感がしました。
「赤ちゃんは今ICUにいてます。」ICUって?
「実は、赤ちゃんの心臓に障害があって、1週間以内に急変してしまう可能性があります。ここではもう・・・」
そこから、私の耳に病気の説明をしてくれてる先生の声は聞こえません・・・
「元気な赤ちゃんって言ってたんちゃう?1週間で急変するって?手術は?」
はづちちが色々聞いてますが、私はパニックになっていつのまにか大泣きしていました。
とりあえず、「19時の面会に行ってあげてください。」ということで先生方は去っていかれました。
みんな泣いています。このときの事は、本当によく覚えてません。
とりあえず、はづちちと私の実母が面会に行きました。助産婦さんが私のそばにずっとついててくれました。
私の中では、とても楽しみにしていたはづちちとはづちちのおばあちゃんとお父さんに申し訳ないと、顔を合わせられないと言う事と
赤ちゃんにごめんねということで頭が一杯でした。
 面会から帰ってきたはづちちが「名前だけでも付けてあげな・・・」と、私もそれには賛成です。
そして、私は「ごめんなさい」と謝りました。はづちちは、「誰のせいでもないから」って言ってくれたけど。
やっぱり、母親としてはかなりの責任を感じるもの。(あとで知り合った病気の子供を持つお母さんたちも言ってました。)
その日は、ずっと泣いてました。

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はづにっき