クロサンショウウオの1対の卵嚢

Egg Sacs
尾芽胚期まで発生が進んだ、左右で1対の2個の卵嚢(クロサンショウウオ)。紡錘形の卵嚢はクロサンショウウオの特徴で、サンショウウオ科の他の種では知られていない(例、ハクバサンショウウオの卵嚢; ヒダサンショウウオの卵嚢)。卵嚢の色は、そのほとんどが白色不透明タイプで、地理的に変異するけれども、この写真で示されているような透明タイプの卵嚢が、時として出現する。水中に産出された直後の1個の卵嚢は成人男子の小指程度の大きさだが(26個の平均重量は約2.7g)、卵嚢の寒天質層が徐々に水を吸い、孵化直前には平均で約180.6gまで増加する(摂氏8度の水温で孵化まで約37日; Hasumi et al., 1994)。1対の卵嚢中の卵数(1腹卵数)は個体群によって著しく変異し、新潟県の岩室村(標高180m)では38対の平均で約100.6個、大島村(標高760m)では8対の平均で約53.6個、新発田市(標高1100m)では6対の平均で約56.0個である(Hasumi, 2001)。


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