初めての抱っこ

 次の日の早朝・・・結局余り眠れず。
私の母に、「朝の面会に、赤ちゃんみてきてな・・・」と、お願いしていました。
そんな所へ、はづちちのおばあちゃんとお父さんが。私は、申し訳ない気持ちで顔も合わせられず、タオルをかぶって泣いていました。
7時、朝の面会の時間です。私の母と、はづちちのお父さんとおばあちゃんの3人で面会に行ってもらいました。
1階の面会時間は15分。3人までしか入れません。
私は、点滴やら尿道やら心電図やら管やコードに絡まれたままだったので動けず、面会は断念していました。
みんなが面会に行ってる間も、助産婦さんがついていてくれました。そして、「昼の面会には行こうね」と言ってくれました。
私は嬉しくて、あっという間に泣きやんでしまいました。(かなり単純・・・)

 みんなが帰ってきてからも、顔は出すことが出来ずにいました。結局、はづちちのおばあちゃんとお父さんに顔を見せずに二人は帰っていきました。
それと入れ替えに、はづちちが来てくれました。「午後の面会には行く事ができるよ」って言うと、「それまでに名前つけなあかんな」ということになり
午前中に名前を考える事にしました。健康で、少しでも長生きできる名前・・・はづちちは、私の名前から「紀」を取りたいと言ってくれました。
私の生命力にあやかってと言う事で。確かに私は、今まで何度か危ない事が会ったけど・・・でも、嬉しかったです。
そして、あれこれ考えて・・・・途中2人とも、うとうとしながら・・・お昼になって、8月生まれやし「はづき」は?ということに。
 「寿」と言う字は、長生きと言う意味だったので入れたくて「はづき」の「づ」に。「き」は私の名前から「紀」。
「は」は?と言う事で色々悩んで〜結局決まらずに面会時間がきてしまいました。

 午後の面会は3時からです。産婦人科の先生が車椅子を持って迎えに来てくれました。助産婦さんが点滴を持って、先生が車椅子を押してくれて
出発です。はづちちの弟の奥さんも来てくれていたので一緒に面会です。エレベーターで6階まで上がってICUに到着です。
「そう言えば、私もここにいてた時期があったな〜」と思いながら・・・
ICUに入るには手を洗って消毒して、白衣に着替えて帽子をかぶって・・・とてもまどろっこしかった。
けどもうすぐ「はづき」にあえると思うと嬉しくて。ICUには行ってすぐはづきを見つけました。
一番小さいベットに寝かされていました。念願のご対面です。
 本当に小さいはづきは、たくさんの点滴をつけて一生懸命生きていました。「ごめんね・・・はづき・・・」心の中で思いました。
ICUの看護婦さんに「名前決まりました?」って聞かれて、「はづきです!」「どんな漢字書くの?」「・・・まだ決めてない・・・」
「あっ・・そう?(^^;)いい名前やね〜はづきちゃんやって」と話し掛けてくれてます。
「抱っこしてみる?」って聞かれて、「はい!」
と言う事で、初抱っこ!2人とも点滴の管で一杯でゴチャゴチャになりながら初めてはづきを抱っこしました。
すごく嬉しくて、ずっと「はづき〜はづき〜」ともうメロメロです。
 
 実はこのとき、はづちちははづきの担当の先生とこれからについての話をしていました。
「この病気は3回ぐらい手術をしないといけないが、この病院ではかなり成功率が低い。
もう少し、成功率の高い病院があるけど、そこでも3回とも成功するのはかなり難しい・・・
でも、もし手術を希望するならすぐにでもその病院に転院しないといけないし、
今のままでは明日持つかどうか・・・どうするかすぐに決めてもらわないと・・・」
こんな内容の事を話していました。それは知ってたし、聞こえてましたが私ははづきに夢中で。
でも、もうこのとき、私の中では決めてました。手術してもらうと・・・
「じゃ、もうそろそろ・・・」ということで、面会時間終了・・・まだ、そんなに経ってないやん!と思いながら、
別れる時は涙が溢れていました。でも、実際1時間ぐらい会ってたんですが・・・

 そして、病室に戻ってすぐはづちちに「どうする?」って聞かれました。私は「手術してもらう!」と速答しました。
はづちちは「いいんやな。」と念押ししてすぐに手術してもらうようにICUの先生のところに飛んで行きました。
帰ってきて、「『は』はどうする?はよ決めて、5時までに出生届ださな!」ということで「は」は『初』に決まりました。
その日は金曜日。月曜日までは待ってられません。はづちちは、慌てて役所まで出生届をだしに行きました。
 はづちちが役所に行ってる間にはづきの転院が決まりました。看護婦さんが「5:30にはここでます。あれ?お父さんは?」
「今出生届けだしに行ったけど・・・」「何時に戻ってくる?」「分かれへんけど・・・携帯に電話してみてください。」
と言う事で、看護婦さんが電話を掛けに行ってる間に、はづちちが帰ってきました。
「あ〜よかった〜はづきちゃん5:30に出発やから。お母さんも見送りに行く?」「もちろん行く〜」ということで、5:30。
1階まで、また車椅子でお見送り。けたたましいサイレンとともに、初寿紀は降りてきました。
そして、救急車に乗せられて大阪の病院に転院しました。はづちちは、すぐに自分の車で追っかける事に。
 
 私は、一足先に病室に戻ってました。無理して、動いたのが悪かったのか気分が悪くなってしまいました。
病室に戻ると、私の父が・・・「なにしてるん?」と私。「あかちゃんは?」「今、転院したよ〜」と言ってるとはづちちが。
「今から大阪の病院に行ってくるわ〜。また、戻ってくるから。・・・あんな、今救急隊員の人に「後ろから付いて来れますか?車で」って
聞かれたからな、無理ですって答えといた(笑)」「そりゃ、救急車の後ろはついて行かれへんわな・・・」
とこんなことを言いながら、はづちちと私の父は大阪の病院に行ってしまいました。
 夜、帰ってきてから、大阪の病院の先生の話をしてくれたけど、私は疲れきっててよく分からなかったです・・・正直な話・・・
一生懸命聞いてきてくれて報告してくれてけど、分からなかったわ・・・ゴメンねはづちち(今だからいえる話だわ・・・)

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はづにっき