最大繁殖地2

Habitat 3
Habitat 4

長野県北安曇郡白馬村北城に生息するハクバサンショウウオの最大繁殖地である湿地(2005年5月1日調査。比較のために、昨年の調査を参照のこと)

(A) この湿地の概観。今年のハクバサンショウウオの繁殖期は、たくさんの残雪(この写真の下方)の影響で遅れていた。

(B) 湿地内の繁殖場所の大きさ(面積20.0×35.1m) を30mと50mのガラス繊維巻き尺(中央で交差しているライン)を用いて計測した。ザゼンソウ(赤紫色の包)が比較的、多いことに注目。

特に総排出口周辺部が充血して膨らんだ、ハクバサンショウウオの典型的水生型のオス7匹、排卵中のメス1匹、排卵が完了したメス3匹が、水中の倒木の下から見つかった(水のpH=5.8〜6.3)。地面の倒木の下(土壌pH=4.6)からは未排卵のメス2匹が、水際にある倒木の下からは排卵が完了したメス2匹(彷徨行動の証拠)と未排卵のメス1匹が、水中にある倒木の下からは胚発生のステージが4細胞期の卵嚢3対が見つかった。これらの個体の中で、2匹のメスの左右の後肢には、痕跡的第5趾が見られた。水中には、ヤマアカガエルの幼体1匹が潜んでいた。

同行した調査者(アルファベット順、敬称略): 懸川雅市(東京都立小松川高等学校)、岸冨士夫、齊川祐子(しろうま自然の会)。


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